【専門家監修】外での排泄が習慣になった犬でもトイレトレーニングってできる?成功の秘訣と気を付けたいポイントを解説
子犬のころはきちんとトイレで排泄ができたのに、最近はお散歩時に外でしかしなくなってしまった…。そんなお悩みを持つ飼い主さんも少なくないのではないでしょうか。家の中での排泄ができなくなってしまうと、雨の日が続いたりシニアになったときに、飼い主さんの大変な苦労にもなりかねません。
今回は、なぜ外でしか排泄をしなくなるのか、その理由や成犬になってからのトイレトレーニングについて専門家に教えてもらいます。
2.成犬のトイレトレーニング方法
散歩時にしか排泄をしない犬に家での排泄を習慣づけることは、簡単なことではありません。できるだけ外での排泄に近い環境をつくってあげながら、徐々に家の中へ移行していくことがポイントです。根気よくゆっくりとトレーニングしていきましょう。
まずはベランダや庭など外の環境に近い場所にトイレトレーを用意し、その上に土や草などを乗せ、散歩時の排泄環境を再現します。いつも散歩に行く時間になったら、出発前にそこで排泄を促しましょう。排泄時のコマンドがあれば、同時にコマンドを出してあげるとなお良いでしょう。
また、いつもの排泄環境がアスファルトで家での再現が難しい場合は、自分、もしくは他の犬の排泄物のニオイがついたトイレシートを外に広げ、そこで排泄させていきます。外でシートへの排泄ができるようになったら、シートを広げる場所をベランダや庭に移行していきましょう。
ステップ1のトレーニングができるようになったら、土や草、排泄物のニオイなどのヒントを少しずつ減らしていき、トイレトレーだけで排泄ができるようにします。
ベランダや庭などでトイレトレーだけでも排泄ができるようになったら、トレーを家の中へ移動させます。ここでも、はじめのうちは玄関や窓際などできるだけ外に近い場所に設置し、少しずつ家の中へ運んでいきましょう。
家の中での排泄に慣れてきたら、いろいろな場所に設置をして練習を重ねます。
家のどこにトイレトレーがあっても上手に排泄ができるようになったら、トレーニング成功です。
4.まとめ
決して不可能ではない成犬のトイレトレーニングですが、十分な時間をかけ、根気よく積み重ねていかなければいけません。
まずは偏った排泄習慣を身に付けないように心がけ、ご紹介した散歩時の歩き方や家での環境づくりなどで、飼い主さんが上手な排泄コントロールをしてあげてください。
監修いただいたのは…
ドッグトレーナー / 学術博士 鹿野 正顕先生
麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて、人と犬の関係、特に犬の問題行動やトレーニングの研究を行い、人と犬の関係学の分野で日本初の博士号を取得。麻布大学卒業後、人と動物の関係に関する専門家やドッグトレーナーの育成を目指し、株式会社Animal Life Solutionsを設立。犬の飼い主教育を目的としたしつけ方教室「スタディ・ドッグ・スクール」の企画・運営を行いながら、ドッグトレーナーとしても指導にも携わっている。2009年には世界的なドッグトレーナーの資格であるCPDT-KAを取得。
スタディ・ドッグ・スクール 代表 株式会社 Animal Life Solutions (ALS)代表取締役社長 日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT)理事長 理事・事業企画委員動物介在教育療法学会(ASAET) 理事 CPDT-KA(Certified Professional Dog Trainer - Knowledge Assessed)