【専門家監修】猫のトイレ回数は1日平均何回?目安の頻度や注意点について解説
腎臓病をはじめとした泌尿器疾患を発症しやすい猫にとって、排泄の頻度や量は非常に重要です。万一の病気をできるだけ早く発見するためにも、“いつもの”排泄をしっかり把握しておきたいものですね。
今回は、猫の排泄における注意点やチェックポイントをご紹介します。
腎臓病をはじめとした泌尿器疾患を発症しやすい猫にとって、排泄の頻度や量は非常に重要です。万一の病気をできるだけ早く発見するためにも、“いつもの”排泄をしっかり把握しておきたいものですね。
今回は、猫の排泄における注意点やチェックポイントをご紹介します。
猫のおしっこの平均回数は、1日に1~3回ほどです。ただし個体差や年齢によっても変わり、子猫だとそれよりも多い1日4~5回ほどが平均的な回数と言えるでしょう。
猫のうんちの平均回数はさほど多くなく、1日1回程度です。こちらも個体差はありますが、1日に1回もしないということもあるため、そういった場合もすぐに便秘や病気を疑う必要はないでしょう。
猫は腎臓病(腎不全)を発症する確率が非常に高い動物ですが、おしっこの回数がいつもより多い場合は、そのような泌尿器疾患を患っている可能性があります。
例えば腎臓病では色の薄い尿がたくさん出たり、膀胱炎では少量の排尿を頻繁に繰り返します。また、糖尿病の症状としても、頻尿があげられるでしょう。いつもよりも回数が多いと感じたときは、できるだけ早く動物病院へ連れていきましょう。
もともと1日の排便回数が多くはない猫ですが、下痢症状があるときはその回数が増えることも。下痢は消化不良だけが原因ではなく、感染症や何らかの病気が隠れている可能性もあるため、こちらも早めの受診をおすすめします。
おしっこの回数が少なくなった場合でも、元気や食欲もあれば大きな心配はいらないでしょう。ただし水分が不足している可能性はあるため、飲み水をこまめに取り換えたり、ウェットタイプのフードを加えるなど、積極的な水分補給は大切です。
また猫は、汚れているトイレでは排泄をしなかったり、ストレスが排泄に影響することも。おしっこの回数が減ったと感じたら、トイレ環境やストレスを感じていないかなども確認しましょう。
前述にもあるように、猫のうんちの回数はそれほど多くないため、丸1日うんちが出ない場合も慌てる必要はありません。しかし、例えば1日に1回のうんちがルーティンだった猫が2日経っても排泄しないときなどは、便秘になっている可能性があるため、早めに動物病院へ受診しましょう。
猫のトイレ回数を確認するためには、こまめなトイレ掃除が大切です。留守番の時間が長くこまめに掃除ができない場合は、トイレを2つ設置するのがおすすめ。猫はきれいな排泄環境でおしっこがしやすくなり、飼い主さんも排泄回数が把握しやすくなるでしょう。
排泄の回数のみならず、その量も非常に大切。特におしっこの「多尿」(おしっこの量が増える)は、腎臓病の代表的な症状とも言えるため、猫砂にできる“かたまり”の大きさを日頃からチェックしておくことが重要です。
最近では、自動で尿量を計測し、アプリと連動しながら管理ができるトイレやボードなどもあるようです。
排泄しようとしているのにスムーズに出ない様子が見られたら、何らかの病気が隠れているかもしれません。例えば尿道閉塞や、便秘が進行して起こる巨大結腸症など、重大な病気を発症している可能性も。かかる時間はもちろん、苦しそうにしていないかなど、排泄時の様子もこまめに確認しておきましょう。
何らかの病気を発症している場合、おしっこの色に変化が出やすくなります。
例えばおしっこの色が薄い場合は腎臓病、反対に濃い場合は膀胱炎が疑われ、尿石症を患うとピンク色の尿(血尿)が出ることもあります。
おしっこの色をスムーズに確認するためには、白色のトイレシートや砂を使用すると良いでしょう。
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⇒https://www.peppynet.com/cats/shop/category/lists/20012猫の排泄は、病気の早期発見にもつながる大切なバロメーターです。
異変があった際には飼い主さんがすぐに気が付いてあげられるよう、日頃から排泄リズムや排泄物のチェックを心がけておきましょう。
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監修いただいたのは…
東京農業大学 農学部動物科学科 動物行動学研究室 教授 内山 秀彦先生
麻布大学 動物応用科学専攻修了(博士)
ヒトと動物の関係学会 常任理事
主な専門は「ヒトと動物の関係学」。
特にアニマルセラピーによる癒やしのメカニズムや猫と人との関係について研究している。