【専門家監修】ドライフードのメリットとは?
おいしく食べてもらう工夫もご紹介
健康な体づくりに欠かせないのはもちろん、愛犬にとっては毎日の“おたのしみのひとつ”にもなっているドッグフード。
今ではさまざまな種類が市販されていますが、中でも手軽に、しっかりと栄養バランスの取れるドライフードは、愛犬にとっても飼い主さんにとっても頼れる存在。
ここではそんなドライフードについて、与えるメリットや食べないときの対処法などをご紹介します。
健康な体づくりに欠かせないのはもちろん、愛犬にとっては毎日の“おたのしみのひとつ”にもなっているドッグフード。
今ではさまざまな種類が市販されていますが、中でも手軽に、しっかりと栄養バランスの取れるドライフードは、愛犬にとっても飼い主さんにとっても頼れる存在。
ここではそんなドライフードについて、与えるメリットや食べないときの対処法などをご紹介します。
ドッグフードには、ドライフード、セミモイストフード、ウェットフードと、主に3つのタイプがあります。ドライフードはその中でも最も水分含量が低く、ウェットフードは75%ほど、セミモイストフードは25~35%ほどであるのに対し、ドライフードは10%程度以下。そのため腐敗や変質が起こりにくく、飼い主さんにとっては管理のしやすいフードであると言えるでしょう。
また、ドッグフードは「総合栄養食」「おやつ」「療法食」の3つの給与目的に分けられますが、ドライフードはその多くが「総合栄養食」にあたります。
多様な原料を使用し栄養バランスに優れている、かつ、年齢別・病気別などラインナップも豊富なため、愛犬の生涯にわたる健康管理には最適なフードです。
メリット①
前述にもあるように、ドライフードは水分含量が低いことから腐敗・変質がしにくく、開封後でも保存しやすいフードです。パウチや缶詰になっているウェットフードと比較すると容量も多いため、コストパフォーマンスも良いといえるでしょう。
メリット②
手づくり食やウェットフードを多く与えている場合、摂取エネルギーの計算などが難しくなることも。一方で、ドライフードはそのほとんどが「総合栄養食」であるため、これひとつで栄養バランスの取れた食事ができ、難しい栄養管理を必要としません。飼い主さんにとってはうれしいメリットですね。
メリット③
カリカリと硬さのあるドライフードは、噛むことであごの筋肉強化につながります。
また、咀嚼力の維持や丈夫な歯・歯茎を保つことにも役立つとされています。
メリット④
ドライフードは水分含量が少ないため、ウェットフードと比べると歯への付着が少ないのも特徴です。そのため歯石にもなりづらく、歯周病予防にもつながります。
メリット⑤
小分けにもしやすいドライフードは、持ち運びにとても便利。
食べ残しの片付けや余った分の管理もしやすいので、散歩時やトレーニング中はもちろん、車中や旅先などでも手軽に与えることができます。
デメリット①
水分含量が少ないドライフードは、食事だけでは十分な水分を摂取することができません。体内が水分不足にならないよう、食事以外でもしっかりと水分補給をすることが大切です。
デメリット②
あごの筋力が低下したシニア犬や、歯周病などによって歯が抜けてしまった犬などにとっては、硬さのあるドライフードは食べづらいことも。その場合はお湯でふやかしたり、一粒のサイズが小さいものを与えたりといった工夫が必要です。
デメリット③
ドライフードはウェットフードと比べると総合的な栄養価が高いため、少ない量で1日に必要なエネルギーをカバーすることができます。そのため犬にとっては満腹感を得られない傾向にあり、求められるがままに与えることで、カロリーオーバーを招いてしまうこともあります。
ドライフードに限らず、犬がフードを食べない理由には、体調不良やストレス、フードが合っていない、その日の気分などさまざまなものが挙げられます。大切なのは、しっかりと愛犬を観察しながらその理由を正しく見極めること。
そして、その理由に適した対処法を選ぶことです。
例えば、元気がなかったり下痢や嘔吐を伴っている場合は、できるだけ早く動物病院で受診を。環境の変化などストレス要因が思い当たる場合は、そのストレスを解消できるような心のケアが大切です。
また、その日の気分やわがままなどで食べない場合は、「おいしそう!」と興味を引くような工夫をしてみるのも良いでしょう。
ここでは、よりおいしくドライフードを食べてもらうためにできる工夫をご紹介します。
ドライフードはお湯でふやかすことで香りが立つため、食欲を刺激することができます。また、一粒一粒が柔らかくなることで、硬いままだと食べづらいシニア犬なども食べやすくなるでしょう。
肉や魚、野菜、豆腐など、愛犬の好みのものをトッピングしてみるのも良いでしょう。昨今では市販のトッピングもバリエーション豊かで、ふりかけやチーズ、オイルなど、さまざまな種類から愛犬のお気に入りを探すことができます。
ただしトッピングをする際は、その量に注意が必要です。
カロリーオーバーや摂取栄養素の偏りを防ぐためにも、トッピング量は1日の必要エネルギーの10~15%程度を目安に。頻度なども含め、かかりつけの獣医師と相談しながら調整することをおすすめします。
その日の気分や、同じフードの味に飽きてしまっている場合などは、いつもと違うドライフードを与えてみると食いつきが良くなることもあります。
その他にも、ときにはウェットフードをミックスしてみるなど、いろいろな食事のパターンを試しながらローテーションしてみるのも良いでしょう。
愛犬の健康を力強くサポートしてくれるドライフード。
さまざまなメリットを得ながら、よりおいしく食べてもらえたらうれしいですね。
ご紹介したさまざまな工夫も、ぜひ参考にしてみてください!
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監修いただいたのは…
日本獣医生命科学大学 名誉教授
一般社団法人 日本ペット栄養学会 会長
日本内分泌研究会会長
獣医師 左向 敏紀先生
<経歴>
日本獣医畜産大学(現:日本獣医生命科学大学)
卒業後大学に残り、馬、牛,小動物の消化器・内分泌・代謝性疾患の研究を行う。
1990年小動物栄養学に関する研修のためにアメリカオハイオ州立大学に留学。
2006年より日本獣医生命科学大学 ・獣医保健看護学科で動物看護師の教育に当たる。
<教育>
獣医内科学、獣医内分泌学、動物栄養学、動物臨床看護学など
<研究>
動物の代謝・内分泌学、栄養学