【獣医師監修】犬が早起きなのはなぜ?理由と対処法について解説
早起きの愛犬に早朝から起こされて大変…。そんな悩みを持つ飼い主さんもいるのではないでしょうか。元気な愛犬の姿はうれしいですが、毎朝早くに起こされてしまうのも困ってしまいますよね。
そもそもなぜ犬は早起きするのか?を紐解きながら、その対処法をご紹介します。
早起きの愛犬に早朝から起こされて大変…。そんな悩みを持つ飼い主さんもいるのではないでしょうか。元気な愛犬の姿はうれしいですが、毎朝早くに起こされてしまうのも困ってしまいますよね。
そもそもなぜ犬は早起きするのか?を紐解きながら、その対処法をご紹介します。
犬が早起きをする理由には、以下のものが考えられます。
理由1
犬の聴覚は非常に優れていて、音をとらえる範囲は人の約4倍、大きさは約6倍も聞こえるといわれています。そのため、人間が気にならないほどのちょっとした物音でもキャッチし、睡眠中であっても敏感に反応することがあります。
また犬は、元来「薄明薄暮性」の動物。日々の活動を主に明け方(薄明)と夕方(薄暮)に行う習性を持つため、朝早い時間に起きることも自然なことと言えます。
理由2
食事や散歩など、犬が飼い主さんに対して期待していることはたくさんあります。
おなかがすけば、飼い主さんが起きてごはんを用意してくれるのが楽しみになりますし、ルーティンの散歩があれば、それも朝の楽しみの一つとなるでしょう。
早く一緒に遊びたいな…そんなわくわく感も感じているかもしれません。
このように、犬は早起きをして、飼い主さんが起きてくるのを心待ちにしながら過ごしています。それだけ、犬は人間の生活スタイルに合わせて生きている動物である、とも言えるでしょう。
理由3
犬も人間と同じように、睡眠中でも排泄がしたくなれば目を覚まします。前の晩に排泄してからある程度時間が経っていて、ケージやサークルの外で排泄をする習慣がついている犬であれば、それも自然なことでしょう。水をたくさん飲んだときや、加齢が理由で排泄の頻度が高くなっているケースも同様です。
しかし、不自然にその頻度が高い場合は病気の可能性も。何か気になる様子があれば、動物病院へ連れていきましょう。
理由4
犬は、犬種や年齢などによって必要な運動量が異なります。毎日散歩には出ているけれど、運動量としては不足しているといったことも。
そのような場合、体力が余ってしまい、睡眠にも影響が出ることがあります。
理由5
老犬になると日中でも寝ている時間が多くなり、睡眠サイクルが乱れることも。 その影響で昼夜逆転の生活になり、本来寝ているはずの夜中や早朝に起きてしまうことがあります。
対処法1
おなかがすいて早起きしてしまうようであれば、食事の間隔や時間帯を見直してみましょう。
一日の最後にとる食事を遅めにしてみたり、それ以前の食事間隔やおやつの時間を調節することによって、翌朝のおなかの空き具合が変わってくるかもしれません。
対処法2
寝る前にトイレへ連れていき、排泄を促してから寝るようにしましょう。
また、トイレトレーニングがしっかりと身に付いていない犬やトイレが不衛生な場合は、夜中に飼い主さんを起こしに来ることもあります。まずは基本的な室内でのトイレトレーニングを。
そして、飼い主さんが寝る前にはトイレをきれいにしておくことも大切です。
対処法3
日頃の飼い主さんとのコミュニケーションが十分にとれていると、飼い主さんへの信頼や満たされている感覚が醸成されます。そして自然と犬の心も安定し、穏やかな睡眠へとつながるでしょう。
遊ぶ時間を長くとることは運動量の増加にもつながり、より良い眠りへの効果も期待できます。
対処法4
前述にもあるように、犬の年齢や犬種などによって、一日に必要な運動量はさまざまです。
まずは獣医師に相談しながら愛犬にとって必要な運動量を把握し、それに見合った運動をさせてあげましょう。もちろん、夏場は暑い時間帯の散歩や運動を避けることにも気を配ってください。
また、散歩やドッグランなどに限らず、おもちゃや器具などを使う室内でできる運動もさまざまあります。このように十分に体を動かすことは、睡眠だけでなく、健康維持にも大いに役立ちますね。
対処法5
老犬でも体を動かすことができるようであれば、日中に散歩へ出たり、外の空気に触れさせてあげるなどすると良いでしょう。
老犬でなくても睡眠サイクルの乱れが気になる場合は、夜遅い時間に室内で遊んであげるなどして、あえて寝る時間を遅くしてみるのも良いかもしれません。
おもちゃで遊んであげることはコミュニケーションにもつながるため、心身共に満足した状態で良い眠りにつくことができるでしょう。
物音に敏感な犬だからこそ、少しでも安心して眠りにつくことができる環境を用意してあげたいもの。寝心地や衛生面なども鑑みながら、愛犬にとってベストな寝具を見直してみるのも良いかもしれません。
ここでは、PEPPYおすすめのベッド4つをご紹介します。
包まれているような安心感と“もちふわ”生地で、心地よい眠りを。
老犬におすすめ。体への負担を最小限に考えた高機能ベッド。
カバー洗濯もOK!通気性抜群で衛生的な睡眠環境を。
まるで高級ソファ。思わず力が抜ける最上級フィット感のスクエア型ベッド。
犬が朝早く起きる理由にはさまざまなものがあります。
飼い主さんが起きるのを楽しみにしている姿を思うとかわいらしくもありますが、その飼い主さんの大きな負担にはならないようにしたいところですね。
もしも愛犬の早起きに困ってしまったら、その理由を考え、生活環境や睡眠環境の見直しからアプローチしてみましょう。
そして、もしも飼い主さんが愛犬よりも早起きした日には、ぐっすり眠っているかわいい姿をぜひ見守ってあげてください。
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監修いただいたのは…
獣医師・博士(獣医学)
増田 宏司先生
<職歴>
・2004~2006東京大学大学院 ポストドクトラルフェロー(学術研究支援員)
・2006~東京農業大学農学部 講師
・2012~東京農業大学農学部 准教授
・2015~東京農業大学農学部 教授
<学歴>
東京大学大学院 農学生命科学研究科
獣医学博士課程修了(2004)
<専門分野>
動物行動学、行動治療学
<著書>
『犬の幸せ♡私の幸せ~ワンコ先生が教える動物行動学~』恒文社(2009)
『このくらいはわかって!ワンコの言い分』さくら舎(2012)
『バイオセラピー学入門 人と生き物の新しい関係をつくる福祉農学』講談社(2012)
『犬語ブック』日本文芸社(2013)
『東日本大震災からの真の農業復興への挑戦』ぎょうせい(2014) など