盲導犬について知ろう!
盲導犬になるまで
●誕生
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●生後1か月半は、母犬の元で暮らします。
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●“パピーウォーカー”のもとへ
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●約1年間、パピーウォーカーというボランティアのもとで育てられます。
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●再び盲導犬協会に帰ってきます。
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●候補犬は盲導犬に向いているかどうか、適正検査によって様々な角度から評価を受けます。
「十人十色」。人間の世界にこんな言葉があるように、犬もその 個性は実に様々。残念ながら候補犬のうちすべての犬が盲導犬になれるわけではありません。
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●適性検査に合格すると、いよいよ盲導犬としての訓練がスタートします。
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●立派な盲導犬を目指して、約7カ月間の訓練が行われます。
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●いよいよ視覚障碍者の方のパートナーとして社会で生活していくことになります。盲導犬は約10年間、現役で活動します。
盲導犬に向いている犬種
盲導犬になる犬種で、現在日本で採用されているのはラブラドールレトリバーかゴールデンレトリバーがほとんどです。その他の犬種としてはシェパードやゴ ールデンとラブラドールとの交配犬「F1」なども活躍しています。
レトリバー種が多く採用される理由としては、おとなしく従順で、人間が大好き、仕事も大好き、そして警戒心や闘争心を見せることがないという性格の点からと 、人間を誘導する上で身体の大きさや力加減がちょうど良く扱いやすいといった点があります。
しかしながら、これらの犬種の犬ならすべて盲導犬に適しているというわけではなく、より盲導犬に適した子を増やすべく、素質のある血統を持った親犬同士を使 っての計画的な繁殖が取り組まれています。
盲導犬の条件
盲導犬に求められるのは、まず第一に仕事が好きであること、そして何より人間が大好きであることが重要です。 また、人の言うことをよく聞くけれど危ない時には命令通りに行動しない、臆病過ぎず見知らぬ場所に行っても落ち着いている、他の動物(犬、猫、鳥など)に対 して気が散らないといった、優れた判断力や集中力、記憶力などが求められます。
リジェクト犬
どんなに良い父親と母親を選んでも、必ずしも盲導犬としての素質を備えた子犬が生まれてくるとは限りません。 ある程度成長してからでないと、盲導犬に向いているのか向いていないのかは分かりませんから、様々な適性検査を受けてみて初めて不向きと決定することもあり ます。
こうして、適性検査にパスできなかった犬のことを「リジェクト犬」といいます。 しかしながら、リジェクト犬は盲導犬としての適性に十分に満たなかったということであり、素質全般が劣っているということではありません。
一般にリジェクト犬は、パピーウォーカーや一般の希望者に引き取られることが多いですが、キャンペーン犬として盲導犬協会に残って盲導犬啓発活動で活躍した り、最近では一般家庭に引き取られた犬の中でもセラピー犬として老人ホームや介護施設で心のケアに役立っている例もあります。
「盲導犬」と「ユーザー」
盲導犬希望者は、盲導犬協会で二人(一人と一頭)、寝食をともにしての訓練を4週間行います。いわゆる「共同訓練」です。
さまざまな喜びや苦難の壁をいっしょに経験しながら、お互いを信頼できるパートナーとして認め合うためのとても大切なものです。 そしてこの共同訓練を修了して初めて、「盲導犬」と「ユーザー」になることができるのです。
盲導犬は様々な理由から、その役目を終えることになります。盲導犬自身の病気、あるいはユーザー自身の病気などによる場合もありますが、多くの場合は老 齢によるものです。
盲導犬は約10年現役で活躍します。犬は人間の4倍の速さで歳をとると言われていますので、人の年齢で言えば、56~65歳くらいまで現役で活動していることにな ります。
盲導犬は24時間視覚障害者の方の“目”となって働き、常に神経を研ぎ澄まし、いつでも的確な動きができるよう努めなければならないため、一般の犬に比べ寿命が 短いと思っていませんか?でも、これはまったく誤った理解です。
盲導犬を引退した犬は「リタイア犬」と呼ばれます。一般的にリタイア犬は、老犬委託飼育家庭(一般のボランティア)に引き取られるか、子犬時代を過ごしたパ ピーウォーカーのもとに再び戻るケースが多いです。
街で盲導犬に出会ったら
ハーネスをつけている盲導犬はお仕事中です。 もし、街で盲導犬を連れているユーザーに出会ったら、さりげなく様子を見守りましょう。
●もしこまっているようなら
ユーザーが困っているときには、明らかに止まっていますので、そのとき初めて「何かお手伝いしましょうか」と声をかけましょう。声をかけるのはあくまで 盲導犬ではなくユーザーにしてください。
●誘導する時は
誘導の方法が分からない時には、どうすればいいのか聞きましょう。一般的には左肩や左肘を持ってもらいます。
これば絶対ダメ!
ユーザーがスムーズに動いている時には、盲導犬が判断を誤らないように、何もせず、何も言わないで見守りましょう。動いている時に一旦止まると情報が途切れてしまい、次に動き出すのが難しくなりますから、むやみに声をかけない方がいいのです。じっと見つめるのもいけません。「好意的に」無視してください。