ペピイがポイント募金で支援させていただいている「日本盲導犬協会」。
神奈川県にある、神奈川訓練センターを訪れ、お話を伺ってきました。
日本盲導犬協会って?
目の見えない方・見えにくい方が、安心・安全に歩けるようにサポートする盲導犬の育成・貸与を、1967年から行っています。2017年には設立50周年を迎えました。
神奈川訓練センターは盲導犬育成の中心的施設として、常時約40頭の犬を訓練しており、また訓練士の育成も行われています。
公益財団法人 日本盲導犬協会 神奈川訓練センター
〒223-0056 神奈川県横浜市港北区新吉田町6001–9
https://www.moudouken.net/(外部サイトへ移動します)
\盲導犬普及推進部の山本さんにお話を伺いました!/
● 盲導犬の育成で、大切にされていることは何ですか?
盲導犬として楽しみながらお仕事をしてもらうために、たくさん褒めながら育てる『教育』を心がけています。 何かひとつできたら「GOOD!」と思いっきり褒めてあげることで、犬がきちんと「その行動をすると楽しい」「褒めてもらえる」ということを理解できるように育てています。 「目の見えない・見えにくい方々が行きたいときに行きたい場所に行けるように」ということが、協会の使命・目的ですが、 そのために犬が無理をしたり、ストレスを抱えたりしないように、犬の様子を細かく観察しながら『犬が楽しくできる』ということを一番大切にしています。
● どのように盲導犬になれるかどうかを判断しているのですか?
盲導犬になるための教育方法や、盲導犬に向くか向かないかを判断する理由やタイミングは、1頭1頭で違います。 元々生まれ持っている性格に加え、その犬の行動や状況の分析を積み重ねて考えていきます。 盲導犬に向かない犬を盲導犬にしてしまわないように慎重に、且つ犬の負担にならないように、それぞれに合わせたタイミングで判断するようにしています。
● 盲導犬がユーザーのパートナーになるまで
まずはユーザーのライフスタイル、身長や歩き方などの情報を収集して、訓練士がその方に合った盲導犬を選びます。 その後、初めて盲導犬を迎える方であれば4週間、施設に泊まり込みでの盲導犬との共同訓練が始まります。
共同訓練では、訓練士とユーザー、そして盲導犬の2人と1頭で、歩き方や生活の仕方、盲導犬がハーネスを通して伝えてくる情報の読み取り方など意思疎通の仕方を習得していただきます。 この訓練期間を経て、ユーザーは盲導犬をパートナーとして迎え入れることができます。
貸与後もユーザーの自宅や仕事場などに訓練士が定期的に訪問し、歩行状態や健康面、生活スタイルに変化がないかなどを確認し、何か困ったことがあれば相談にのるなど、密にコミュニケーションをとっています。
また、24時間 電話で相談できる体制をとっており、様々な相談へも対応します。犬と人がずっと安心して歩けるように、盲導犬とユーザーの毎日を全力でサポートしています。
わんちゃんのお散歩中は盲導犬に近寄らないでね。
他のわんちゃんが近づいてくるとつい遊びたくなって、ユーザーさんの危険につながることも。できる限り距離をとってサッと通りすぎてくれると嬉しいな!
盲導犬のことは「温かく見守って」、
ユーザーさんには話しかけてあげてね。
お仕事に集中するために、盲導犬を触ったり、目をあわせないようにしてね。ユーザーさんが何か困ってそうなときは、「お手伝いしましょうか?」と声をかけてもらえるととっても助かるよ。
まずはアイマスクを装着。何も見えなくて思ったよりずっと不安!横を車がビュンと通ると怖いです。訓練士さんが横で「ストレート・ゴー」と号令をかけてくれます。坂道も力強く引っ張ってくれるアテナちゃん。
視界をふさがれての歩行は、想像以上に心細く、まっすぐ歩くことも難しかったです。そんな中、力強く前へと導いてくれるアテナちゃんの存在はとても頼もしい!
実際に「道に迷っても、盲導犬と一緒なら不安が和らぐ」とおっしゃるユーザーさんが多いそうで、目の不自由な方の心の支えになっているんだなと改めて感じました。
また、歩行中、私のかわりに訓練士さんが隣で号令をかけつつ、「グッド」とアテナちゃんを常に褒めてあげていて、アテナちゃんも嬉しそうだったのが印象的でした。
センターにはこんな施設があります。
盲導犬を目指す訓練犬たちが暮らす犬舎は、快適に過ごせる工夫がいっぱい。いつもスタッフやボランティアがきれいに清掃して、衛生的にも清潔に保っています。
目の不自由な方が、自分のパートナーとなる盲導犬と生活し、一緒に歩くための訓練を共同訓練と言います。ここに宿泊しながら、歩く訓練をします。
(PEP2017年7・8月号掲載)