誕生から6ヶ月頃までぐんぐん成長する子犬の時期。
子犬の体重は、生後8~10日で約2倍になり、生後4~6ヶ月で成犬時の体重の50%*まで成長します。
子犬は産まれてから短い期間で骨格や筋肉などの体の組織をつくり、急速に成犬の体形になるため、この時期の栄養状態が犬の成長にとって非常に重要です。
獣医師 神吉紀子先生
*成犬時のサイズにより成長スピードは異なります。小型犬の場合は大型犬に比べて早い時期に成犬の大きさまで成長します。
犬種によって異なる子犬期を知っておこう。
*犬の場合、体の大きさによって各ライフステージの長さに違いがあるのが特徴です。サイズだけでなく成長には個体差もあります。
子犬のライフステージに合った栄養バランスの総合栄養食を与えましょう。
□ 骨格・筋肉をつくる重要な時期。
□ 少量を回数を多くして与える。
□ 消化しやすい良質な食事を。
□ 食べ過ぎにも注意。
成長していく体を維持する高いエネルギー、筋肉や体の組織をつくる豊富なタンパク質が必要な時期のため、子犬のライフステージに合った栄養バランスの食事を与えましょう。 さらにこの時期は消化管が未熟なため、生後2ヶ月までは1日4~5回に分けて、2ヶ月半(10週目)以降は3回から2回に徐々に回数を減らしていきます。消化性が良いものを選ぶことも大切です。
また、発育期の肥満は脂肪細胞を増やしてしまうため、食べすぎにも注意しながら、定期的にウエストのくびれや肋骨の触りやすさをチェックしましょう。
元気に成長するために、しっかり食べることも大切です。
ごはんをしっかり食べることは、栄養成分を体内に適切に送り届け、健康を支えるために大切です。愛犬の様子を観察しながら工夫をしてみましょう。
ドライフードを食べない場合のひと工夫
犬はまず、嗅覚で食事を認識し、においで食欲が刺激されます。お湯をかけて温めたり、レンジで数秒加温することでおいしい香りが立ち、食欲をそそります。与える前には、熱すぎないか確かめましょう。
フードをお湯でふやかすと異なる食感が得られ、水分が加わることで嗜好性が高まることも。おかゆ状にすることで、水分も補給できます。ふやかした水分には栄養が溶け出しているので、捨てずに与えましょう。
ドライフードの水分量は約10%、ウェットフードは約75%と水分量が多く、開封したての香りが食欲をそそるため、ウェットフードを混ぜるのもおすすめ。理想的な水分バランスの食事になり、子犬の時期から様々な食感に慣れておくことができます。
子犬の時期に様々な食事に慣れる。
子犬の時期は、生涯の味覚を左右する時期でもあるため、様々な食感・におい・味に慣れさせておくと、将来いろんなフードを受け入れやすくなるといわれています。 頻繁にフードを変える必要はありませんが、いろんなものを試してみて、様々な種類の食事に慣れておくと安心です。この際「食べないと他のものがもらえる」と愛犬が主導にならないよう、注意しましょう。
うちの子にごはん合っている?観察のポイント!
与えたあと、吐いたり下痢をしていないか、皮膚にかゆみが出ていないかが観察のポイント。子犬が順調に成長できていて、お腹の調子がよく便が良好で、皮膚・毛艶も健康であれば続けていけるでしょう。
また、新しいフードに変えるときは、今のフードに少しずつ混ぜて7日~10日かけて徐々に切り替えましょう。
食欲がなく頻繁に残したり、食べているのに体が大きくならないなど、「あれ?」と思うことがあれば、かかりつけの動物病院にご相談ください!