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介護経験者に聞きました

高齢期にそなえてやっておきたいこと

年を取ってくると、今までできていたことができなくなったり、若くて元気なころとは違ったケアやお世話が必要になってきます。
愛犬の介護を経験された飼い主さんの「高齢になった時、こんなことが困った!」のお声をもとに、愛犬といつまでも元気に過ごすために、今からできる高齢期の生活に役立つことを考えてみました。

「いつもはどうでしたか?」と獣医師さんに聞かれたけど…

『うちの子日記』をつけておこう。

動物病院で質問されても、愛犬が心配で動転してしまい、うまく答えられないこともありますよね。
ふだんの様子を書きとめておけば、獣医師さんに相談する時の手助けにもなりますね。
毎日観察しておくことで、体調の変化も気付きやすくなります。

毎日のちょっとしたことを記録しよう!
記録は黒字で、気付いたことは赤字にするなど、区別しておくとわかりやすいですね。

愛犬の記録帳見本

① 愛犬のサイズ

一ヶ月に1回くらいはチェックしておきたいところ。

・体重

「太る」「痩せる」など加齢による体重変化には注意して。

・首周り、バスト、ウエスト

肉がつまめたり、くびれがなくなったり、体型の変化がわかりやすい部分なので、サイズも時々チェック。

② 食事の記録

・食べたもの、量、回数

できるだけ詳しく記入しておきましょう。おやつやトッピングも忘れずに!

③ 排泄に変化は?

・色やニオイ、固さ、量

健康のバロメーターになる便の状態はしっかりチェックして。

④ 通院の記録など

・ワクチンの記録

・どんな症状だったか

・病院でいわれた注意事項など

⑤ 愛犬の変化や気付いたこと

いつもと違うことや、気になることなど、何でも気軽に書きとめておいて。

飼い主さんが「うちの子もしかして高齢期?」と思ったのはどんな時?

食事の量は同じなのに、太ってきた。

食欲が増してきた。

「ごはんが欲しい」「トイレにいきたい」などの要求吠えが増えた。

「マテ」が苦手になってきた。

トイレの失敗をするようになった。頻尿になった。

ソファや階段などの段差が登れなくなった。

散歩中に下り坂で滑ったり、こけることがある。

散歩中に白い壁にぶつかりそうになる。

頑固になってきた。

飼い主さんは、こんな時に愛犬の年齢を意識するようです。
当てはまることがないかチェックしながら、愛犬を見守ってあげてくださいね。

トイレが近くなって、毎回外に連れ出すのが大変。

『おうちでトイレ』ができる子にしよう!

・室内でできるようにしよう

犬も年をとると頻尿になります。外でしかトイレができないと、介護の時は飼い主さんにも負担が。室内でのトイレを今のうちからトレーニングしておきましょう。

・合図を覚えさせよう

室内トイレのしつけをする時に「ワン・ツー」などの掛け声をかけ、トイレすることと掛け声を関連付けて覚えさせておきましょう。なかなかしない時に排泄を促すこともでき、役立ちます。

室内でトイレができるように

フローリングで滑って歩きにくそうにしているけど…

歩きやすい環境作りを!

年齢に関わらず、フローリングの対策をしておくと関節への負担を和らげることができます。足元を歩きやすくしておくことで、転倒の危険を減らしたり、足が早く弱るのを防ぐことにもなります。

歩きやすい環境作りを

耳が遠くなってきて、呼んでも聞こえていないみたい。

ハンドサインを覚えておこう!

高齢になると聴覚が衰え、声の指示が聞こえにくいことがあります。
声と同時に手でも指示を出して、目と耳で覚えさせておくと、耳が遠くなっても手の指示で理解できます。

ハンドサインを覚えておこう!

歯が悪いからごはんが食べにくいみたい。

若いうちから歯磨きを習慣付けよう!

歯磨きは一日一回が理想ですが、難しいなら2~3日に一回でも、とにかく定期的に行い、日々のお手入れの一つとして習慣付けていくと良いでしょう。
口の周りに触れられることに慣れていると、投薬が必要になった時にも役立ちます。また、口の中を見て健康状態のチェックをすることも忘れないで。

若いうちから歯磨きを習慣付けよう!

同じ量しかあげていないのに、最近太ってきたみたい。

年齢に合わせたフード選びを!

6~7歳から基礎代謝が低下して太りやすくなったり、消化機能の衰えが出始めます。
同じフードを食べているのに太ってきたら、年齢にあったフードへ切り替えていきましょう。

年齢に合わせたフード選びを!

介護経験者の方から、これから介護をされる方へのメッセージ!!

岡さん

付きっきりのお世話で、愛犬への恩返しができた気がします。

大変さは人間の介護と変わりません。
人と違って具体的なアドバイスをしてくれるプロや介護サービスなどがまだまだ無いので本当に大変です。
また「犬の介護が大変で…」といっても理解してくれる人が少ないです。
でも、どんなに大変でも諦めずにお世話すれば、後悔することなく最高に良い思い出になりますよ。

さくらちゃん(コーギー)

大変さは人間の介護と変わりません

内藤さん

お日様に当たって気持ちよさそうな顔をみると嬉しくなります。

金銭的にも、精神的にも本当に大変です。放り出したくなる時もあります。
でも、昔この子にもらったこと、いろんな楽しい思い出や、笑い話を思い出してください。 そうすれば自然と恩返しのつもりで「これからは私があなたをきちんと面倒みるから、安心してね」という気持ちになります。
愛情たっぷりに最期まで介護できますよ。

リティーちゃん(シーズー)

愛情たっぷりに最期まで介護できますよ

小川さん

愛犬との絆が一層強まったように思います。

介護は大変なことや悩むことも多く、私もこれでいいのかと思うことがたくさんありました。わんちゃんは怒ったり、悲しんだりしている飼い主の気持ちをすぐに察知してしまいます。だから一緒にいる時は笑顔でいてあげてほしいです。
できる限り長く一緒にいたい気持ちはわんちゃんも同じです。それを忘れないでほしいと思います。あまり気を張り過ぎないで、一緒にいられる時間をゆっくり過ごしてあげてほしいです。

リキちゃん(シーズー)

愛犬との絆が一層強まったように思います

(ペピイカタログ2011年秋冬号掲載)

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