1.マッサージが役立つ2つのこと
- その1.ケガや病気の早期発見・予防に
- その2.加齢によって固まった姿勢をほぐせます
その1.ケガや病気の早期発見・予防に
「右足を触ると嫌がる」「尻尾にしこりがあるかも?」など見た目だけではわからないことに気付けます。
その2.加齢によって固まった姿勢をほぐせます
凝り固まった筋肉を揉みほぐすことで、下がっていた首がラクになり、肩周りの動きが良くなります。今まで凝り固まって歩き辛かった子が歩きやすくなることも。
ほかにも…
- 体を触られることに慣れれば、動物病院の触診も安心。また、マッサージで緊張をほぐすこともできます。
- 高齢犬は、運動・お散歩前にマッサージをすると軽快に歩け、事故やケガを防げます。
※ケガや病気の疑いがある場合は、まずかかりつけの獣医師さんにマッサージしてもよいかご確認ください。
2.マッサージを始める前に、
まずは飼い主さんがリラックス
愛犬の体に手のひらを当てながら、深呼吸して心を落ち着けます。アクセサリーや時計は外して気が散るものはなくしましょう。
テレビを消したり、多頭飼いの場合は他の子がいない部屋に移動するなどし、環境も落ち着ける雰囲気に。時間に余裕がある時にするのがおすすめです。
3.愛犬が安心できる始め方と終わり方
始める前に、体に触れて「マッサージ始めるね」と声をかけて合図を。終わる時も「おしまい」と声をかけて合図をしてあげましょう。
合図を決めておけば、目が見えなくなっても驚かせずに始められます。
4.基本的なマッサージのコツ
手のひら全体で優しく流れるように撫でてあげましょう。
マッサージ中は手を体からできるだけ離さないように。どちらかの手が触れていると、愛犬も安心できます。
人と同じように、なでることでリンパの流れが良くなり、デトックス効果があると言われています。
基本の4ステップ
A 頭~背中~しっぽ
B 顔の横~胴~後ろ脚(体の側面)
C 顔の横~肩~前脚
D あごの下~胸~へそ
A~Dを各3回ずつ。
★B、Cは反対側の側面も忘れずに行ってくださいね。
大きなストロークと豆腐をつぶさないくらいの力加減を心がけましょう。
しっぽの先や足の先まで、しっかり触れてあげるのがコツです。痛がる場合は動物病院へご相談を。
5.部分マッサージにチャレンジ
部分マッサージは、基本的なマッサージをした後にやりましょう。
どちらか1つでもOKです。
- その1.わんちゃんが大好きな耳のマッサージ
- その2.首・肩のこりを取るマッサージ
その1.わんちゃんが大好きな耳のマッサージ
親指と人差し指で軽く持ち、外方向へスライドさせます。
その2.首・肩のこりを取るマッサージ
肩甲骨の辺りから脇の辺りまでを、親指で軽く押すように触ってあげましょう。
ワンポイントアドバイス
・ダックスやコーギーなどの胴長犬種は背中から腰のラインをチェック
ヘルニアになりやすいと言われる胴長の子は、首元からお尻まで、背骨に沿って両方の親指で軽く押してあげてください。痛がるポイントがあれば、獣医師さんに伝えて診察を。
・触られるのが苦手な子は手の甲でなでよう。
手のひらで触られると「掴まれる!」と思って怖いのかも…。手の甲で触れると安心してくれやすいです。短時間から慣らしてあげましょう。
6.シニア犬におすすめのマッサージ
シニア犬マッサージは、基本的なマッサージをした後にやりましょう。
どれか1つでもOKです。
- スキンローリング
- バイブレーション
- 肉球マッサージ
スキンローリング
フニフニ触ってコリや病気を早期発見に繋がることも。背中からお尻にかけて、皮膚だけをつまんでフニフニとマッサージを。
硬いところが見つかったり、愛犬が痛がったら、コリや病気の可能性も。痛がる部分を30秒ぐらい手のひらで優しくさすってください。毎日続けると柔らかくなってきます。
それでも硬かったり、痛がる場合は病院へ。
愛犬が痛がるサインはこちら
・ハット目を見開く
・振り向く
・逃げる
・触った場所がビクッとする
顔の前に鏡を置くなどして愛犬の表情を見てチェックしてあげましょう。
優しくしても痛がる場合は動物病院へ。
バイブレーション
ブルブルゆすって関節ケアを行います。多くのシニア犬が悩みを持つ関節ケアのマッサージです。関節を両手で挟み、手の重みだけでブルブルゆすりましょう。
肩をゆする時は脇を挟むようにして、ゆすってください。
肉球マッサージ
肉球をムニュムニュ押して血行を促します。動く機会が減ると、血行が悪くなって肉球が冷えてきます。下に記載している順番でムニュムニュしてあげましょう。
温かいおしぼりなどで肉球を温めてからマッサージするとさらに効果的です。
小型犬の場合は綿棒を使ってもOKです。
①掌球と言われる一番大きな肉球から始めよう。
「爪切じゃないよ」と知らせるサインにもなります。
②左右どちらからでもよいので指の肉球をムニュムニュ。
③指と指の間に飼い主さんの指を入れて広げてください。
④指の肉球と掌球の間も忘れずマッサージを。
7.さらにプラスしたい5つのポイント
以下のような5つのポイントを押さえながら、マッサージをしてみてください。
ポイント1.まずは飼い主さんがリラックス
ポイント2.声をかけて始める
ポイント3.基本的なマッサージ
ポイント4.部分マッサージやシニア犬におすすめのマッサージ(どれかひとつでOK)
ポイント5.声をかけて終える
※1日1回10分でOK
※食前食後の1時間は避けてください。
8.まとめ
ペットマッサージは、「うちの子のために何かしてあげたい」という飼い主さんの想いを叶える、愛犬とのコミュニケーションです。
毎日のマッサージを通して冷えやコリといった体の変化にも気付けるので病気の早期発見にもつながります。
無理をせず、頑張りすぎないことが飼い主さんにも愛犬にも大切です。