【専門家監修】サークル・ケージ&ゲートで犬と飼い主さんに快適なお部屋づくり
愛犬や飼い主さんにとってストレスフリーで、思わぬ事故などからもしっかりと守ってあげられる…そんな心地良く安全な暮らしに欠かせないのが、犬用のサークルやケージ、そしてゲートです。
今回は、それぞれの特徴や上手な選び方をご紹介。ぜひ愛犬との快適なお部屋づくりにご活用ください!
愛犬や飼い主さんにとってストレスフリーで、思わぬ事故などからもしっかりと守ってあげられる…そんな心地良く安全な暮らしに欠かせないのが、犬用のサークルやケージ、そしてゲートです。
今回は、それぞれの特徴や上手な選び方をご紹介。ぜひ愛犬との快適なお部屋づくりにご活用ください!
目次
犬用のサークルやケージとは、犬の専用エリア(縄張り)を確保するために周囲を囲う柵のことを言い、その中にはトイレやベッド、クレートなどのハウスを設置し使用します。
サークルやケージにはさまざまなメリットがありますが、そんなメリットを活かすには、そこが犬にとって“安心できる”スペースであることが大前提。犬にとってストレスとならないよう、適切な広さを確保したうえで使用しましょう。
メリット①
飼い主さんが留守の間にサークルやケージで留守番ができると、誤飲や家具を荒らしてしまうなどの思わぬトラブルを防ぐことができます。
メリット②
急な来客や外から聞こえる工事音、地震の揺れなど、犬にとって驚きや恐怖を覚える突発的な出来事が起こった際に、サークルやケージの中で心を落ち着かせることができます。
メリット③
動物病院やペットホテルでの宿泊、災害時の避難先など、やむを得ずサークルやケージに入らなければならないシーンが発生するかもしれません。そんなとき日頃からサークルやケージに慣れていれば、パニックやストレスを軽減できる可能性があります。
メリット④
部屋の中を掃除したい、小さな赤ちゃんを寝かせたい、玄関を開けたい、など、飼い主さんの生活の中で「少しの時間、待っていてほしい」と思うシーンはあるでしょう。そんなときにサークルやケージが活用できるととても便利です。
メリット⑤
サークルやケージの中にハウスとトイレを設置することでトイレでの排泄機会が増え、トレーニングがスムーズに進みます。ここでのポイントは、必ずハウスの設置もするということ。
犬は寝床で排泄をする習性がないため、サークルそのものを“寝床”にしてはNGです。あくまでもサークルは犬にとっての“生活スペース”であり、その中にハウス(寝床)とトイレを作ってあげるようにしましょう。
天井部分がなく、四方が柵で囲われているタイプです。(床部分が付いているサークルもあります)天井がない分軽量なので、手軽に移動が可能。さらにジョイントでスペースを広くすることができるものもあり、お手入れもしやすく使い勝手が良いでしょう。 一方で天井がないため、ジャンプして柵を飛び越えてしまう危険性も。落下物によるトラブルもゼロではないため、設置場所には十分な配慮が必要です。
四方だけでなく、天井部分も柵で囲われているタイプです。(床部分のないケージもあります)
頭上にも柵があるため脱走や落下物によるケガなどの危険性が低く、強度も高いと言えるでしょう。一方、上から手を入れることができないため、トイレ掃除などのお手入れにおいては不便かもしれません。
愛犬に合った大きさのハウスとトイレが設置でき、多少動き回ったり、床にお腹を当てながら上昇した体温を下げることができるスペースを確保してあげることが重要です。成長に合わせてサイズ変更したい場合は、ジョイントで広さを変えることのできるタイプのサークルがおすすめです。
ケージは犬の頭が天井に当たることのない高さを。サークルはジャンプしても飛び越えることのできない高さを選びましょう。
サークルやケージの素材には、木製・プラスチック製・スチール製など様々な種類があります。噛み癖のある犬や噛む力が強い大型犬、活発に動く犬には、頑丈な素材のものがおすすめ。お手入れのしやすさや部屋の雰囲気もポイントにして選ぶと良いかもしれません。
犬用ゲートは、犬が危険な場所に出入りすることを防ぐために仕切りとして使用する柵です。サークルやケージのように囲うことなく、転落や脱走などのトラブルから守ることができる便利なアイテムです。
メリット①
部屋の前や各スペースの仕切りとして設置することで、料理中のキッチンや大切なものが置いてある部屋などへの進入を防ぐことができます。
メリット②
階段上に設置することで転落を防止することができます。また、ベランダの柵前への設置で、柵の隙間からのすり抜け事故への対策にもなります。
メリット③
窓の前や玄関前に設置することで、外へ飛び出してしまう脱走トラブルを防ぐことができます。
犬用のゲートには、ネジで固定するものや突っ張りで固定するタイプ、そのまま置くだけのタイプなど、さまざまな固定方法のものがあります。それぞれ強度や利便性が違うので、犬の力の強さや目的によって選ぶのが良いでしょう。
例えば、安全性を保ちながら常時設置の必要がある転落防止箇所には、ネジ固定など強度の高いものを。キッチン前など一時的な進入防止箇所には、置くだけのものを選ぶと良いかもしれません。
ゲートを取り付けてもジャンプして飛び越えられては意味がないため、犬の体格やジャンプ力を見ながら、飛び越えることのできない高さを選びましょう。
また、体の小さな犬は柵の隙間からすり抜けてしまう可能性もあります。高さだけではなく、柵の幅の広さも必ず確認しましょう。もちろん、設置スペースに対してサイズが適しているかも要チェックです。
ゲートは飼い主さん自身で組み立てるものが多いため、組み立てやすさも大切なポイントになります。事前に販売店で確認をしたり、ネットでの購入であれば他の飼い主さんのレビューを参考にすると良いでしょう。
噛み癖のある犬やゲートに飛びついてしまう恐れのある犬は、スチール製など耐久性の高いものが良いかもしれません。愛犬の性格や力を考慮して選びましょう。
柵で囲われているサークルやケージ。そして仕切りとして設置するゲート。
それぞれ使用目的やメリットがさまざまありますが、いずれも上手に活用すれば、犬にとっても飼い主さんにとっても快適で安全な暮らしを叶えることができる、便利なアイテムです。
ぜひ、必要なシーンごとに愛犬にフィットしたものを選んでみてください!
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監修いただいたのは…
ドッグトレーナー / 学術博士 鹿野 正顕先生
麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて、人と犬の関係、特に犬の問題行動やトレーニングの研究を行い、人と犬の関係学の分野で日本初の博士号を取得。麻布大学卒業後、人と動物の関係に関する専門家やドッグトレーナーの育成を目指し、株式会社Animal Life Solutionsを設立。犬の飼い主教育を目的としたしつけ方教室「スタディ・ドッグ・スクール」の企画・運営を行いながら、ドッグトレーナーとしても指導にも携わっている。2009年には世界的なドッグトレーナーの資格であるCPDT-KAを取得。
スタディ・ドッグ・スクール 代表 株式会社 Animal Life Solutions (ALS)代表取締役社長 日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT)理事長 理事・事業企画委員動物介在教育療法学会(ASAET) 理事 CPDT-KA(Certified Professional Dog Trainer - Knowledge Assessed)