シニア犬(老犬)の介護特集(寝たきり介護編)
うちの子が寝たきりになった時、どんなお世話をすればいいの?
そんな疑問に介護のプロがお答えします
安部 里梅 さん
動物病院での豊富な看護経験を活かした老犬介護のプロ。専門的で安心できる動物看護&介護を手助けする総合ケア施設を立ち上げ、代表を務める。
次に、体の一部が長時間圧迫されるのを防ぎましょう。
合っていないものを使うと、逆効果なことも。
寝返りサポート
まだ自分で寝返りできるけれど、眠る時間が長くなってきたという子は、長時間寝ても疲れにくく、少ない力で寝返りができるのでお勧めです。
の床ずれ予防
寝たきりでずっと同じ姿勢でも、骨の突出部の圧力と痛みを和らげラクに眠ることができます。反対に自力で動ける子にとっては、沈み込むために寝返りがしにくくなってしまいます。
- じんわり柔らかく沈み込む低反発ウレタンと、沈み込みすぎを防ぐ高反発素材の2層構造。
- 圧力を分散して、骨突出部の血管圧迫を防止。
- じたばたしてもズレ落ちにくいカーブ形状。
- 詳しくはコチラ ▶
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自分で動ける
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自分で寝返りできない
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床ずれができた
安部 里梅 さん
濡らさずケアできるアイテムを使うのも◎
コツは?
汚れたら早めに、
こまめに 落とす!
汚れ落としスプレーや、水の要らないシャンプーなど、「濡らさずケア」できるアイテムを使って、負担を軽減してあげましょう
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しみつき臭、黄ばみをスッキリ落とす!肌に優しい尿臭専用スプレー。
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愛犬に優しい天然由来成分100%で洗浄&保湿。水のいらないシャンプー。
洗いたい!
①愛犬のお尻周りにトイレシーツを二重に敷きます。
② ソースなどのボトル(複数穴の開いた、シャワーのように出てくるものがおすすめ!)を用意します。市販のおしり洗浄液(ペット用)を入れ、少しずつかけながら汚れを落とします。
お風呂場でしっかり洗いたい場合は、穴の開いたお風呂マットなどに愛犬を寝かせて洗ってあげましょう。鼻や口に水が入らないよう、頭部を起こしてあげてくださいね。
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120×90cmの広範囲に敷ける超大判シーツ。
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両手を自由に使えて便利。アームは自在に曲げて好みの角度に。
また、乾きにくい部分(お腹やわきの下など)を中心にしっかりタオルドライすれば、ドライヤー時間を短縮できます。 監修:動物介護施設ペットケアホーム・リュッカ代表
安部 里梅 さん
お腹を下に向ける姿勢で回転させるのがポイント。
- ①犬の背中側から片手を犬の肩下に差し入れ、ゆっくりと上体を起こす。
- ②もう片方の手で後ろ脚を持ち、おなか側を下に向ける方向で体を回転させる。
- ③そっとお尻から下ろし、反対向きに寝かせる。
寝返りさせてもいいの?
やさしく声をかけながら
起こしてあげて。
暴れてしまいます…
その子に合ったやり方を
見つけてあげましょう。
また、「前庭疾患」のある子は自分が落ち着く向きや角度があり、そこから動かされると嫌がって暴れる場合があります。無理やり向きを変えるのではなく、同じ向きのまま少し体の角度を変えてあげたり、介護マットを使用するなどして緩和してあげてください。
ずっと支えるのが大変…
毎回、無理にフセの姿勢に
する必要はないです。
寄せられた質問に、専門家が回答します。
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Q. トイレのお世話はどうしたらいいですか?
回答を読む -
Q. 自力でご飯を食べられなくなったらどうしたらいいですか?
回答を読む -
Q. 気分転換にお外へ連れて行ってあげるのはOKですか?
回答を読むA. ぜひ、ペットカートに乗せるなどして連れて行ってあげてください!日光を浴びることは愛犬にとって大切なことです。 -
Q. 日光浴はさせてあげても大丈夫ですか?
回答を読むA. OKです!1日10分でも日光に当ててあげることで、体内リズムが整ったり、ビタミンDの生成にも有効です。
暑い季節は熱中症に気を付けてあげてくださいね。 -
Q. 通院時、車に乗るときに気を付けることは?
回答を読むA. 車に乗って暴れてしまう子は注意が必要です。
ドライブベッドや座席の隙間を埋めるアイテムを使用することで、座席からの落下を防げますし、飼い主さんも安心して運転に集中できます。
ケージやクレートに入れる場合は、格子部分に脚や指が引っかかってケガをしてしまうことがあるので、格子状のものは避けるのがよいと思います。
ドライブグッズはこちら⇒ -
Q. 仕事をしているのですが、お留守番をさせても大丈夫ですか?
回答を読むA. 愛犬の状態にもよりますが、自分で水が飲めなかったり、転倒して起きられないような状態であれば、難しいと思います。
まだお留守番ができるうちに、安心できる預け先を探しておくことが大切です。 -
Q. 手足が冷たいのですが、血行を良くするマッサージ法などがあれば知りたいです。
回答を読むA. まず、あたたかいタオルやホットパックなどで体(手足だけでなく全身)を温めて、血流をよくしてあげましょう。
そうすることで、より良い効果が得られます。
足先をにぎにぎしたり、脚をゆっくり曲げ伸ばししたり、体をゆっくりさすってあげたり…。ふたりだけのスキンシップの時間としてぜひ楽しんでください♪ -
Q. 昨日まで歩けていたのに、急に立ち上がれなくなることはよくあるのでしょうか?
回答を読むA. よくあることだと思います。
昨日まで普通に歩いていたように見えていても、もしかすると本人は限界だったのかもしれません。
また加齢の他、椎間板ヘルニアなどの疾患が突如発症し、立てなくなるという場合もあります。 -
Q. 大型犬が特に気を付けることがあれば知りたいです。
回答を読むA. 大型犬は胃捻転にぜひ気を付けてください。
文字通り胃がねじれてしまう病態のことで、初期ではお腹が張ったり大量のヨダレが出るなどの症状があり、命に関わる疾患です。
特に注意が必要なのは、立ち上がれなくてもずり這いはできる、という状態の子。
一生懸命動こうとして、内臓が大きく揺れるため、胃捻転の危険性があります。
食後や飲水後に起こりやすいため、食後1時間は様子をよく見てあげてください。
また体位変換の際も、できるだけ衝撃を与えないようにやさしく行うことが大切です。 -
Q. 夏場・冬場に特に気を配った方がいいことはありますか?
回答を読むA. 歳をとると、暑さ・寒さの負担が若い頃よりダイレクトに体に影響します。
外出時は暑すぎない・寒すぎない時間帯を選び、寒いのであればウェアを着せてあげましょう。
室内でも、愛犬が普段過ごす「床付近」の温度に注目して、快適な温度かどうか確認してあげてください。
冬場は就寝前にエアコンを切ると思いのほか温度が下がってしまうこともありますし、また夏場は冷えすぎに注意が必要です。 -
Q. 寝たきりになって愛犬の楽しみが減ってしまいました。何をしたら喜んでくれるでしょうか。
回答を読むA. 体をさすったり、手足をにぎにぎしたり、お顔をなでなでしたり…どんどん体を触ってあげてください!
若いころは「おもちゃ」や「おやつ」を介してのコミュニケーションが多かったかもしれませんが、
寝たきりになったからこそ愛犬と正真正銘の「1対1」のコミュニケーションを楽しめるチャンスです。
それが愛犬にとっての幸せにもなると思います。 -
Q. まだ自分で歩けますが、眠る時間が増えてきました。寝たきりになる前に予防できることはありますか?
回答を読むA. たくさん運動していた子は、やはり「寝たきりになる期間が短い」傾向があると思います。
同じお散歩時間でも、平坦なアスファルトの上だけではなく、砂利道や土の上を歩いたり、坂道やゆるやかな階段をのぼったりと、少し歩きにくい所を歩くことで、筋力の維持につながります。
反対に、歩けなくなった子でも飼い主さんと一生懸命歩く練習をがんばったことで、また歩けるようになったという場合も。
愛犬に負担や無理のない範囲で、しっかり運動させてあげてください。
終わりの見えない介護は不安が常に付きまといます。
いろいろなケアが必要になってきますが、完璧にこなす必要はありません。
大事な子が飼い主さんに求めているのは、完璧なお世話ではなくあなたの笑顔と優しさです。 自分に合った動物病院や動物ケア施設などを事前に探しておき、辛くなった時にすぐ相談できる場所を準備しておくのも大切です。
安部 里梅 さん