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【獣医師監修】「猫が撫でられるとうれしいポイントと絆を深めるコミュニケーション術」

猫が撫でられるとうれしいポイントと絆を深めるコミュニケーション術

コミュニケーション=愛猫を知ること。
愛猫とコミュニケーションをとる際、もっとも基本的で重要なことは、撫で方を工夫することです。
猫には、撫でられると気持ちよくなるポイントや撫でてほしいタイミング、気持ちのいい撫で方があります。
また、愛猫と仲良くコミュニケーションをとるためには、抱っこや遊んであげることも大事ですので、くわしくご紹介していきます。ぜひ、愛猫とのコミュニケーションに生かしてみてください。

目次

  1. 愛猫を撫でてコミュニケーションをとろう
    • 体の異変に気付ける
    • お手入れにも役立つ
    • もっと仲良くなれる
  2. 愛猫を撫でる前に、気分をチェック
    • 近くに寄ってきたとき
    • リラックスしているとき
    • 機嫌が悪いときのサイン
  3. プロに聞いた愛猫とのコミュニケーション
  4. 牧田先生に聞いた猫の触られてうれしい4つのポイント
    • さわることは愛猫を知るチャンス
    • 基本を抑えて仲良くなろう
    • 猫が喜ぶ4つのポイントと触り方
    • 気持ちいいさわり方のコツ
    • さわられるのが苦手な子のさわり方
  5. 村田先生に聞いた猫が撫でられるのが苦手な3つのポイント
    • 口の中、耳の中、鼻、パット、肛門、陰部
    • お腹
  6. 村田先生に聞いた猫が喜ぶ抱っこのやり方
    • やりやすい抱っこの手順
    • おやつを使って抱っこ大好きになろう
  7. 猫カフェ店員に聞いた猫が喜ぶ猫じゃらし
    • 猫じゃらしのコツ
    • やりがちNG
  8. 観察も大事なコミュニケーション
  9. まとめ
もみの木動物病院獣医師村田香織先生

お話を伺ったのは…
もみの木動物病院・獣医師
村田 香織先生

パピークラス、問題行動を持つ犬猫のカウンセリング担当。株式会社イン・クローバー代表取締役。お家では4頭の猫ちゃん、2頭のわんちゃんに愛される飼い主さん。

1.愛猫を撫でてコミュニケーションをとろう

愛猫を撫でてコミュニケーションをとろう

愛猫をしっかり撫でて良好なコミュニケーションが取れると、うれしいことがたくさんあります。特にうれしいポイントを3つご紹介します。

  • 体の異変に気付ける
  • お手入れにも役立つ
  • もっと仲良くなれる

体の異変に気付ける

毎日撫でたり、さわってあげたりすることで「今日は右足をさわられたくないみたい」「しっぽにしこりがあるかも?」などちょっとした変化に気付けます。

お手入れにも役立つ

体をさわることに慣れていれば、ブラッシングや顔まわりのお手入れなどを受け入れてくれやすくなります。

もっと仲良くなれる

気持ちいいこと・楽しいことをしてくれる飼い主さんのことを大好きに♪

2.愛猫を撫でる前に、気分をチェック

コミュニケーションがとりやすいのは、猫がご機嫌のときです。

  • 近くに寄ってきたとき
  • リラックスしているとき
  • 機嫌が悪いときのサイン

近くに寄ってきたとき

猫が近くに寄ってきたとき

→ 体をさわる・抱っこをするチャンス

飼い主さんに近寄ってくるのは構ってほしいとき。体をさわってあげると、のどを鳴らしてゴロゴロいったり、抱っこを受け入れてくれたりしやすいタイミングです。

リラックスしているとき

猫がリラックスしているとき

→ 体をさわる・お手入れをするチャンス

活発に動いているときは、さわられるのを嫌がることも。ゴロンと横になってウトウトしていたり、リラックスしたりしているときに、さりげなく触れてあげれば、あまり嫌がられずにすみます。ただし、抱っこなど猫の眠りをさまたげるようなことはやめてあげてください。

機嫌が悪いときのサイン

猫の機嫌が悪いときのサイン

愛猫の様子が悪い時は…そっとしておくのが正解です。

【機嫌が悪い時のサイン】
・目がつり上がる
・耳を伏せる
・しっぽをパタパタ
・毛が逆立つ など

同居猫とケンカをしたり、恐いことがあったりしたときなどは気が立っています。しかも猫は1度機嫌が悪くなると、回復するまで時間のかかる動物。そんなときは、落ち着くまで部屋にひとりきりに。「かわいそうに!」「どうしたの!?」となだめようとすると、かえってパニック状態になり、飼い主さんを引っ掻いてしまうこともあるため、危険です。

3.プロに聞いた愛猫とのコミュニケーション

プロに聞いた愛猫とのコミュニケーション

“さわられて嬉しい”ポイントを探してみよう!

毎日のふれあいは、健康チェックに役立つほか、「さわられるのに慣れる」という意味でもとっても大切です。

抱っこ大好きな子になろう!

嫌がる子もいますが、抱っこできると助かる場面も多いです。おやつを使って練習してみませんか?

じゃらしテクで、夢中にさせよう!

室内で過ごす猫にとって”遊び”は大切な運動+刺激。刺激が全く無いことはストレスにもつながるんです。

4.牧田先生に聞いた猫の触られてうれしい4つのポイント

ペットウェルネス牧田明美先生

お話を伺ったのは…
ペットウェルネス
牧田 明美先生&プーくん(スコティッシュ)

“ペットマッサージ”について海外で学び、インストラクターの資格を取得。現在はペピイ動物看護専門学校の講師も務める。

  • さわることは愛猫を知るチャンス
  • 基本を抑えて仲良くなろう
  • 猫が喜ぶ4つのポイントと触り方
  • 気持ちいいさわり方のコツ
  • さわられるのが苦手な子のさわり方

さわることは愛猫を知るチャンス

愛猫から、“さわられる=気持ちいい”と思ってもらうことが、ふれあいの第一歩!さわられて気持ちいいところは猫によってそれぞれなので、愛猫の好きなポイントを見つけてあげてください。

基本をおさえてまずは仲良くなろう

先ほどご紹介したように、さわることは愛猫を知る絶好のチャンスです。ただし、一般的に猫が好きといわれる部分を嫌がる子もいるので、撫でながら愛猫の喜ぶポイントを探してみてください。

「いきなりは難しい」と思う方もいらっしゃると思いますので、おすすめポイントと撫で方を4つご紹介していきます。

猫が喜ぶ4つのポイントと触り方

猫が喜ぶ4つのポイントと触り方

【顔まわり】…人差し指でゆっくり撫でましょう。猫は顔が小さいので、人差し指だけで十分。耳・目・ひげのまわりの筋肉はよく動かすため疲れやすい部位ですので、撫でると筋肉をほぐしてあげることにもなります。

さわることは愛猫を知るチャンス

【前足・後足】…腕の付け根から足先に向かって撫でおろすような、さすりおろすようなイメージ。掴まれる感覚は嫌うので、掴まないように注意します。

前足・後足

【肩・首】…軽く押すようにマッサージ。肩甲骨から腕の付け根までを、指先で押していきます。ごく軽い力加減で。

肩・首

【背中】…手のひら全体でやさしく撫でてください。頭のてっぺんから、しっぽの先まで、毛並みに沿って軽く撫でてあげます。毛並みに逆らう撫で方はNG。

背中

気持ちいいさわり方のコツ

気持ちいいさわり方のコツ

★始める前に…
● 飼い主さんも愛猫も落ち着ける環境で。
● アクセサリーや時計は外します。
● 静電気に気をつけて。

バチッとびっくりさせてしまうと、さわらせてくれなくなることも。乾燥する季節は濡れタオルで手を湿らせて。

<コツ1>やさしく、ゆっくりが鉄則!

スピードが速いと、イライラ・せかせかした気持ちに。ゆっくりさわることで、リラックス効果があります。また、筋肉をほぐしてあげることにもなります。

<コツ2>好むさわり方を見つけてあげて。

様子を見ながらちょっとずつ弱くしたり、強くしたり調節してあげてください。とろ~んとした表情は気持ちいいサイン。逃げてしまうなら嫌がっています。さわる手つきもいろいろ試してみましょう!

さわる手つきもいろいろ試してみよう!

猫をさわる手つきもいろいろ試してみよう!

さわられるのが苦手な子のさわり方

手の甲で撫でてあげて。

手の甲で撫でてあげる

手のひらを嫌がる子は「掴まれる!」と思うのかも。手の甲なら安心してくれやすいです。あとは短時間から慣らしてあげて。

<ココは嫌がる子が多いかも…>

嫌がるポイントも猫それぞれ。下記以外の箇所でも嫌そうなら無理はしないで。

足先・肉球 … 敏感な部分なので、嫌がることが多い部分。

お腹 … 最大の急所のひとつ。嫌がらないなら、指3本くらいで円を描くようにマッサージすると、便秘が軽減されることが。

気持ちよさそうだったのに…いきなりガブッ!どうして?

気持ちよさそうだったのに

撫でられてうれしい場所は、急所である場合が多く、「リラックスしすぎは危険!」と本能的に咬んだり蹴ったりしてしまうんです。

\こんなサインが出たらやめ時!/

● しっぽをパタパタ、ピシッ

気持ちいいときは、ゆらーん、ゆらーん。パタパタ早くなって、ムチみたいにパーン!とたたくようなら嫌になってきているサイン。

● のびーっと伸びをする

伸びをするのは気持ちいいからなのですが、横になってお腹を出しているときにお腹をさわると猫キックが始まるかも…。

猫は長時間じっとしているのが苦手。
短時間から始めて、嫌がるそぶりを見せたらすぐにやめてあげてください。

5.村田先生に聞いた猫が撫でられるのが苦手な3つのポイント

猫には撫でられてうれしいポイントと、咬みつくほど嫌なポイントがあります。愛猫とスムーズなコミュニケーションを図るために、苦手なポイントをおさえておきましょう。

  • 口の中、耳の中、鼻、パット、肛門、陰部
  • お腹

口の中、耳の中、鼻、パット、肛門、陰部

体毛で覆われていない部位は非常に敏感ですから、猫はさわられることを好まないでしょう。しかし、母猫は子猫を清潔に保つために陰部や肛門を含めて体中をなめ、子猫もこれを受け入れます。子猫のうちから体中をさわる習慣をつけておきましょう。練習をしておくと、大人になっても受け入れてくれる場合が多いです。

お腹

攻撃を受けると命に危険があるお腹は、猫がさわられるのを苦手とする部位のひとつです。なかには咬みつくほど嫌がる猫も。子猫のうちからさわる練習をしておきましょう。

足に傷を負うと獲物を捕まえたり、捕食者から逃げたりできなくなってしまいます。そのためとても敏感に。爪切りを嫌がる理由のひとつでもあります。子猫が遊び疲れて眠っているようなタイミングで、おだやかに体中をさわる習慣をつけると良いでしょう。さわっているうちに子猫が目覚めて咬んでくるようなら、そこでやめてあげてください。

6.村田先生に聞いた猫が喜ぶ抱っこのやり方

苦手な子が多い抱っこですが、うまくできれば愛猫を安心させてあげられる手段にもなります。そして何より、猫を抱っこするって癒やされます♪

  • やりやすい抱っこの手順
  • おやつを使って抱っこ大好きになろう

やりやすい抱っこの手順

1)手をそえる

手をそえる

猫が前に行かないように、前胸を軽く片手でおさえます。反対の手をやさしく胸の下へ。

2)持ちあげる

持ちあげる

お尻の下を支えるように手を差し入れ、持ち上げます。

抱え方のポイントは3つ!

抱え方のポイント

Point1:足の下に腕を通して、やさしく体を包みます。
Point2:足を掴まれるような感覚は苦手なので、避けてあげて。
Point3:お尻を支えてあげると、安心します。

おやつを使って抱っこ大好きになろう

おやつを使って抱っこ大好きになろう

おやつ好きなら、おやつに集中している間は、体をさわられたりしても気にしない子が多いよう。抱っこに慣れてもらうチャンスです。

大好きなおやつでひざの上に誘導します。

大好きなおやつでひざの上に誘導

飼い主さんがイスに座っている状態で、おやつの香りをかがせて、だんだんひざの上へ…。

ひざの上で、おやつをあげます。

おやつをあげる

ひざの上に乗ってきたらおやつをあげます。おやつに集中している間に、体をさわって慣れさせてあげて。

成功!

抱っこ=いいこと

繰り返して「抱っこ=いいこと」と覚えてくれれば大成功です。

<村田先生より>

抱っこは猫ちゃんから近づいてきたときなど、構ってほしそうなときがベストタイミング。眠っているときなどに無理にしようとすると、抱っこを嫌いになってしまいます。また、慣れていない子は時間と根気がいります。嫌がるようなら無理しないでくださいね。

7.猫カフェ店員に聞いた猫が喜ぶ猫じゃらし

猫喫茶猫の箱

教えてもらったのは…
猫喫茶「猫の箱」
スタッフ藤田さん&常連のじゃらし名人

コツは、鳥や虫など獲物になりきることです!単調な動きだと飽きてしまうので、いろんな動きを組み合わせます。

  • 猫じゃらしのコツ
  • やりがちNG

猫じゃらしのコツ

遊びに誘っても、のってきてくれない…。それはじゃらしの動かし方に問題が!?遊び方のコツを、猫カフェさんとカフェ常連のじゃらし名人に聞いてきました!

その1 鳥のつもり!

鳥のつもり

パタパタ・ブンブン! 大きく振って。動きだけでなく、音も猫の気を引くポイント!「鳥がいるの?」と思わず目で追ってしまいます。羽つきタイプを上下左右に大きく動かして“パタパタ”!

その2 虫のつもり!

虫のつもり

ピタッと止めたり、じりじり動いたり。動かしてばかりだと、うまく狙いを定められず、飽きてしまうことも。光を反射するフィルムなどがついたじゃらしだと気を引きやすいです!

その3 ねずみのつもり!

ねずみのつもり

ブランケットの下でもぞもぞさせたり、たまにチョロッとのぞかせたり。素早い動きが重要です。

やりがちNG

顔の近くでパタパタ・・・は逆効果かも!

顔の近くでパタパタ

気を引きたくてついやりがちですが、逆に興味を失うことが多いみたい。少し遠くからカサカサ、チラチラ見える方が、狙いたくなるようです。

<村田先生より>

飼い主さんと”一緒に遊ぶ”方が、猫もきっと楽しいはず。
遊びは、室内で365日過ごす猫にとって、とても大切な運動。ひとりで遊ぶより、飼い主さんがじゃらしを動かしてあげる方が飽きにくく、一緒の時間ができて猫もうれしいと思います。

8.観察も大事なコミュニケーション

遊びはもちろん、「観察」も飼い主さんだからしてあげられるコミュニケーションのひとつです。かわいい仕草や思わぬ行動で私たちを楽しませてくれる猫たち。見ているだけでもおもしろいですよね。
そんな毎日の”観察”は愛猫のことを知るためのコミュニケーションのひとつ。「あれ?いつもとちがうかも?」と思うことがあったら、それは体の不調のサインかも。獣医師にご相談ください。

ここを観察!Check Point

【動作】

  • 寝てばかりいる
  • 歩きにくそう
  • 高いところへのぼりにくそう・降りにくそう

【食事】

→ 猫は口腔内の病気が多いといわれ、口の中が痛いと食べ方が変わります。

  • 食べものに口をつけるのを躊躇する
  • 食べるのがいつもより遅い
  • 食べ散らかしている(いつもはしないのに)

【便・尿】

  • 色やニオイがおかしい
  • 出ない・少ない・多い
  • 軟便・下痢・硬い便をしている

9.まとめ

ねことコミュニケーション

愛猫も人と同じように、さわられて好きなところ・嫌なところ、さわってほしいとき・嫌なときがあります。コミュニケーションを深めたいと思うあまり、愛猫の気持ちを無視しないよう気をつけたいですね。遊び方にもバリエーションをつけて、飼い主さん自身も楽しんで愛猫と遊んでいれば、きっと愛猫にも伝わります。
そのためには、愛猫が何をどのタイミングですると喜ぶのか、日頃からよく観察をするのが一番の近道です。愛猫の「好き」をたくさん見つけてみてください。

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