抱っこ嫌いな猫を上手に抱っこするコツと方法を動物看護学校講師が紹介!
愛猫を抱っこする時間はとても幸せな瞬間。しかし、すぐ逃げてしまうので抱っこできないという飼い主さんは少なくないでしょう。
猫によって抱っこの好き嫌いや、好む抱き方は異なります。抱っこが好きな猫と嫌いな猫は何が違うのか、どんな風に抱っこしてあげれば猫は安心できるのか、抱っこの基本的な方法をペピイ動物看護学校で講師を務める牧田先生にお聞きしました。
愛猫を抱っこする時間はとても幸せな瞬間。しかし、すぐ逃げてしまうので抱っこできないという飼い主さんは少なくないでしょう。
猫によって抱っこの好き嫌いや、好む抱き方は異なります。抱っこが好きな猫と嫌いな猫は何が違うのか、どんな風に抱っこしてあげれば猫は安心できるのか、抱っこの基本的な方法をペピイ動物看護学校で講師を務める牧田先生にお聞きしました。
目次
抱っこが苦手な子には……「触られる=気持ちがいい」 と覚えてもらうことから始めよう。
こんなところを触ると猫ちゃんは喜びます!
猫ちゃんを触る時は優しく
飼い主さんに甘えたい時
構ってもらいながら、まったりしたい時
寒くなって来た時期
こんな抱っこが好き……『肩抱っこ』
えびぞうくんの1番好きな抱っこはなんと……『おんぶ』!
体型よりも性格による違いが大きいでしょう。一般的には、細身の猫よりもポッチャリしている猫の方が抱っこが好きそうに思われます。しかし、ポッチャリしている猫でも抱っこが苦手な猫はいます。
そもそも猫は警戒心の強い生き物ですから、本来、体を拘束される抱っこは好みません。抱っこをする時は猫ちゃんの性格を考えてからしてあげましょう。また、抱っこを嫌がる場合は無理をせず離してあげてください。
人懐っこい猫や甘えん坊な猫は、抱っこ好きな子が多いです。いつも飼い主さんの後ろをついて歩く猫やそばにいたい猫は、飼い主さんをもっと近くに感じられる抱っこが好きかもしれません。
抱っこが嫌いな猫は、じっとしているのが嫌いな子。飼い主さんの抱っこより、自分で活発に動き回る方を好みます。そして、神経質で怖がりな猫も抱っこは苦手です。自分ですぐに逃げ出せない抱っこの状況は好きではありません。
愛猫が落ち着いている時に抱っこの練習をしてみましょう。
まず、愛猫の後ろに両膝をついて座り、その状態で猫の両脇に片手を入れて、上半身をゆっくりと持ち上げます。同時にもう片方の手でお尻を支えながら抱き上げて、膝の上に乗せましょう。そのまま自分の体にそっと引き寄せて、密着させてください。ここまでいけば抱っこ成功です。
逃げ出す様子がある場合は、腕の力を少し緩めてからもう一度引き寄せてみましょう。居心地の良い体勢が整い、落ち着いてくれることがあります。
「愛猫が抱っこを嫌がる」とお悩みの方は、ぜひチャレンジしてみてください。
1.猫の両脇に片手を入れて、上半身をゆっくりと持ち上げます。
2.同時にもう片方の手でお尻をしっかり支えて抱き上げます。
3.そのまま体を密着させます。そうすることで両手と体で支えられ、安定感が生まれます。
猫の抱っこは「安定感」が重要!
支えが不十分だと不安定な体勢になり、猫に嫌がられます。しっかり安定するように抱いて、安心させてあげましょう。
猫の体をしっかりと支えられず、体がずり落ちそうな抱っこや、後ろ足が不安定になる抱っこの仕方はN Gです。体の安定が悪いと嫌がって逃げてしまうでしょう。
お尻や後ろ足をしっかりとサポートして、体が安定する抱っこをしてあげてください。抱っこをする時、首根っこをつかんで持ち上げたり、前脚だけを持ち上げたりするのは危険です。また、かわいいからといって思わず「ぎゅ〜っ」と抱きしめる抱っこもやめましょう。猫は密着して強く圧迫されるような抱っこや、お腹を圧迫したりする抱っこは苦手です。気を付けて欲しいのが人間の赤ちゃんのように「高い高い」と持ち上げたり、振り回したりすること。不安定なうえに、誤って落としてしまうとケガをする可能性があります。
「抱き方のポイントを抑えても抱っこが苦手」という場合は、どうすれば良いのでしょう。次は、そんな猫の対処方法を見ていきます。
猫が自分から近づいてきた時に様子を見ながら、触られて気持ちのいいところを探します。「触られてうれしい」と思えば近寄ってくることが増え、抱っこのチャンスも増えます。
猫が嫌がったらすぐにやめましょう。
ふれあいも抱っこも無理強いはしないこと。猫のペースに合わせ、抱っこされてもいいと思える関係づくりが大切です。
顔や頭、しっぽのつけ根など、自分では届かない部分や上半身を触ると喜ぶことが多いです。個体差があるので、うちの子の好みを探してみましょう。
手のひらよりも、指先で小さくなでる方が喜びます。
抱っこが苦手な猫もいれば、好きな猫もいます。抱っこが好きな猫でも、タイミングが合わなければ逃げていく場合があるでしょう。では、猫が抱っこをして欲しいのはどんな時なのでしょうか。
長時間留守にしていた飼い主さんが帰宅したタイミングは、抱っこして欲しい子が多いです。外からさまざまな匂いを付けて帰って来た飼い主さんに、愛情の印である自分の匂いを付けたいのです。飼い主さんのお顔を近くで見ると、寂しかった心も満たされます。
落ち着けるところで眠りにつきたい時、飼い主さんのそばに来ることが多いです。猫が飼い主さんに構って欲しい時は、近くに来て体をすりすりとこすり付けたり、目の前でゴロンと横になったりするでしょう。そんな「構って欲しいサイン」がたくさん出ている時は、抱っこしやすいタイミングです。
抱っこしやすい季節があります。夏場は暑いので抱っこを好みませんが、冬場は暖かいところを求めます。寒い時期は、落ち着ける場所である飼い主さんの体温で暖まりたくて、近づいてくることがたびたびあるでしょう。そんな時は優しく抱っこしてあげて、抱っこコミュニケーションを増やしましょう。
びーさくくん(エキゾチック)
すこーし気難しい男の子。あまのじゃくなところがとってもキュートなツンデレさん。時々、猫が変わったようにはしゃいで遊びます。
● チャームポイント:可愛いお鼻
● 好きなこと:朝起きたらお外を眺めること
えびぞうくん(エキゾチック)
人懐っこい男の子。一緒に遊んだり、いつも飼い主の側にいる甘えんぼさん。
● チャームポイント:丸いお顔
● 好きなこと:パソコンのマウスポインターを追いかけること
両手を脇の下に入れ、ゆっくり抱き上げて、肩に乗せます。
肩と体、手で猫の脇とお尻をしっかり支えることで安定感&安心感もバツグン。
突然後ろから飛びつかれることが多いそう。甘えん坊のえびぞうくんにとって『おんぶ』は愛情表現なのかもしれませんね。
人間にとって抱っこは愛情表現ですが、猫がどう感じるかはその子によって異なります。
母猫は子猫を抱きかかえても抱っこはしません。そのため、生まれてすぐに抱っこが愛情表現だとわかる猫はいないのです。たとえ抱っこをさせてくれないとしても「私を嫌いなのかしら」とは思わないで。寄り添うだけで、猫は十分愛情表現をしてくれているのかもしれません。
猫の性格を見ながら、無理をせずに、距離を縮めていきましょう。
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監修いただいたのは…
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牧田 明美先生
「ペットマッサージ」を海外で学び、インストラクターの資格を取得。現在はペピイ動物看護専門学校の講師も務める。