健康・しつけ・くらし記事 獣医師さんのアドバイス

元気の素は毎日の食事から!

「肥満」を防ぐ生活習慣


ココをチェック!フードのパッケージには大切な情報がいっぱいです。5つのポイントをしっかり確認しましょう。

愛犬の食事管理をきちんとしていますか?ついついおやつを与えすぎて、太らせていないでしょうか?
肥満は、健康を損なう一番の大敵!食欲増進の季節、愛犬を太らせない生活習慣を身につけましょう。

ココをチェック!フードのパッケージには大切な情報がいっぱいです。5つのポイントをしっかり確認しましょう。

①愛犬に必要なカロリー以上は与えない

さて、まず最初に、愛犬の毎日の食生活を振り返ってみましょう。あなたはフードをきちんと量って与えていますか?
おやつを与えたら、その分、フードを減らしているでしょうか?
太る原因は簡単で、摂取カロリーが消費カロリーを上回っているから。
つまり、飼い主さんが愛犬の喜ぶ顔をみたさに、おやつを与えすぎたり、フードの上にたっぷりトッピングをしすぎることが、愛犬を肥満させる一番の原因といえるでしょう。
その管理こそが、肥満予防の一歩です。

ポイント1 年齢に最適な栄養バランスのものを

●愛犬の一日の必要摂取カロリーってどのくらい?
そこで、カロリー管理の意識をもつために、愛犬が一日に必要とする摂取カロリーがどのぐらいか、次の計算式を使って、電卓で算出してみましょう。
この数値を超えないように、フードやおやつの給与量を調整していけば、肥満は防げるはずです。
※計算式で算出されてた数値はあくまで目安ですので、愛犬の体重の増減を見ながら、調整してください。

犬画像

カロリー表

●おやつやトッピングは「別腹」ではありません。
最もカロリー管理をしやすいのは、必要摂取カロリー分をすべてフードで与える方法です。一日の給与分のフードを取り分けておき、おやつもそこから与えるようにすれば、面倒なカロリー計算もいりません。 「それでは味気ない」という方は、栄養バランスを崩さないためにも、おやつやトッピングは、一日の必要摂取カロリーの1~2割までに抑えるようにしましょう。そして、与えたカロリー分、フードの給与量を減らしてください。 いつも与えているおやつやトッピング食材のカロリーを調べ、フードに換算するとどれぐらいの量になるか把握しておくと、便利ですね。

●愛犬の満足度を保つために、おやつの与え方に工夫を
おやつの量が減って愛犬が不満そうであれば、与え方に工夫を。数回は減らさず、おやつを小さく切って一回当たりの量を少なくして対応しましょう。犬はほとんど噛まずに飲み込む習性があるので、おやつの大小はそれほど満足感に影響を与えません。

犬画像

ポイント2 愛犬は小食派?大食漢?

次に考えたいのが、食事回数。一般的には、位置日1~2回が多いのではないでしょうか。愛犬の健康状態に問題がなければ、それでもかまいませんが、肥満予防の観点からは、食事回数を3~4回に増やして、小分けにして与えるほうが効果的です。

●空腹時間が長いと吸収率がアップ
人でもドカ食いは肥満のもとですが、犬も同じ。食事の間隔があいて空腹時間が長くなると、体が飢餓状態と判断して吸収率が高まり、食べたものが体脂肪として蓄積されやすくなるのです。また、食事を摂ること自体で消費されるエネルギーもあります。つまり食事回数を増やすと、エネルギー消費の機会も増加するわけです。
さらに胃が空っぽの状態が続くと、犬が胃液や胆汁を吐く原因にもなります。

フード小分け画像

ポイント3 太りにくい体づくりに、お散歩は欠かせません。

「小型犬にはお散歩は必要ない」と思っている飼い主さんも多いのですが、小型犬であっても、心身の健康のために、毎日のお散歩は欠かせません。
運動による消費カロリー自体はごくわずかですから、直接的な肥満解消の効果は期待できません。しかし、適度な運動で筋肉をつけることで、基礎代謝がアップし、太りにくい体をつくってくれるのです。

●基礎代謝の4割が筋肉で消費
基礎代謝とは、呼吸をする、心臓を動かす、体温を保つなど、生きていくのに最低限必要なカロリーのことで、じっとしていても消費されていきます。実は一日の消費カロリーの約7割は基礎代謝で占められ、基礎代謝の4割は筋肉で消費されています。筋肉をつけることが、肥満予防にとても有効なことがわかりますよね。

●肥満犬に激しい運動は厳禁
ただし、すでに肥満してしまっている愛犬に、激しい運動をさせることは厳禁。心臓や関節に負担がかかり、健康を損なう原因になりかねません。その場合には、まず食事管理で体重を落とすことから始めましょう。
犬お散歩イラスト

ボティイ・チェックと体重測定の習慣を

愛犬を肥満にさせないためには、飼い主さんが、愛犬の体重と体型に関心を払うこと。日頃から、左記のような観点でボディ・チェックする習慣をつけましょう。 また定期的に体重測定※を行い、太りすぎの兆しが見たれたら、食生活の見直しをしてください。いったん肥満になると元に戻すのは大変。早めの対策が大切です。 ※1歳(大型犬は1歳半)時の体重が適正体重といわれています。適正体重を15%以上オーバーすると危険信号です。適正体重がわからない場合は、獣医師に相談を。
ポイント3 愛犬は小食派?大食漢?