【専門家監修】犬のトイレトレーニングについて専門家が解説!
子犬を迎え入れたとき、まず身に付けさせたいのがトイレトレーニングですよね。
犬のトイレトレーニングで重要なことは、“いかに失敗させないか”ということ。できる限り粗相をせずにトイレの成功体験を積むことができる、そんな“失敗しない環境づくり”のポイントをご紹介します!
子犬を迎え入れたとき、まず身に付けさせたいのがトイレトレーニングですよね。
犬のトイレトレーニングで重要なことは、“いかに失敗させないか”ということ。できる限り粗相をせずにトイレの成功体験を積むことができる、そんな“失敗しない環境づくり”のポイントをご紹介します!
トイレを覚えていない犬のトレーニングでは、サークルの中にいる時間と外にいる時間を明確に作ってあげることが大切です。サークルの中と外、ともに必要な環境づくりをチェックしておきましょう。
まずは、サークルの中に寝床とトイレトレーを設置します。犬は”寝床では排泄をしない”という習性を持つため、サークルの中で寝床の認識を持つことができれば、必然的にトイレトレーを“排泄場所”と認識するようになります。
もともと犬は穴蔵の中で生活をしていたため、この際の寝床はフルオープンになっているベッドやマットよりも、上下左右がしっかりと囲われているクレートの方が“寝床である”と認識がしやすく適しているでしょう。
サークルの中では上手に排泄ができるけれど、サークルを出ると失敗してしまう…。そんなケースも少なくないでしょう。一度サークルを出るとトイレを見失ってしまう犬も多いため、そういったことも無理はないのです。
サークル外での失敗を防ぐためには、サークルのすぐ横にもう一つトイレトレーを設置し、中に戻らなくても排泄ができる環境を用意してあげることが大切です。さらに可能であれば部屋の中にもう一カ所設置することで、より成功体験が増えていくと言えるでしょう。
Point①
犬は排泄がしたくなったときに、ソワソワと地面の匂いを嗅ぎ始めたり、ウロウロして落ち着きがなくなったりします。こういった愛犬の排泄サインを知り、サインが見られたらトイレまで連れて行ってあげましょう。
Point②
犬は、寝起きや食後、運動や遊びのあとに排泄頻度が高まります。さらに、一日の中でもおおよそ決まったサイクルで排泄をする傾向にあるため、愛犬の排泄サイクルを記録しておくのがおすすめ。それらの法則に基づいてトイレへ連れていくことで、失敗を未然に防ぐことができるでしょう。
Point③
犬は土や草の上のようなやわらかい場所での排泄を好むため、家の中でもやわらかい絨毯などが敷いてあると、排泄を誘発させてしまいます。そのため、サークルの外にはやわらかい素材のものは敷かず、撥水性のあるフロアマットなどを敷くようにしましょう。
Point④
犬が排泄を我慢できる時間は「月齢+1時間」程度であるため、飼い主さんが外出するときは、必ずトイレの認識がしやすいサークルの中で過ごさせるようにしましょう。また、家の中でもしばらく目を離すときなどは、できるだけサークルの中に入れることで、失敗のリスクを減らすことができます。
排泄を失敗した際に叱ってしまうと、犬は飼い主さんに対して恐怖心を覚え、飼い主さんのいないときを見計らったり目の届かない所で排泄をするようになります。そうなるとトイレのしつけがさらに難しくなってしまうため、失敗しても叱ることはせずに、冷静に対応するように心がけましょう。
また、飼い主さんへの嫌がらせとして“わざと”粗相をする、といった話を耳にすることがありますが、犬は排泄物そのものを汚いものとはみなしておらず、わざと排泄をしても飼い主さんが困るとは考えられないため、嫌がらせは成立しません。誤った認識で叱られても犬は何のことだか理解ができず恐怖心を煽るだけになるので、そのようなことがないよう十分に注意しましょう。
犬は、自分や他の犬のおしっこのニオイでも排泄が誘発されるため、もし粗相をしてしまったときにニオイが残ってしまったら、また同じ場所に排泄をしてしまう可能性があります。かつ、人の数千倍から一億倍ともいわれる嗅覚を持つため、その処理は十分なものでなくてはいけません。
粗相をしてしまった場所は消臭スプレーだけではなく、まずはしっかりと洗浄を。食器用洗剤や界面活性剤入りの消臭クリーナーなどを使って洗浄したのちに、消臭スプレーをかけるのが好ましいでしょう。
犬のトイレトレーニングは、決して一朝一夕にできるものではありません。失敗しない環境づくりとあわせて、飼い主さんが根気よく、気長にサポートしてあげるのが上達への近道と言えるでしょう。一歩ずつの成長を喜び合いながら、ゆっくりと寄り添ってあげてくださいね!
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監修いただいたのは…
ドッグトレーナー / 学術博士 鹿野 正顕先生
麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて、人と犬の関係、特に犬の問題行動やトレーニングの研究を行い、人と犬の関係学の分野で日本初の博士号を取得。麻布大学卒業後、人と動物の関係に関する専門家やドッグトレーナーの育成を目指し、株式会社Animal Life Solutionsを設立。犬の飼い主教育を目的としたしつけ方教室「スタディ・ドッグ・スクール」の企画・運営を行いながら、ドッグトレーナーとしても指導にも携わっている。2009年には世界的なドッグトレーナーの資格であるCPDT-KAを取得。
スタディ・ドッグ・スクール 代表 株式会社 Animal Life Solutions (ALS)代表取締役社長 日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT)理事長 理事・事業企画委員動物介在教育療法学会(ASAET) 理事 CPDT-KA(Certified Professional Dog Trainer - Knowledge Assessed)