【専門家監修】犬にとっての睡眠とは?平均的な睡眠時間や快適な寝床について
人間と同じように、犬の健康のために睡眠はとても重要です。その時間も質も、愛犬にとって最適なものであるのが理想的ですよね。いったい犬にはどのくらいの睡眠時間が必要で、心地の良い寝床はどのようなものでしょうか。
今回はそんな犬の睡眠について、詳しくご紹介します。
人間と同じように、犬の健康のために睡眠はとても重要です。その時間も質も、愛犬にとって最適なものであるのが理想的ですよね。いったい犬にはどのくらいの睡眠時間が必要で、心地の良い寝床はどのようなものでしょうか。
今回はそんな犬の睡眠について、詳しくご紹介します。
犬の一日の平均睡眠時間は12~15時間といわれています。ただし、犬は外敵を警戒しながら“浅く短く”眠る習性があるため、人間のように連続して眠り続けるわけではなく、一日のうちに数回に分けトータルでこのくらいの時間眠っています。
また、睡眠時間は年齢や活動量・犬種などによっても変わってきます。
生後2週目くらいまでの子犬は、母乳を飲む時間以外はほぼ一日中眠っています。
その後もう少し活発に動く時期になっても、子犬のうちは眠っている時間が多いでしょう。成犬に近づくにつれて活動時間も増えますが、この時期の睡眠は脳や体の発達には非常に重要なため、たっぷりの睡眠時間が必要です。
成犬の平均睡眠時間は、12~15時間と言われています。健康な成犬が良質な睡眠をとるには、しっかりと運動することやストレスのない生活がとても大切。散歩などで十分に体を動かし、愛犬がぐっすりと眠れる生活づくりを意識しましょう。
シニア犬は体力が落ちるため、成犬よりも睡眠時間が長くなります。
ゆっくりと体を休めることは大切ですが、健康維持のためには体を動かすことも必要なため、無理のない範囲で散歩や運動も心がけましょう。
愛犬が良質な睡眠をとるためには、快適な寝床を提供してあげることが大切です。
犬は、自分の体がちょうど収まるほどのスペースを好みます。ベッドやクレートを用意するときは広すぎず狭すぎず、体のサイズにフィットしたものを選ぶようにしましょう。成長に合わせた見直しも忘れずに。
犬は明るい場所では落ち着いて眠ることができません。例えば周囲が囲まれたドーム型のベッドを使用してみたり、家の中でも照明が落とせるような場所にベッドを設置するなど、犬が眠る際には暗めの環境をつくることを心がけましょう。
ケージやサークルを利用する際は、上にタオルをかけてあげると落ち着いて眠ることができます。
家族の行き来が激しい通路や、テレビのすぐ横などは犬の寝床には向いていません。ゆっくりと安心して眠れるよう、寝床はできるだけ静かな場所に設置しましょう。
また、窓に近い場所も外の音が聞こえやすいため、なるべく窓から離れた家の中心に近い場所に寝床を設置してあげましょう。
寝床は犬にとって大切な“縄張り”となるため、たとえ飼い主さんであっても、その縄張りを侵すようなことはしないように気をつけましょう。寝床の位置をコロコロと変えたり、睡眠中も頭をなでるようなことはせずに、そっと見守ってあげることが大切です。
犬は寝床では排泄をしない習性があるため、快適な空間づくりのためにも寝床とトイレは離して設置します。
さらに、食事のスペースも犬にとっては大切な縄張りです。寝床・トイレ・食事スペースの3点がしっかりと確立したものとして認識できるように工夫しましょう。
人間と同じように、清潔な寝具は快適な眠りには欠かすことはできません。
また、しっかりと衛生面を守ることによってノミやダニの寄生予防にもつながります。
⇒PEPPYおすすめの犬用ベッドはこちら
犬は、生活環境の変化が睡眠時間にも影響を及ぼすことがあります。
それまでよりも長く眠る日が続いたときは、愛犬にとって何か変化がなかったかを思い返してみましょう。また、散歩の回数や距離が増えると以前よりも体力を消耗するため、睡眠時間が長くなることもあります。
必要な栄養が摂取できていない場合、エネルギー不足で睡眠時間が長くなることがあります。日頃の食生活で思い当たることがある場合は、獣医師に相談し食事面の改善を図るようにしましょう。
関節など体のどこかに痛みが生じていると、立ち上がることを避け眠る時間が長くなることがあります。起き上がったときの歩き方や姿勢・食欲などをよく観察し、気になる場合は動物病院で受診しましょう。
よく眠るうえに元気がなかったり食欲低下がみられる場合は、何かの病気のサインかもしれません。できるだけ早く動物病院で受診しましょう。
基本的に睡眠時間の長い犬ですが、年齢や運動量によっても違いが生じます。
愛犬の日頃の睡眠パターンをしっかりと把握することで、体調の異変などにも気がつきやすくなるでしょう。
快適な寝床づくりも忘れずに、毎日の良質な睡眠環境を提供してあげましょう。
犬注目記事
子犬を迎えたなら知っておきたい「子犬に多い病気、気をつけたい症状」
背骨の骨同士の間にある椎間板が変性・変形することで神経症状を引き起こす「椎間板ヘルニア」を知る
膝の骨がずれて跛行する関節疾患「膝蓋骨脱臼」を知る
脳神経細胞の一時的障害によって発作が起こる「てんかん」を知る
猫注目記事
子猫を迎えたなら知っておきたい「子猫に多い病気、気をつけたい症状」
猫の皮膚病、それ放っておいても大丈夫?
毛布をはむはむ、ちゅぱちゅぱ… 猫の“ウール・サッキング”とは?
「ウンチ」は“臭い”“汚い”だけじゃない、猫の健康を知るバロメーターなのだ!
監修いただいたのは…
ドッグトレーナー / 学術博士 鹿野 正顕先生
麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて、人と犬の関係、特に犬の問題行動やトレーニングの研究を行い、人と犬の関係学の分野で日本初の博士号を取得。麻布大学卒業後、人と動物の関係に関する専門家やドッグトレーナーの育成を目指し、株式会社Animal Life Solutionsを設立。犬の飼い主教育を目的としたしつけ方教室「スタディ・ドッグ・スクール」の企画・運営を行いながら、ドッグトレーナーとしても指導にも携わっている。2009年には世界的なドッグトレーナーの資格であるCPDT-KAを取得。
スタディ・ドッグ・スクール 代表 株式会社 Animal Life Solutions (ALS)代表取締役社長 日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT)理事長 理事・事業企画委員動物介在教育療法学会(ASAET) 理事 CPDT-KA(Certified Professional Dog Trainer - Knowledge Assessed)