猫ノミの効果的な駆除・対策・予防法は?おすすめの薬も紹介
「室内飼いだから猫ノミは関係ない」と思っていませんか。
しかし、室内飼育でも猫ノミが寄生したケースはたくさんあります。猫ノミはかゆみを引き起こすだけでなく、皮膚炎につながる可能性も。
人や犬にも害を与えるため予防が肝心です。猫ノミによってどんな影響があるのか、くわしくご紹介します。
「室内飼いだから猫ノミは関係ない」と思っていませんか。
しかし、室内飼育でも猫ノミが寄生したケースはたくさんあります。猫ノミはかゆみを引き起こすだけでなく、皮膚炎につながる可能性も。
人や犬にも害を与えるため予防が肝心です。猫ノミによってどんな影響があるのか、くわしくご紹介します。
目次
かゆみにより掻きむしってしまう
ノミアレルギー性皮膚炎
瓜実条虫症による下痢や嘔吐
マイコプラズマ感染症
ノミ刺咬症
猫ひっかき病
条虫症
駆除方法1.動物病院に相談
駆除方法2.水や粘着テープ
駆除方法3.ノミ取り用ブラシ
駆除方法4.ノミ取り用シャンプー
駆除方法5.掃除を徹底
猫ノミのスポットタイプ投薬
猫ノミ対策の飲み薬の投与
燻蒸・燻煙式殺虫剤による駆除・予防
猫ノミの大きさは、肉眼で確認できる体長2~3mm。とても小さいですが、体長の100倍以上ジャンプできるのが特徴です。猫だけでなく、人、犬、ネズミなどあらゆる動物に害を与えるので注意が必要です。
猫に1匹寄生すると、1日4個~20個の卵を産卵。卵は1~6日程で孵化し、動物のフケやノミのフンを栄養分に1~2週間程で成虫になります。13℃以上あれば繁殖できるので、快適な家の中は猫ノミにとって年中過ごしやすい環境といえるでしょう。一生の間に400個以上産んだ例があり、1匹侵入するだけで大繁殖する可能性があります。
「飼い主さんの靴や服について持ち込まれる」「一緒に暮らす犬が散歩している間に付く」「他の猫と接触して寄生される」「猫ノミに寄生された猫が近隣にいて、玄関やベランダから猫ノミが侵入」などの感染経路があるため、十分注意しましょう。
ソファで寝転がっている時、かゆみを感じたことはありませんか。
部屋に侵入した猫ノミは、猫用のベッド周り、ソファの上、カーペットの上、家具の下、部屋の隅など、湿度の高いところを好み、大繁殖していきます。では、猫に寄生するとどのような症状や病気が見られるのでしょうか。
かゆくて掻きむしるのが初期症状です。猫ノミに刺される数が増えるほど、かゆみは強くなります。血を吸われるため、大量に寄生している場合、貧血症状が見られることもあります。
猫ノミの唾液に対してアレルギー反応を起こすと、お腹、首、背中などに赤くブツブツとした小さな突起が見られ、強いかゆみから掻きむしるようになります。
血がにじむほど掻きむしるようになると、傷からウイルスや細菌を感染しやすくなるので早期対応が求められます。ステロイド剤や抗生物質で治療するのと併せて、部屋中のノミ駆除を行うのが望ましいでしょう。
瓜実条虫はサナダムシともいわれます。グルーミング時、瓜実条虫の幼虫を持った猫ノミを食べてしまうと、猫の小腸に瓜実条虫が寄生。下痢や嘔吐の症状が見られ、体重が減ることもあります。駆虫薬で治療します。
猫ノミなどの吸血性の節足動物により媒介される感染症で、病原体が猫の赤血球に感染。赤血球が破壊されて、溶血性貧血を起こします。赤い尿や黄疸の症状が現れる場合もあります。抗生物質によって治療します。
猫ノミの被害は猫だけではありません。人の血を吸ってかゆみや腫れを引き起こすなどの害を与えます。
猫ノミがどのような症状を引き起こすのか見ていきましょう。
人には寄生しませんが、吸血することはあります。刺されると10分~48時間程で激しいかゆみを感じるようになるでしょう。患部を掻くと傷から細菌感染して化膿するケースも。悪化すると水ぶくれができる場合もあります。
猫には症状が見られないため、飼い主さんに症状が出るまで気付きにくい病気です。
猫がバルトネラ菌に感染したノミに吸血された後、飼い主さんを噛んだり、ひっかいたりすると人に感染します。主な症状は、患部の化膿、リンパ節の腫れ、発熱、頭痛。免疫力の低い高齢者などは重篤化する場合があるので、注意が必要です。
瓜実条虫はサナダムシともいわれます。
瓜実条虫の幼虫を持った猫ノミをつぶすと、卵が手に付くことがあります。その手で顔を触ったり、食事をしたりして体内に入ると、下痢などを引き起こします。
猫ノミを発見した時は、決してつぶしてはいけません。
万が一、猫ノミが卵を持っていた場合、つぶした瞬間に卵が散乱して余計に増えてしまう可能性があります。愛猫と飼い主さんの健康を守るため、的確な方法で駆除しましょう。
猫ノミを見つけたら、まずは動物病院に愛猫を連れて行くことが一番重要です。そしてノミに効果のある薬を処方してもらいましょう。駆除薬には背中に垂らすスポット剤や、内服薬などがあります。
ノミの駆除には今いるノミを全滅させ、新たなノミの寄生を予防することが大切です。
市販で手に入るノミ取り用首輪やスポットタイプの駆除剤もありますが、猫の体質によっては受け付けない場合や、成虫にしか効果が得られないものもあります。かかりつけの動物病院で相談の上、しっかりと駆除・予防をしましょう。
そして駆除をしたあとも、定期的に予防を行いノミの寄生を防ぐと安心ですね。
猫ノミの弱点は水です。猫ノミを見つけたら粘着テープでつかまえて、食器用洗剤を入れた水の中に沈めて駆除しましょう。
また、猫ノミは1匹だけではなく、部屋の中で大繫殖している可能性があります。猫ノミがいると思われる猫用ベッドやソファカバーはすべて熱湯をかけた後、洗濯しましょう。
猫ノミは体長2~3mmなので、毎日のブラッシングでいくらかは取り除くことができるでしょう。もし猫ノミを見つけたらつぶさず、粘着テープで取り除いてください。
猫ノミは水が苦手なので、洗い流す方法はとても効果的です。
ノミ取り用シャンプーは、猫ノミの成虫だけでなく卵やフンまでキレイに洗い流すことができる優れもの。しかし、シャンプーが苦手な猫も多いもの。自宅でのシャンプーが難しい場合は動物病院で相談をしましょう。
猫ノミを1匹でも見つけたら、大繁殖していると思いましょう。捨てられるものは捨て、洗えるものは熱湯をかけてから洗濯を。
猫用ベッドの周り、ソファの上、カーペットの上、家具の下、部屋の隅などは徹底的に掃除機をかけ、コロコロ粘着テープで仕上げた後、スプレー式の殺虫剤をまいておきましょう。猫ノミは生命力と繁殖力が強い生物ですから、1か月は続けてください。
猫ノミを予防する薬や殺虫剤にはどのような種類があるのか、その効果についてもご紹介します。
猫への投薬はかならずかかりつけの獣医師に相談の上で行いましょう。
スポットタイプは、首の後ろに滴下して使用します。24時間以内に成分が全身へと行きわたりノミやマダニを駆除してくれます。シャンプーしても効果が薄れることはなく、首の後ろなので猫が舐めてしまう心配もありません。
おやつのように食べられるチュアブルタイプと錠剤タイプがあり、ノミやマダニを駆除してくれます。
部屋に潜む猫ノミを一気に駆除したい時は、燻蒸・燻煙式殺虫剤を使いましょう。
ただし、効果は成虫に限るため定期的に使用して徹底駆除を目指してください。畳の隙間には煙が入らないため効果がありません。畳は殺虫スプレーで駆除してください。
使用時は、くれぐれも人やペットが入らないよう締め切った状態で行いましょう。また、食器やおもちゃなど猫が口にするものも部屋から出しておくと安心です。
どんなに気を付けていても侵入するのが猫ノミです。定期的に予防薬を使用していても、ベランダから猫ノミが侵入して大繁殖ということは少なくありません。近所に野良猫がいる場合は注意しておきましょう。
万が一、愛猫に症状が見られたらすぐに動物病院に相談してください。
そのうえで、室内に潜む猫ノミは燻蒸・燻煙式殺虫剤と掃除で徹底駆除を。予防対策で燻蒸・燻煙式殺虫剤を使用しても効果的です。
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監修いただいたのは…
桃坂動物クリニック 院長
獣医師 浅井 巧馬先生
より良い診療を行うためには、飼い主様と獣医師・病院スタッフの信頼関係が重要だと考えている浅井先生。信頼関係を築くために、飼い主様とのコミュニケーションを大切にし、気軽に何でも相談できる動物病院をめざしている。