【専門家監修】猫の平均寿命は?室内で飼う場合の特徴や長生きするためにできることを紹介
「人間で言うと〇歳」といった表現をよく耳にするように、猫は人間よりも成長スピードが早い動物。つまり、それだけ早く年も老いていくものです。
愛猫が健康な体で長生きするためには、どのような心がけが大切なのでしょうか。飼い主さんの”今できること”として、ぜひご参考ください。
「人間で言うと〇歳」といった表現をよく耳にするように、猫は人間よりも成長スピードが早い動物。つまり、それだけ早く年も老いていくものです。
愛猫が健康な体で長生きするためには、どのような心がけが大切なのでしょうか。飼い主さんの”今できること”として、ぜひご参考ください。
「令和4年 全国犬猫飼育実態調査(※)」では、2022年時点での猫の平均寿命は15.62歳。さらに室内外の飼育環境で分けると、完全室内飼いの猫が16.02歳で、外に出ることのある猫が14.24歳であると報告されています。
これは、外に出ることで感染症にかかったり、交通事故などで命を落としてしまう可能性が高くなることから生まれている差であると考えられるでしょう。
※一般社団法人 ペットフード協会が調査・発表。
⇒「令和4年 全国犬猫飼育実態調査 主要指標サマリー」
2012年の猫の平均寿命は14.45歳でした。前述のとおり2022年時点での平均寿命が15.62歳なので、この10年で1.17歳もアップしていることがわかります。
外に出る猫は一定数いるものの室内で飼われる猫が大多数を占める今、このような飼育環境の変化に加え、ペット医療の普及や良質なフードの開発も手伝って、猫全体の平均寿命は伸びているようです。
猫の成長は、生後1年で人間の20年と同じくらい、つまり1歳の猫は20歳の人間に相当するといわれています。そしてその後は、1年ごとに人間のおよそ4年に相当する年齢を重ねていきます。人間の感覚では「まだまだ若くて元気!」と感じる年齢でも、その感覚以上に成長は早く、それだけ老化も進んでいくということですね。
愛猫が1日でも長く健康で過ごせるために、飼い主さんにはどのようなことができるでしょうか。
万一の病気の際に大切なのは早期発見・早期治療。
そのためには、何と言っても定期検診の受診が重要になります。また、動物病院で定期的に診察を受けることで、獣医師から食事や運動など健康上のアドバイスを受けることができるため、健康管理にも大いにつながります。
シニアになると多くの猫が発症するのが腎臓病です。腎臓病は目立った初期症状が見られないため早期発見が難しいとされていますが、そんな中でも飼い主さんが早く気が付いてあげられるのが尿の異常。腎臓病にかかると色の薄いおしっこを大量にするため、日頃からおしっこの色や排泄頻度などを確認するようにしましょう。
もう1つ、腎臓病の予防に欠かせないのが十分な水分摂取。しっかりと水分が摂取できていればおしっことともに老廃物が排出されますが、水分不足によっておしっこが出ず腎臓に老廃物がたまると、腎臓病のリスクも上がります。
そのため、いつでも新鮮な水を十分に飲めるような環境づくりが大切です。
人間と同じように、猫も毎日口にする食べ物で体は作られていきます。
おやつに偏ることなく栄養バランスの取れた食事をとることや、飼い主さんの食事やお菓子を与えないようにするなど、若いうちから食事内容には十分注意しましょう。
「肥満は万病のもと」とも言われるほど、肥満は心臓病や糖尿病などさまざまな病気の引き金となります。特に完全室内飼育では十分な運動をさせることが難しい中、大切なのは“太らせない”という意識。食べ過ぎや運動不足には十分注意をし、日頃から体重管理も心がけましょう。
猫の健康維持にはストレス発散がとても重要であると言われています。
室内での上下運動やおもちゃ遊びなど、猫のストレス発散につながるような環境づくりをしていきましょう。
愛猫には、病気やケガで愛猫が辛い思いをすることなく、健康に長生きしてもらえるのが一番ですよね。そんな健康寿命に対する意識を高め、日頃からできる健康管理をしっかりと積み重ねていってください!
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監修いただいたのは…
東京農業大学 農学部動物科学科 動物行動学研究室 教授 内山 秀彦先生
麻布大学 動物応用科学専攻修了(博士)
ヒトと動物の関係学会 常任理事
主な専門は「ヒトと動物の関係学」。
特にアニマルセラピーによる癒やしのメカニズムや猫と人との関係について研究している。