【動物介護のプロ 監修】シニア犬の介護特集(歩行のサポート編)

シニア期になると、足腰の筋肉が衰えることで様々な変化が出てきます。
お散歩は今までどおりでいいの?ひとりで歩けなくなったら?
そんな疑問に介護のプロがお答えします。
動物介護施設ペットケアホーム・リュッカ代表、愛玩動物看護師
安部 里梅 さん

動物病院での豊富な看護経験を活かした老犬介護のプロ。専門的で安心でき
る動物看護&介護を手助けする総合ケア施設を立ち上げ、代表を務める。
Q1.
歩き方が変わったのはなぜ?
A.
筋力の低下などにより変化が起こります。
ただし、「痛み」を感じている場合も。
「おかしいな」と感じたら、
まずは動物病院を受診しましょう。
老化により筋力が低下したり、関節の可動域が変化することで、歩く速度が遅くなったり、ふらつくことやつまずくことが増えてきます。ただし病気が隠れていることもあるため、まずは病院へ。
シニア犬の歩き方の変化
  • 歩く速度が遅くなる、すぐ止まる 
    体力が低下することで、スピードが遅くなったり、疲れて動かなくなることも。愛犬のペースに合わせて、スピードや散歩時間・距離を考えてあげましょう。
  • ふらつく、つまずく、滑る
    筋力が落ちると、足を踏んばったり持ち上げたりといった動作が難しくなってきます。家の中で滑らないようマットを敷いてあげたり、段差をなくすなどの工夫を。
  • 足を引きずる・浮かせる、ナックリング
    ナックリングとは、足の甲や爪を地面にこすりながら歩くことです。いずれの場合も、老化による筋肉の衰えの他に、病気の場合も考えられます。
  • 支えがないと歩けない
    支えていないと立ち上がれない、倒れてしまう場合は、飼い主さんの手・体や歩行補助グッズでサポートしてあげる必要があります。
病気が原因のケースも考えられますので、
気になる場合はお早めに獣医師さんにご相談ください。
歩行時のしぐさで
特に注意が必要なものは?
急に止まったり座り込んで
呼んでも反応がないとき。
急に立ち止まったり地面に座り込んで、ぼーっとしている・呼びかけても反応がないという時は、「心疾患」または「脳貧血」の危険性があります。「脳貧血」は加齢により血液循環が悪くなると起こりやすい疾患で、命の危険があるためすぐに病院を受診しましょう。
筋力維持のために
できることって?
絶対に無理のない範囲で、
お散歩や運動を。
何よりも大切なのは「絶対に無理をしない」こと。日々のお散歩や簡単な運動でも筋力維持のためには大切なことなので、愛犬の様子を見ながら行なってくださいね。
★ 毎日のお散歩でできること
お散歩コースに、芝生やゆるやかな坂道などを取り入れてあげれば、適度な負荷がかかりよいトレーニングになります。ただし、体力のない子は嫌がることもあるので、その場合は無理しないでくださいね。
★ おうちの中でできること
「スワレ」「フセ」を数回繰り返すことで前肢の筋肉維持に、「スワレ」「立って」を数回繰り返すことで後肢の筋肉維持になります。
また、スラロームのように障害物を並べて、その間をジグザグにゆっくり歩く、バスタオルなどを丸めてその上を跨ぐ、なども筋肉を動かすトレーニングに。おやつを使いながら、楽しく行なってください♪
簡単にできるマッサージや
ストレッチを知りたい!
固まった姿勢をほぐして
あげましょう。
運動・お散歩前にマッサージをすると軽快に歩け、事故やケガを防げます。
凝り固まった筋肉を揉みほぐすことで、下がっていた首がラクになり、肩周りの動きが良くなります。今まで凝り固まって歩き辛かった子が歩きやすくなることも。
※ケガや病気の疑いがある場合は、まずかかりつけの獣医師さんにマッサージしてもよいかご確認ください。
★ 基本的なマッサージ
手のひら全体で優しく流れるように撫でてあげましょう。A~Dを各3回ずつ。B、Cは反対側の側面も忘れずに行なってくださいね。
★ シニア犬におすすめ!
  肉球マッサージ

動く機会が減ると、血行が悪くなって肉球が冷えてきます。肉球をムニュムニュ押して血行を促してあげて。 温かいおしぼりなどで肉球を温めてからマッサージするとさらに効果的です。
お散歩中の様子や、愛犬の歩行の様子は、健康のバロメーターでもあります。普段からよく観察しておけば、異変が起こった際もすぐに気が付くことができます。「お散歩中にすぐ止まってしまう」という場合も、止まる直前に何らかのアクション(スピードがゆっくりになってくる、頭が下がっている、表情がいつもと違う、など)があるはずなので、ぜひ様子を見ながらお散歩してあげてくださいね。
Q2.
床で滑ったり、転倒することが…
A.
足腰の筋力の低下により「踏ん張る」ことが
苦手になります。
シニアになった愛犬が暮らしやすいよう
おうちの環境を整えてあげましょう。
「滑るフローリング」や「ちょっとした段差」などは、若い頃は平気でも、加齢により無理がきかなくなり、体に負担がかかったり、ケガの原因になる場合があります。

⇒段差について詳しくはQ3へ
シニアわんこが
過ごしやすい環境って?
危険ゾーンを見極めて
回避できるお部屋に。
おうちの中の危険ゾーン例
①床
老犬では関節疾患を患っている犬が多く、滑ることで症状が悪化する他、ケガをしたり、うまく歩けずにストレスを感じたりすることがあるので注意が必要です。マットを敷き、負担を軽減してあげましょう。
②階段・段差
若い頃はラクラク昇れていた階段や段差も、足を踏み外して転倒・大けがにつながる恐れが。ソファにはステップを設置したり、階段は滑り止めマットを敷く、または柵を設置して立ち入らせない工夫を。
③家具や柱の角・隙間
転倒したり、視力が低下してぶつかってしまうことが。けがをしないよう、クッション材やクッションボードを置いてあげましょう。
寝起きに立ち上がるのが
大変そう…
寝起きは体がうまく動かない
ものです。
寝起きは体がかたく、うまく動かないことがあります。
支えて立たせてあげて、準備運動がてらお尻を支えながら歩かせてあげることで、血流がよくなり歩きやすくなります。車いすを持っているなら、しっかり歩けるようになるまで乗せてあげても。
滑り止めマットの
選び方は?
場所・状況に合わせて
選びましょう。
定番はコレ!薄手カーペットタイプ
タイルマットを選べば、広い場所にも狭い場所にも対応可能。粗相した際の洗濯もラクラク。
転倒が心配ならクッションタイプ
衝撃吸収性があるので、万一転倒しても安心。ソファなどへの昇り降りの衝撃緩和にも。
特に滑りやすい場所には超強力滑り止めタイプ
カーペットでも滑ってしまう子でも、これなら滑らない!食事場所や水飲み場所など、特に踏ん張りが必要な場所に部分使いするのがおすすめ。
家具や壁に
ぶつかりそうで心配
クッション材などで
ケガしないよう対策を。
若い頃は普通に避けて歩いていた家具や柱の角、机の脚なども、転倒したり、視力が低下してぶつかってしまう恐れが。また、認知機能や身体機能の低下により、家具の隙間のような狭い場所に入り込んで出られなくなることがあるため、あらかじめ危険のないようにしてあげましょう。
Q3.
段差は昇り降りさせない方がいい?
A.
ジャンプが必要な大きな段差は負担や怪我に。
抱っこや、最小限の段差になるような工夫を。
人用のベッドやソファ、玄関の段差など、シニア犬にとっては大きな負担に。無理させず、小型犬なら抱っこしてあげたり、中・大型犬はサポートしてあげましょう。スロープやステップを使用するのもよいでしょう。
犬用ベッドのフチなど、
低い段差もつまずく
ベッドの形を見直して
みましょう。
筋力が低下すると、数cmの段差でつまずいてしまうこともあります。毎日寝起きするベッドは、ストレスなく快適なものにしてあげたいですよね。乗り降りがしやすいよう、フチのないフラットなものやフチの低いもの、入口が低くなっているものを選んであげましょう。 また、座面がふわふわやわらかいベッドは足がとられて、起き上がる際にふらついてしまうことも。適度なかたさの座面のものを選んであげるのもいいでしょう。
危ないのに、
階段を昇りたがります
柵を使用して行かせない
ようにする工夫を。
比較的足腰がしっかりしている子や、抱っこが難しい中型犬・大型犬の場合は、滑り止めマットを敷くなどの対策を。足腰が弱ってきて、ケガの心配がある場合は、柵を使用して階段を昇らせないようにして、事故を未然に防止しましょう。
ステップやスロープを
使ってくれません
のぼるといいことがある
と根気良く教えてあげましょう。
せっかく設置しても、今までのようにジャンプして昇り降りしてしまう子も。最初は飼い主さんが誘導してあげて、上手にのぼれたら誉めてあげたり、おやつをあげたりなど、使い方を教えてあげましょう。 ステップの素材がやわらか過ぎたり、安定性に欠けることを嫌がってステップを避けるケースもあるので、適度な硬さと安定性があるか確かめてみてください。
  • 一段ごとの奥行が広い&段差が低いからシニア犬も負担なく昇り降りできます。

    踏みしめやすい、程よい硬さのウレタンを使用。

    2段タイプ、3段タイプから選べます。

  • 階段タイプが不安な子に。ゆるやかな傾斜で恐怖心なく昇り降りできます。

    スロープ部分の生地表面に滑り止めのウレタン樹脂を塗布。ピタッとすべらない!

    硬めのクッションで足が踏ん張りやすい。

ステップやスロープは、設置したからと言っていきなり使えるものではなく、やはり練習が必要だと思います。設置の仕方や位置が悪くてグラグラしていると、それだけで怖がって使ってくれないことがあるので、安定しているかしっかり確認してあげましょう。
Q4.
お散歩を嫌がる時どうしたらいい?
A.
お散歩には大きなメリットが。
「嫌がる理由」を考えて、対処してあげましょう。
お散歩は体力・筋力維持のほか、脳や心に刺激を与えてくれます。健やかに暮らすためにはとっても大切なことなので、無理のない範囲で連れ出してあげたいですね。
嫌がるのには、理由があるはず。まずはそれを考えてみましょう。
お散歩を嫌がる理由は?
  • 体力が落ちている、疲れやすい
    歳をとって体力や身体機能が衰えるのは、人も犬も同じ。愛犬のペースに合わせてゆっくり歩いたり、休憩を入れたり、愛犬の様子をよく観察しながら歩いてあげてください。
  • 体に痛みや不調がある
    病気や怪我、関節痛などの可能性もあります。急に散歩を嫌がるようになった場合などは、動物病院を受診して異常がないか確かめましょう。
  • 意欲や好奇心の低下
    無理やり連れだすと、さらにお散歩嫌いになりかねません。愛犬の意思も尊重しながら、改めて「お散歩=楽しい」と教えてあげてみては。歩くだけがお散歩ではありません。ゆっくり匂いを嗅げる場所で過ごしてみたり、おやつタイムを設けるなど、楽しい時間にしてあげてください。
  • 気温や気圧の影響
    歳をとると、寒さ・暑さに弱くなったり、雨の日は不調があったりと影響を受けやすくなります。お散歩の時間を変えてみる、寒い日は体を温めたり、家の中で軽く準備運動をしてから出かけるなど、試してみてください。
シニア犬の適切な
散歩時間・距離って?
愛犬の様子を見て
判断してあげてください。
お散歩が大好きで、元気で楽しそうなのであれば、好きなだけ歩かせてあげてよいと思います。お散歩後にゼーゼーしたり疲れがひどいようであれば、距離や時間を見直しましょう。ただし、認知症の症状が出ている子は、自分が「疲れている」と認識できずにどんどん歩いて気が付くと限界に…ということもあるので、飼い主さんが制御してあげてくださいね。反対に、「最低どれくらい歩かないといけない」ということもありません。行きたがらない時は、室内で遊んであげればOKです。
途中で座り込んだら、
散歩をやめるべき?
様子が普通なら
見守ってあげて。
ハアハア、ゼーゼーと呼吸が荒いなどの様子がなく、元気そうなのであれば、見守ってあげてください。疲れたから休んでいるのかもしれませんし、単純にその場所が好きなのかもしれません。次に動くのを待ってあげて、行きたい方向へ行かせてあげてください。
待っても動かない子の場合は、特別なおやつで気分を変えるのもありです。時間がない場合は抱っこして帰るのもいいと思います。飼い主さんも無理のない範囲で、付き合ってあげましょう。
散歩時にふらつくときの
サポート方法は?
持ち手つきのハーネス
便利です。
持ち手つきのハーネスなら、ふらついた時や段差の昇り降りをサポートできます。小型犬の場合は、飼い主さんがかがんで支えると大変なので、飼い主さんの足に寄りかからせるように歩く方法もあります。
カートや抱っこでの
お散歩もあり?
ありです。
行きor帰りだけカートを使う手も。
例えば、愛犬が歩けるところまでは歩いて、疲れたらカートに乗る。または、行きはカートでお散歩して、帰りはおうちに向かって歩いてもらうなど、うまく活用しましょう。 どうしても歩きたくない日は、カートに乗ってお外のにおいをかいだり、抱っこして窓辺で風に当たったりするだけでも、脳や心の刺激になるので、無理のない範囲でぜひやってみてあげてください。
お散歩は犬にとって大切なことではありますが、「毎日必ず散歩に行かなくてはいけない」「○分以上歩かなくてはいけない」と思い詰める必要はありません。その日たまたま行きたくない気分の時だってあるんです。それがシニア犬なんです。そんな時はおうちの中で遊んであげるのでも十分です。
もし、昨日は喜んで散歩に行っていたのに急に嫌がる、という場合は必ず何か理由があるはず。例えば昨日段差で足を踏み外した時に膝が痛かったので、散歩が嫌になってしまったとか、暑い・寒いとか、視力が弱って暗い時間帯の散歩を怖がる子もいます。愛犬の様子をよく観察して、解決できることであれば対応してあげてくださいね。
Q5.
歩行補助グッズの選び方を教えて!
A.
愛犬の状態や目的に合わせて。
サイズ選びには注意しましょう。
まずは、愛犬の状態を把握し、どこを重点的に補助したいのかを考えてみましょう。補助すべきは後肢・前肢・体全体のどれか、使用シーンは室内なのかお散歩時なのか。
また、ほんの少しサイズが合わないだけで補助具がずれたり、体に負担がかかったりすることがあるので、極力サイズピッタリのものをチョイスしましょう。
歩行補助ハーネスの
種類って?
後肢用・前肢用・前後肢用
の3種類が主になります。
★ 後肢用ハーネス
犬は後肢から衰えることが多いため、一番活躍する機会が多いタイプと言えるでしょう。後肢がふらつく子、つまずきやすい子のサポートが可能です。使用シーンによって、持ち手の長さが変えられるものが便利です。
★ 前肢用ハーネス
前脚の補助に使用します。前脚が八の字になって開いていく子や、前脚がつまずきやすい子、寝たきりになった時の体位変換時にも役立ちます。持ち手が短いタイプが多いため、小型犬には向きません。
★ 前後肢用ハーネス
一つで前後肢両方を補助できます。前肢・後肢の両方が弱っている場合、それぞれのハーネスを装着して使用することもできますが、これなら1枚でOK。
持ち手が胴体中央に1か所だけだと犬の体が安定しませんが、2ヵ所持ち手がついているものだと起き上がる際の補助にも使用できます。
タオルなどで
持ち上げるのはOK?
緊急時には便利。
支える位置に注意が必要です。
突然支えが必要になった場合の応急処置や、一時的にふらつく程度の子のサポートには有効です。長さのあるフェイスタオルやスポーツタオルを使用するといいでしょう。 ただし、支える位置を間違えると、反対に愛犬の体に負担をかけてしまうため、注意が必要です。
<ポイント>
・足の付け根あたりを支えるように使用しましょう。
・厚手だと握りにくいので、薄手がおすすめ。
・小型犬は長さが足りない場合があるため、2枚を縫い合わせても。
車いすって
実際どうなの?
お散歩だけでなく、食事や
旋回運動
する子にも役立ちます。
犬は後肢から衰えていくことが多いですが、前肢が元気なうちは車いすで歩行することが可能です。
車いすが使用できれば、立った姿勢のまま食事介助がしやすくなりますし、旋回運動が見られる際も、歩かせてあげることができます。
車いすは、シニア期の歩行補助で使用する場合は「4輪タイプ」を選びましょう。インターネット上で専門店から購入できたり、ハンドメイドの方法を検索することもできます。
ナックリング対策の
アイテムって?
キズを悪化させないための
専用シューズがあります。
足の甲や爪を地面にこすりながら歩く「ナックリング」。足が傷つくことで、そこから膿んでしまったりする可能性も…。傷を悪化させないために、足の甲を上に向けるための専用シューズやサポーターがあります。
犬は通常、後肢から弱り、続いて前肢が弱っていきます。 もし後肢は元気なのに前肢が弱っていると感じた場合は、何らかの病気や疾患の可能性があります。動物病院で診察を受けてくださいね。
全国の飼い主さんから
寄せられた質問に、専門家が回答します。
  • お散歩について
  • 筋力の維持について
  • 歩行補助・介助について
  • 疾患・その他の質問
(クリックで質問ジャンルが切り替わります)
  • Q. においを嗅ぐために立ち止まってばっかりで、なかなか進みません。好きなだけクンクンさせた方がいいですか?

    回答を読む
    A. いわゆる「クン活」がシニアになって活発になる子は多いですね。
    その理由や原因はわかりませんが、「においを嗅ぐ」行為は脳への刺激になるので、シニアの愛犬にとってとても大切なことです。
    たくさん嗅がせてあげてよいと思いますが、そのせいで歩く時間がほとんどなくなってしまった…などとならないよう、飼い主さんの都合によってよきところで声をかけて切り上げてしまってもOKです。
  • Q. 雨の日でも若い頃はお散歩に行っていたのに、嫌がるようになりました。なぜ?

    回答を読む
    A. レインコートを着て、帰ってきたら体や脚を拭いて…という行為を、若い頃は「本当は嫌だけど我慢できていた」としても、それを我慢できなくなるのがシニア犬です。単純に、雨に濡れるのが嫌になった、という子もいるかもしれません。また雨の日は気圧が下がって多少調子が悪くなる子も。
    そういう時は雨の日に無理にお散歩に行く必要はないので、おうちの中で遊んであげましょう。
  • Q. とても歩きたがるのですが、散歩後はぐったり…。大丈夫でしょうか?

    回答を読む
    A. すごく息が荒くなってしまったり、お散歩後に倒れるようにぐったりしてしまうのであれば、お散歩の距離・時間を見直す必要があると思います。
    お散歩を短くした分、おうちの中でおもちゃで遊んであげるなど、他のことで発散させてあげましょう。
  • Q. 疲れやすいようなのですが、一回より二回に分けて散歩する方が負担が減るでしょうか?

    回答を読む
    A. 愛犬が元気でお散歩を喜んでいるなら、回数を分けて一回当たりの距離・時間を短くすることは有効だと思います。
    ただし、疲れやすいという状態が老化によるものであればよいですが、病気が隠れている場合もあるので、いつもと様子が違う場合は動物病院を受診してくださいね。
    また、お散歩の回数を増やすということは、飼い主さんの負担も増えると思います。無理のない範囲で行なってください。
  • Q. おもちゃに興味がない子でも、家で気軽にできる運動ってありますか?

    回答を読む
    A. おもちゃに興味がなくても、食べ物に興味がある子なら、おやつを使うのがいいでしょう。
    ポイントは「とてもおいしいおやつ」であることと、ちぎるなどして「サイズを小さくする」こと。小指の先ほどあれば十分です。物足りないくらいの方が、次のおやつをもらうためにがんばってくれます!
    床におやつを置いて拾いながら歩かせたり、いろんな場所に隠してみたり。おやつを隠せる「知育おもちゃ」を使用すれば、「どうやったら食べられるかな?」と頭を使うことでお散歩並みのエネルギーを消費すると言われています。


     
  • Q. 筋力維持によい食べ物について教えてください。

    回答を読む
    A. 筋肉の維持には、良質なタンパク質を与えてあげることが大切です。
    例えば、いつものフードにトッピングで豚肉を湯がいてのせてあげれば、たんぱく質の他ビタミンBが摂れて、食べない子の食欲アップにも♪お魚の鱈(タラ)を湯がいてあげるのもおすすめです。
    (腎臓に疾患のある子は、獣医師さんとご相談くださいね)
    筋力の衰えが特に気になるようであれば、動物病院のみで取扱われているサプリメントなどもありますので、病院で相談してみてください。
  • Q. 歩行補助をする場合、どの程度まで支えてあげればよいのでしょうか。

    回答を読む
    A. 歩行補助は、基本的には「愛犬が前に進みたい気持ちを補助するだけ」です。
    自分におきかえて想像してみるとわかりやすいと思いますが、自分の意志と無関係に無理やり引っ張って歩かせられたり、ペースを無視して早歩きをさせられたとしたら、怖くありませんか?愛犬も同じです。
    あくまで危険がないように補助するだけ、「もし倒れても支えてくれる」という安心感を愛犬に与えてあげられるのが理想です。
    また補助ハーネスを使う時も、愛犬の体が浮くほど持ち上げては、体や内臓に負担がかかることが。必ず肉球がしっかり地面についている状態を保ってあげてくださいね。
  • Q. 後肢を補助すれば歩けるのですが、それで前肢に負担が掛かっていないか心配です。

    回答を読む
    A. もし後肢を補助している際に前肢に負担がかかっているとしたら、「後肢を浮かせすぎている」もしくは「早歩きになってしまっている」可能性があります。
    適切な状態で、愛犬のペースに合わせて補助できていれば問題ありません。
  • Q. 排泄時、ふらつくので手で支えると噛まれます。どうしたらいいでしょうか?

    回答を読む
    A. 排泄をしようとしゃがんだら、急に手が出てきて怖くて噛んでしまうのかもしれないですね。
    その場合は、あらかじめ持ち手つきのハーネスを装着しておき、持ち手をつかんで補助してあげられると、体を触られないため抵抗が少ないと思います。
    持ち手がしっかり自立しているものを選べば、急な時でもサッとつかみやすくて便利です。
  • Q. たまにナックリングの症状が出ます。正常な歩行をできるだけ長くキープする方法はありますか?

    回答を読む
    A. 老化による神経の衰えなどが原因の場合は、足先や足の付け根をマッサージして刺激を与えることでよくなることがあります。
    あとは、足首にやわらかいヘアゴム(パイル地やジャージ素材)を着けて、足を意識させることで改善する場合も。このとき、着けている時間が長いほど慣れて効果が薄くなってしまうので、症状が出るときだけ、お散歩時だけなどシーンを限定して着けてくださいね。
  • Q. 膝蓋骨脱臼・関節炎などの疾患がある子が特に気を付けることはありますか?

    回答を読む
    A. 急な方向転換などは、関節に負担がかかるため避けましょう。
    例えば、お散歩中に急にリードを引っ張ると、その衝撃で膝や股関節が外れてしまうことがあります。
    もちろん「滑る床」「段差」は大きな負担になるので、おうちの中では滑り止めマットやステップを置くなどして安全な環境にしてあげてくださいね。
  • Q. グルグル回ったり、狭い場所に頭を突っ込むのは、認知症でしょうか?やめさせることはできる?

    回答を読む
    A. 認知症の症状のひとつであることが多いですね。
    やめさせることは難しいので、「安全にグルグルできる環境」を整えてあげてください。
    隙間にはさまったり角にぶつからないように、やわらかいクッションボードなどで隙間をふさいであげたり、ずっと様子を見てあげられない場合はサークルを活用するのもおすすめです。グルグル回りやすいように円形にできるサークルで、柴犬なら直径120cmくらい、小型犬なら直径90cmくらいの広さがあれば十分です。

    夜間限定でグルグル回ってしまう、というときは「不安」が原因という可能性も。シニアの子はお昼間に寝る時間が長くなり、昼夜逆転の生活になることがあります。夜に人の気配がなくなったり、無音になったりすることへの不安から歩き回っているのかもしれません。そういった場合は照明やTVを点けておくことで安心することもあります。
終わりの見えない介護は不安が常に付きまといます。
いろいろなケアが必要になってきますが、完璧にこなす必要はありません。
大事な子が飼い主さんに求めているのは、完璧なお世話ではなくあなたの笑顔と優しさです。 自分に合った動物病院や動物ケア施設などを事前に探しておき、辛くなった時にすぐ相談できる場所を準備しておくのも大切です。

監修:動物介護施設ペットケアホーム・リュッカ代表
安部 里梅 さん
「最期まで幸せでいてほしい。」そんな想いから
ペピイは愛犬の「介護」について様々な視点から真剣に取り組んでいます。
ペピイのシニア・介護コンテンツをご紹介します。
▼どこにも負けない!充実のシニアグッズラインナップ ▼
▼みなさまのお声をもとに商品開発をすすめています!▼
▼ シニア犬のことがもっとよく分かるコラム配信中 ▼