わんちゃんを飼っている方に多い悩みの一つが、引っ張りグセ。上手に歩けないと楽しいはずの散歩も苦痛になってしまいます。引っ張りグセのタイプ別に、適した首輪&リードの選び方や使い方をドッグトレーニングインストラクターの中塚圭子先生に指導していただきました。
犬が引っ張ると飼い主もつい引っ張り返してしまいます。これを繰り返していては、いつまでも引っ張りグセが直らないばかりか、犬の首を締め付けて良くありません。常に犬と飼い主の距離を一定に保つために、リードを固定するように心がけましょう。それにはまず、リードの固定から。リードの先端の輪を親指にひっかけたあと、たたむようにして長さを調整し、手をつかんで持ちます。そのすぐ下にもう片方の手を添え、ゴルフのグリップを握る要領でげんこつを2つ重ねた形に。これでリードのふらつきはありません。
次に歩く姿勢にも注意。胸を張って両脇を締め、リードを握りしめた両手をおへその前で固定します。こうするとよりしっかりと固定できます。
小型犬の場合、力がそれほど強くないので片手で持つことがあります。そんな時には、リードを持ったまま親指をベルトやポケットに引っ掛けます。こうすることでリードの長さがしっかり固定されます。
歩いていて犬が引っ張ったら、引っ張り返すのではなく、その場で立ち止まるようにします。リードをおへその前で固定したまま、後ろ足に体重をかけてストップ。引っ張りそうになったら、できるだけ先に止まるようにするのがベターです。そのためにいつでも踏ん張ることができるように心の準備をしておきましょう。犬が引っ張るのをあきらめて、リードにたるみができたら再び歩き出します。引っ張ったら止まる、たるみできたら歩く、これを根気よく繰り返すうちに、飼い主の歩調に合わせて歩けるようになります。
飼い主より前に行かせないワザがこれ。リードを背中側にまわしておへその前で固定します。この状態で歩くと、ちょうど飼い主の足がリードを止めることになり、犬を先へ行かせません。リードをまわす位置は高くなり過ぎず、犬の体高と同じぐらいがベストです。
ゴールデンのソレイユちゃんはやんちゃ盛りの7ヶ月。お散歩のときは元気さあまってリードをグイグイ引っ張りながら歩きます。引っ張ったら止まろうとしても、力が強すぎて立ち止まれない状態。おかげで家族みんが腰を痛めてしまったほどです。大型犬にはよくあるケースです。
お散歩中にいきなり突進することがあるラスクくん。その理由は、道に落ちているものを見つけて興味を持ったり、早くおしっこしたいからのようです。いつも突然なのでうまくコントロールできず、事故に遭うのではと心配になります。
シェルティのベッカムくんは、お散歩中に気をとられると、ついよそ見をしたり後戻りしがち。前に引っ張るなら立ち止まることができても、後ろに引っ張られたらどうしたらいいのか。それに頭の小さい犬の場合、犬が後ろに引っ張ると、首輪がすっぽり抜けてしまうことがあります。そうなったら一大事。
チワワの豪輝くん。ふだんは抱っこされることが多いから、お散歩のときでも気分が乗らないと歩きたがらないのが悩みのタネ。その場に座りこんで、抱っこしてもらうまで動きません。引っ張ったら止まるのがコツといわれても、歩かないのだからお手上げです。