【獣医師監修】老犬の床ずれへの対応方法とは?ケアの仕方から予防方法まで解説
寝たきりになったシニア犬や介護犬が注意しなければいけない、床ずれ。
重症化すると細菌感染を起こし命に関わる危険性もあるものですが、飼い主さんの工夫や心掛けで予防することができます。
こちらでは、そんな床ずれの予防法や対策グッズをご紹介します。
寝たきりになったシニア犬や介護犬が注意しなければいけない、床ずれ。
重症化すると細菌感染を起こし命に関わる危険性もあるものですが、飼い主さんの工夫や心掛けで予防することができます。
こちらでは、そんな床ずれの予防法や対策グッズをご紹介します。
床ずれとは、犬の体がマットや床と長時間接することにより血流が悪くなり、皮膚や筋肉が壊死してしまう状態を言います。同じ姿勢が続くことによる圧迫・摩擦が引き金となるため、寝ていることが多いシニア犬や、病気やケガなどによって寝たきりの状態が続く犬は特に起こりやすいでしょう。
初期症状は、皮膚が赤くなる程度ですが、進行すると皮膚が薄くなり痛みやかゆみが出ることも。さらに悪化すると皮膚に穴があき、骨や関節が露出してしまうこともあります。犬にとっては痛みもあるうえに再発もしやすい、非常にやっかいなものです。
床ずれになってしまったら、まずはできるだけ早く動物病院へ連れて行きましょう。状態によっては細菌感染の検査なども行い、適切な治療と自宅でのケア方法を獣医師からアドバイスしてもらうことが大切です。
処方された薬を使用しながら患部を清潔に保ち、乾燥を防ぐことを心がけましょう。
床ずれの予防として非常に大切なのが、体を常に清潔な状態にしておくことです。
排泄物で汚れやすいお尻まわりは毛を刈ることでケアがしやすくなり、衛生面を保つことができるでしょう。さらにしっぽを包帯で巻いておくと、より安心です。
また、蒸しタオルなどで定期的に体を拭いてあげたり、介護用品として市販されている、水のいらないシャンプーなどを使って体を洗ってあげるのも良いでしょう。
体の特定部分だけが圧迫されるのを防ぐには体圧を分散させることが大切なため、市販されている体圧分散マットを使用するのがおすすめ。また、すでに床ずれを起こしてしまっている場合でも、床ずれ部分をやさしく包み込むようなジェル素材などのマットに寝かせることによって、症状の緩和が望めます。
頬や肩・腰・足首・足首など骨が出っ張っている箇所は、特に床ずれが起こりやすい所です。そのようなところにはサポーターやタオルを巻くなどして、部分的に保護をしてあげましょう。
2~3時間に1回ほど、寝返りをさせてあげましょう。
ただし、寝ている状態のまま脚だけを引っ張って寝返りをさせるのは内臓に大きな負担がかかるため、必ず飼い主さんが一度抱き上げ、寝返りをさせてください。
~上手な寝返りの打たせ方~
①犬の背中側から片手を犬の肩下に差し入れ、ゆっくりと上体を起こす。
②もう片方の手で後ろ脚を持ち、おなか側を下に向ける方向で体を回転させる。
③そっとお尻から下ろし、反対向きに寝かせる。
床ずれによる体への負担やストレスは、飼い主さんの手によってできる限り軽減させてあげたいものですよね。
愛犬が寝ている状態で体を確認しながら、こめまなケアをしていきましょう。
ご紹介した予防法の他にも、日常的に関節をやさしく回してあげたり、マッサージで血行促進を促してあげるのもおすすめです。
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監修いただいたのは…
2018年 日本獣医生命科学大学獣医学部卒業
成城こばやし動物病院 勤務医 獣医師 高柳 かれん先生
数年前の「ペットブーム」を経て、現在ペットはブームではなく「大切な家族」として私たちに安らぎを与える存在となっています。また新型コロナウィルスにより在宅する人が増えた今、新しくペットを迎え入れている家庭も多いように思います。
その一方で臨床の場に立っていると、ペットの扱い方や育て方、病気への知識不足が目立つように思います。言葉を話せないペットたちにとって1番近くにいる「家族の問診」はとても大切で、そこから病気を防ぐことや、早期発見できることも多くあるのです。
このような動物に関する基礎知識を、できるだけ多くの方にお届けするのが私の使命だと考え、様々な活動を通じてわかりやすく実践しやすい情報をお伝えしていけたらと思っています。