2016年からペピイが支援させていただいている「日本聴導犬協会」。長野県にある本部を訪れ、お話を伺ってきました。
日本聴導犬協会って?
1996年より英国聴導犬協会の指導のもと、飼い主の見つからない保護犬を育成し、耳の聞こえない方の手助けをする「聴導犬」や、「介助犬」として世に送り出しています。
ユーザーさんへの貸与や、貸与費のアフターケアも全て無料で行われています。
社会福祉法人 日本聴導犬協会
本部 〒399-4301 長野県上伊那郡宮田村7030-1
http://www.hearingdog.or.jpユーザーさんの”耳のかわり”となる聴導犬。協会では、「人を呼んでくる」「警報器の音を知らせる」が必須項目ですが、ユーザーさんのリクエストで「赤ちゃんの泣き声」などを教えることもあります。
・呼び鈴 ・ドアのノック ・タイマーなど
タッチして教え、ユーザーさんをその場所まで連れて行きます。
煙探知機など警報器のかん高い音
床に伏せをして「危険」を知らせます。
※介助犬・・・肢体に障がいがある方の生活をサポートする補助犬。
会長の有馬さん&スタッフの矢澤さんにお話を伺いました!
●どのような活動をされているのでしょうか?
聴導犬の育成や、聴導犬についてもっと知っていただくための広報活動などを行っています。
現在も協会では約30頭の子が訓練をがんばっています。
ユーザーさんへ貸与後のアフターケアも大切な仕事です。お宅へ訪問して、聴導犬の様子をチェックし、必要があれば再度訓練をしたり、ユーザーさんが飛行機を利用したいとおっしゃった時は、飛行機に乗る練習に同行することも。
聴覚や身体に障がいを持つ方の社会参加を応援していますので、ユーザーさんが「やりたい」とおっしゃったことに対してはできる限りのことをさせていただいています。
●聴導犬の育成とは、どんなことをさせるのでしょうか?
犬種に関係なく全ての犬が優れた聴覚を持っていますので、動物福祉の意味も込めて、主に保護犬から育成をしています。保護施設に赴き、適正グラフを元に候補犬を選びます。ボランティアさんの家で過ごすことで社会化をし、穏やかで人を信じられる子に育てていきます。その過程で、「この子には難しいかな」と感じた場合は、里親探しを行います。
実際に音を教える方法としては、とにかく「誉める」ことを大切にしています。音を聞かせて、偶然タッチしてくれた時に思いっきり誉めてあげることで、「知らせれば良いことがある」と覚えてもらうのです。盲導犬や介助犬がユーザーさんの命令を優先するのに対し、聴導犬は音が聞こえたらそれを伝えるべきかどうか、自分で考えて行動する必要があります。すべての判断を犬に任せることになるので、人との信頼関係がとっても重要です。
ユーザーさんでもあるスタッフ村澤さんにもお話を伺いました!
●聴導犬ユーザーになったきっかけを教えてください。
現在サポートしてくれている、かるちゃんは長野県初の聴導犬です。きっかけは聴導犬協会のデモンストレーションに参加したことでした。聴導犬が来るまではお風呂にお湯をためようとしても、ためていることを忘れてタンクの水がなくなるまで出しっぱなしにしてしまったり、不便なことがたくさんありました。また真夜中に近くで火事があった時、消防車がたくさん来ていたり大騒ぎになっても聞こえないので、次の日母からのファックスで火事があったことを知り、恐怖を感じたこともありました。私たちは外見では聴覚障がい者であることに気づいてもらえませんが、かるちゃんが「聴導犬」と書いたコートを着て私と一緒に行動してくれるので、周りの方に耳が不自由であることの理解を得られる大きな役割を果たしてくれています。
実際にお仕事を見せてもらいました!例えば災害時・・・
窓や扉をたたくと聴導犬・ふじちゃんが反応!ユーザーさんに伝えにいきます。
呼んでいる人のところまで案内します。
耳の不自由な方に危険などを伝える時は、紙に書くのが親切です。
日本聴導犬協会の様子をレポート!
協会の目の前は自然がいっぱい!空気のおいしい素敵なところでした。
看板もあり、村をあげて応援されているのが伝わります。
協会の前は広い空地。風がぬけて気持ちよかったです。
施設は30匹の訓練犬がいるとは思えない清潔さ・静けさでした!
介助犬ユーザーも使用できるように施設はバリアフリーになっています。
1日2回の”エクササイズの時間”ドッグランで自由に遊びます♪
聴導犬を知ってもらうためにリーフレットや本もつくられています。
「聴導犬について」だけでなく、私たちが町中で聴導犬と出会った時どうしたらいいか、というマニュアルまで作成されています。
近くのお店には募金箱が設置されていました。
写真がかわいいと好評だそうです。
ドッグランの中には亡くなった聴導犬たちのモニュメントもありました。
”みんなと一緒にいられるように”とドッグランの中に作ったそうです。
「いつまでも大好きだよ ありがとう ありがとう」
の文字が印象的でした。
取材を終えて・・・
”聴導犬”という言葉は知っていましたが、保護犬が活躍していることや、実際のお仕事については今回初めて知ることが多く、驚きの連続でした。一度は保護犬となってしまったわんちゃんが聴導犬として耳の不自由な方のサポーターとなり、今までできなかったことや諦めていたことを実現する力になっているという事にすごく感動しました。
お話を聞く中では聴導犬になるための保護犬が少しずつ減ってきているという”嬉しい”お困りごともお伺いすることができました。そして何より、どのわんちゃんもキラキラ楽しそうな表情がとても印象的でした。
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