コロナウィルスに自分が感染したら、
ペットはどうなる?
「もし、自分がコロナウィルスに感染して、入院を余儀なくされたら、ペットはどうなるの?誰が面倒見るの?」
コロナウィルス感染拡大のニュースが日々流れる中、犬や猫を飼っている人であれば、誰もが考えることでしょう。
2020年4月に認定特定非営利活動法人 動物愛護社会化推進協会からペピイの顧客を対象とした「新型コロナウィルス感染症 感染拡大予防対策に伴うペットに関するアンケート調査」(※1)を実施。結果、全体の二割の人がそんな不安を抱えています。
※1認定特定非営利活動法人 動物愛護社会化推進協会
⇒「新型コロナウィルス感染症 感染拡大予防対策に伴うペットに関するアンケート調査」について
まずは飼い主さんが感染を予防すること
これまでのところ、ペットから人へ感染したという事例は確認されていません。
海外では、感染した飼い主からペットが感染した例が数例報告されていますが、ペットが人の感染に重要な役割を担う証拠はないとされています。
まずは、飼い主さん自身が、外での人との接触で、感染しないよう注意すること。
「三密」を避け、手洗い、マスクの着用、そして部屋の換気のほかに、愛犬が散歩から戻った時には、外からのウィルスを持ち込まないためペットの足を清潔に拭くなどを心がけましょう。
飼い主さんが外出先から帰宅した時も、ペットを触る前の手洗いを忘れずに!
治療や診察等で、普段通り動物病院に行くときには、飼い主さん同士の「三密」を避けるため、待合室ではなく、車内待機する飼い主さんも増えています。そんな時は、車内での熱中症に注意が必要です。
コロナ対策で、予約制を取り入れている病院もありますから、来院前に電話で確認すると良いでしょう。家族大勢の来院は避け、診察室にはできる限り少人数で入ることも大切です。
飼い主さんがコロナウィルスに感染したら?
それでも、万が一、飼い主さんがコロナウィルスに感染したら?
日ごろから預け先についても考えておくことが大切です。
家族や知人などに相談して「もしもの時の預かり先」をあらかじめ、決めておくと安心です。
預かり時の引き渡しや運搬等における感染予防が徹底されれば預かってくれる動物病院もあるので、かかりつけの獣医さんに預かりの可否、引き渡し手段などを事前に確認しておくことをお勧めします。
かかりつけの病院で預かってくれるのであれば、愛犬・愛猫の病歴や性格もよくわかって いるので安心できます。そのためには、日ごろからかかりつけの獣医さんと飼い主さんとの信頼関係を築くことが最も大切です。
知人宅、親せき宅、動物病院等、預かり先への運搬は、ペットを事前にシャンプーして清潔な状態にし、接触をさけるため、アルコール消毒した清潔なクレート(ペット用ケージ)にペットを入れ、感染していない人が預かり先に届けます。
益社団法人 東京獣医師会が発表している「新型コロナウイルスに感染した人が飼っているペットを預かるために知っておきたいこと」を参照
外部のサイトにリンクします。リンク先の情報やお問合せについてはリンク先のサイトよりお問合せください。
大切なのは、ペットを飼っている飼い主同士が話し合い、「〇〇さんが感染したら、ペットは預かれないけど、預かり先までの運搬のお手伝いはできる」など、できることを互いに話し合っておくことです。
運搬は、日時を決めて、アルコール消毒したクレート(ペット用ケージ)にペットを入れ、玄関先に置いておきます。そして預かり先まで運搬する人が、マスク、レインコート、ゴーグル、ゴム手袋等を着用し、クレート(ペット用ケージ)の持ち手をアルコール消毒液で吹き取った後に、車に乗せれば、感染者と接触せずにペットを預かり先まで運ぶことができます。
クレート(ペット用ケージ)はこのような時だけではなく、災害時の避難所等でもとても役立つ優れもの。 日ごろからクレートトレーニング(※2)をしていれば、「万が一」の時に慌てることもありません。これを機会に愛犬がクレートでおとなしく過ごせるようにしておきましょう。
※2ペピイ防災コラム「避難に使えるクレートトレーニング」を参照
また、ペット保険シェアNo.1のアニコム損保を子会社に持つアニコム ホールディングス株式会社は、新型コロナウイルス感染症に対するペット飼育者の不安を少しでも解消できるよう、コロナ感染者のペットを無償で預かる「コロナ感染者のペットを無償で預かる#StayAnycomプロジェクト」(※3)を4月から開始。対象は主に犬と猫で、ペット保険の加入は問わず、同社サイトから申し込みできるしくみとなっています。
※3アニコムホールディング株式会社⇒
「コロナ感染者のペットを無償で預かる#StayAnycomプロジェクト」を参照
外部のサイトにリンクします。リンク先の情報やお問合せについてはリンク先のサイトよりお問合せください。
正しい情報をきちんと把握して、
何が正しいのかを冷静に判断すること
いずれにしても「感染したかな?」と思った時から準備を始めたのでは間に合いません。
クレート訓練、ドッグフードの十分なストック、持病のある愛犬の薬、注意事項などをまとめて預かりがスムーズにできるようにしておきたいものです。
また、犬同士の別の感染症も心配です。混合ワクチン、狂犬病ワクチンをきちんと済ませ、体を常に清潔に保つなど、日ごろのお手入れも怠らないことが大切です。
しかしながら、一番大切なのは「かかったらどうしよう!」とやみくもに不安になるのではなく、いつも通り健康な生活を飼い主さん自身が送ること。ネット上の様々な情報に惑わされず正しい情報をきちんと把握して、何が正しいのかを冷静に判断することです。
厚生労働省や、獣医師会のホームページ等でも「ペットとコロナウィルス感染症」に関する情報が出ていますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
そして何より、「おでかけしたいなあ」と、思っても、愛するわが子のために不要不急の外出をちょっぴり我慢して、自宅でペットとの素敵な時間を過ごす工夫をすること。
愛犬・愛猫は、飼い主さんがいなくては生きていけません。
そう思えば、今までより長い「おうち時間」も苦にならず、愛犬・愛猫との絆もより一層ふかまること間違いなしです。
参考サイト
・厚生労働省 ⇒動物を飼育する方向けQ&A
・公益社団法人 東京都獣医師会 ⇒https://www.tvma.or.jp/
・公益社団法人 日本獣医師会 ⇒http://nichiju.lin.gr.jp/
今西 乃子(いまにし のりこ)
児童文学作家・特定非営利活動法人 動物愛護社会化推進協会理事
主に児童書のノンフィクションを手掛ける傍ら、小・中学校で保護犬を題材とした「命の授業」を展開。その数230カ所を超える。
主な著書に子どもたちに人気の「捨て犬・未来シリーズ」(岩崎書店)「犬たちをおくる日」(金の星社)など他多数。
今西乃子ホームページ:
https://noriyakko.com
「おかあさんのそばがすき」動画:
https://youtu.be/hLNHhqfBNXE
デジタル紙芝居「ゆれるしっぽ」:
https://youtu.be/G4BRqvVkbG4
子ねこリレー大作戦:
https://youtu.be/16EFsOgJ0Yg
HAPP認定特定非営利活動法人
動物愛護社会化推進協会とは?
愛犬や愛猫と長く幸せに暮らすためには、その生態や行動を理解し、健康管理についても正しい知識を得ることが大切です。
『動物愛護社会化検定(飼い主検定)』やシンポジウムの開催、動物愛護推進員の活動支援等を通じて、「犬猫を適正に飼育する」ことの重要性を社会全体へ発信し、関連する情報を広く提供しています。
公式サイト:
https://happ.or.jp/
Facebook:
https://www.facebook.com/NPO.Happ/