【専門家監修】ゲート・フェンスで猫と飼い主さんに快適な暮らしづくり
扉の隙間をすり抜けて、あわや脱走!そんなヒヤッとした経験のある猫の飼い主さんは、少なくないのではないでしょうか。そうした万一の事故防止に役立つのが、ペット用のゲートやフェンス。今回は、猫との暮らしにゲートやフェンスを設置する必要性や、選び方のポイントなどを解説します。
扉の隙間をすり抜けて、あわや脱走!そんなヒヤッとした経験のある猫の飼い主さんは、少なくないのではないでしょうか。そうした万一の事故防止に役立つのが、ペット用のゲートやフェンス。今回は、猫との暮らしにゲートやフェンスを設置する必要性や、選び方のポイントなどを解説します。
ペット用のゲートやフェンスは、猫との暮らしの中のこんなシーンで役に立ちます。
シーン1
猫との暮らしでまず徹底しておきたいのは“脱走”の防止ですよね。
猫が脱走してしまう理由は、外の世界への好奇心や発情期による衝動的なもの、ストレスなどさまざま。他にも、地震の揺れや工事の音などに驚いて家を飛び出してしまった、といったケースもめずらしくありません。
このように、いつ何がきかっけになってもおかしくない猫の脱走対策として、ゲートやフェンスの設置が役立ちます。
~事前にチェック!脱走しやすい猫の特徴は?~
外の世界に興味津々で、窓から外を眺めることが多い傾向にあります。
家の中で過ごすようになっても、外の環境で受ける刺激を求めていることがあります。
本能のままにパートナーを探すため外へ出てしまうことも。去勢・避妊手術をしていない猫で、春から秋にかけての時期は特に要注意です。
引越しや家族構成の変化、来客などによる環境の変化は、自分のテリトリーを大切にする猫にとっては大きなストレスに。「ここは自分の居場所ではない」と感じることで脱走してしまうことがあります。
怖がりの猫は、雷や工事の音、地震の揺れなどに驚き家を飛び出してしまうことも。また、動物病院での診察を怖がるあまり、診察台から逃げ出してしまうケースもあります。
シーン2
家の中であれ、猫にとって危険なものや場所は意外にも多いもの。例えば、キッチンでは火や包丁を使っていたり、猫が口にしてはいけない食べ物が落ちていたりすることもあり、思わぬ事故を招くこともあるでしょう。
ゲートやフェンスを設置することで、そんな室内での事故を防ぐことができます。
シーン3
触ってほしくない大切なものを置いていたり、赤ちゃんが寝ていたりと、家の中には猫を立ち入らせたくないスペースもあるでしょう。 ゲートやフェンスの設置は、そうした大切な場所への侵入防止にも役立ちます。
シーン4
前述のようなさまざまなトラブルの防止に向けて何も対策をしていない場合、飼い主さんは常に目を光らせておかなければいけません。
また、立ち入ってほしくないスペースや玄関先などに猫が行くたびに、「ここはダメ」と注意をすることにもなるでしょう。そんな環境は飼い主さんにとってはもちろん、猫にとってもストレスになるもの。
ゲートやフェンスを設置しておけば、そうした双方にとってのストレスを軽減させることができます。
では、実際にゲートやフェンスを購入する際にはどのように選ぶのが良いのでしょうか。ここでは、猫との暮らしに使うゲート・フェンスの選び方のポイントをご紹介します。
猫は自分の体長の数倍もの高さに跳び上がることができます。一般的に1.3~1.5mほどに達するほどジャンプできると言われており、個体によってはそれ以上の場合も。そのためゲートやフェンスを選ぶ際には、愛猫の体格やジャンプ力をしっかりと見極め、飛び越えることができないほどの高さを選ぶようにしましょう。
キッチンや玄関など、設置場所の横幅はさまざま。幅の調整ができるゲートやフェンスを選ぶと、設置する場所を選ぶことなく便利でしょう。
設置したゲートが開いてしまわないよう、ロック機能が付いているものがおすすめです。また、ジャンプしながらロックを外してしまう器用な猫もいるため、ロックはしっかりとした作りのものやカバーが付いているものがおすすめです。
猫がゲートを噛んだり引っかいたりすることもあるので、簡単に壊れることのないような丈夫な素材で作られているものが良いでしょう。木製のタイプはスチール製のものよりも傷がつきやすく、木くずにも注意が必要です。
どんなに便利なものでも、取り付けに手間や時間がかかっては飼い主さんのストレスになりかねません。できるだけ組み立てや取り付けが簡単にできるものを選びましょう。
猫との日常において、さまざまなシーンで役立つゲートやフェンス。
猫のその“危険な一歩”を踏みとどまらせる工夫によって、安心でより快適な暮らしづくりをしてみてくださいね♪
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監修いただいたのは…
東京農業大学 農学部動物科学科 動物行動学研究室 教授
内山 秀彦先生
麻布大学 動物応用科学専攻修了(博士)
ヒトと動物の関係学会 常任理事
主な専門は「ヒトと動物の関係学」。
特にアニマルセラピーによる癒やしのメカニズムや猫と人との関係について研究している。