【専門家監修】猫の性格は毛色でわかる?毛色や品種別の性格を解説!
甘えん坊だったりクールだったり、猫にもさまざまな性格がありますが、実はその毛色の種類によって性格の傾向があるとも言われています。 そんな“毛色による性格”。毎日のコミュニケーションや、新しい子猫を迎え入れるときの上手な育て方など、愛猫との豊かな暮らしのヒントにしてみると楽しめるかもしれません。
甘えん坊だったりクールだったり、猫にもさまざまな性格がありますが、実はその毛色の種類によって性格の傾向があるとも言われています。 そんな“毛色による性格”。毎日のコミュニケーションや、新しい子猫を迎え入れるときの上手な育て方など、愛猫との豊かな暮らしのヒントにしてみると楽しめるかもしれません。
現代の猫の祖先とされるリビアヤマネコは、乾燥地帯の林の中で生存していたため、カモフラージュになる“黒と茶色の縞模様”の毛色が多数を占めていたと考えられています。
そんなリビアヤマネコが次第に人間と共存するようになり、ペットとして飼育される猫が増加することにより繁殖スピードが加速。その結果、突然変異によって生まれる猫が増え、元来の縞模様以外にも白色や黒色、三色などさまざまな毛色が誕生したと言われています。
では実際に、毛色による性格としてそれぞれどのような傾向がみられるのでしょうか。
茶色の被毛をベースに、黒色の縞模様が入っています。その色や模様が、鳥のキジに似ていることから「キジトラ」と呼ばれるようになったといいます。
祖先であるリビアヤマネコの気質を一番に受け継いでいることから、野生の猫らしい警戒心と高い運動能力を持つ傾向にあります。性格はクールなタイプが多く、気を許した人以外にベッタリと甘えるようなことはあまりないかもしれません。
シルバーグレーの被毛をベースに、黒色の縞模様が入っています。その色や模様が魚のサバに似ていることから「サバトラ」と呼ばれるようになったといいます。
キジトラの猫がルーツとも言われているサバトラですが、外敵から身を隠しやすい毛色を持つキジトラと比べ毛色が目立ちやすいため、より警戒心が強いと言われています。一方で、相手の懐に上手に入る“懐っこさ”を野生での処世術として身に付けたとも言われており、同じサバトラでも性格が極端にちがったり、二面性を持つ猫もいると考えられています。
明るいオレンジの被毛をベースに、濃い色味のオレンジや茶色の細かい縞模様が入っています。その色味が生姜に似ていることから、英語で「ジンジャーキャット」とも呼ばれています。
とても人懐っこく温厚で、家族はもちろんはじめて会う人にも甘えに行くような性格を持ちます。そのため、はじめて猫を飼う人は比較的飼いやすいことに加え、猫同士も互いに仲良くできるため、多頭飼いにも向いていると言えるでしょう。
また、茶トラの猫の8割はオスで、メスよりもオスの方がその温厚な性格が顕著であるとも言われています。
全身黒一色の被毛に覆われていますが、中にはうっすらと縞模様が入っていたり、被毛の根元が茶色やグレー掛かっている猫もいます
クールなイメージの黒猫ですが、実は人懐っこくフレンドリーな性格であると言われています。また、好奇心旺盛で観察力も高いため、おもちゃや動くもので遊ぶことをより好んだり、比較的スムーズにしつけができる傾向にあるでしょう。
全身真っ白な被毛に覆われた白猫。肉球や鼻の色はピンク色で、メラニン色素が薄いことから瞳の色はブルーやグリーン・イエローが多いのが特徴です。また、左右の目の色が異なる「オッドアイ」も白猫に多いとされています。
日本では縁起の良い「招き猫」として親しまれおおらかなイメージのある白猫ですが、白は野生の中では目立つ色であるため、実際は警戒心が強くて神経質な性格と言われています。また、クールで自立心が高い傾向にもあるため、過度にかまったりすることなく、飼い主さんとの適度な距離感を好むと言われています。
白・茶・黒の三色の毛色を持ち、日本では「三毛猫(ミケネコ)」と呼ばれ古くから親しまれていますが、海外では珍しい毛色のようです。「三毛」「トビ三毛」「シマ三毛」など、同じ三毛でも毛色の模様によって種類があり、さらに茶部分がクリーム色やオレンジ色の場合もあるなど、そのバリエーションはさまざまです。
プライドが高く気まぐれで、好き嫌いがはっきりしている性格であると言われています。オスが生まれてくる確率は3,000~3万分の1の割合と、三毛猫の大半はメスが占めているため、まさに“お姫様”のような気質と言えるでしょう。
そのマイペースな姿に“猫らしい猫”と呼ばれることも珍しくありません。
黒と茶色(赤茶色)の被毛がミックスされていて、その被毛が“錆びついている”風合いに見えることから「サビ」と呼ばれるようになったといいます。グレーや薄茶色といった、全体的に薄い色味のサビ猫もいます。
観察力が鋭く、とても賢い猫であると言われています。また、三毛と同じようにメスが多いため、警戒心や母性本能が高いのも特徴。
特段に人懐っこいタイプではありませんが、その賢さゆえに社交的な面も持ち合わせており、周囲の猫の面倒をしっかりと見てくれる愛情豊かな気質も見られます。
猫の性格は、毛色だけでなく品種によっても傾向が見られると言われています。それぞれのタイプにはどのような品種が多く見られるのでしょうか。
いかがでしたか。
ここでは、毛色や品種に見られる猫の性格の一例をご紹介しましたが、もちろん性別や飼育環境など、それぞれの猫によって性格は大きく変わります。
やさしい、クール、気まぐれ…どんなところも愛おしい愛猫の一面として、愛情たっぷりのコミュニケーションを楽しんでください!
犬注目記事
子犬を迎えたなら知っておきたい「子犬に多い病気、気をつけたい症状」
背骨の骨同士の間にある椎間板が変性・変形することで神経症状を引き起こす「椎間板ヘルニア」を知る
膝の骨がずれて跛行する関節疾患「膝蓋骨脱臼」を知る
脳神経細胞の一時的障害によって発作が起こる「てんかん」を知る
猫注目記事
子猫を迎えたなら知っておきたい「子猫に多い病気、気をつけたい症状」
猫の皮膚病、それ放っておいても大丈夫?
毛布をはむはむ、ちゅぱちゅぱ… 猫の“ウール・サッキング”とは?
「ウンチ」は“臭い”“汚い”だけじゃない、猫の健康を知るバロメーターなのだ!
監修いただいたのは…
東京農業大学 農学部動物科学科 動物行動学研究室 教授 内山 秀彦先生
麻布大学 動物応用科学専攻修了(博士)
ヒトと動物の関係学会 常任理事
主な専門は「ヒトと動物の関係学」。
特にアニマルセラピーによる癒やしのメカニズムや猫と人との関係について研究している。