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動物愛護管理法って知っていますか?

動物愛護とその正しい飼い方について定められた『動物の愛護及び管理に関する法律』は平成12年12月1日から施行されている法律です。

それ以前には動物愛護に関する法律が未整備で、各方面からの働きかけによってようやく制定されました。平成17年には、動物取扱主任者の配置義務づけや罰則強化などを盛り込んで、さらに改正する方針も固まっています。法律の内容について環境省自然環境局作成のパンフレットからご紹介しましょう。

1.動物愛護管理の基本原則

すべての人が、命ある動物をみだりに虐待することのないようにするだけでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、適正に取扱うようにしなければなりません。

2.動物の飼い主の責務

動物の飼い主等は、動物の所有者としての責任を十分に自覚し、正しく飼うことによって動物の健康を守り、また人に危害を加えたり、迷惑等をかけないように努めなければいけません。さらに、動物による感染症について正しい知識を持ち、名札や標識等を付けて動物の所有者を明らかにするよう努めなければいけません。

3.動物の取扱業者は届出が必要

動物取扱業(動物の販売、保管、貸出し、訓練、展示業等)には、都道府県知事等への届出が義務付けられています。都道府県知事等は、動物取扱業の施設や動物の取扱い方法等に問題がある場合には、改善をするよう勧告・命令することができ、また必要な場合には立ち入り検査等を行います。

4.周辺の生活環境保全に関わる措置

都道府県知事等は、多数の動物を飼うことにより、周辺の生活環境が損なわれている場合には、その者に対し、必要な措置をとるよう勧告・命令ができます。

5.動物愛護推進員及び協議会


都道府県等は、行政と協力して地域における動物の愛護と適正な飼養の推進を図るために、動物愛護に熱意と識見を有する者を動物愛護推進員に委嘱することができます。また、都道府県等、獣医師の団体、動物愛護団体等は動物愛護推進員の活動の支援等を行うための協議会を組織することができます。

6.罰則

みだりに愛護動物を殺傷した者には、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金、みだりに愛護動物を虐待、または遺棄した者は、30万円以下の罰金等、罰則があります。愛護動物とは、牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、ねこ、いえうさぎ、鶏、いえばと、あひる、その他人が飼っている哺乳類、鳥類、そして爬虫類も含まれます。


法に基づき、次のように飼いましょう

法律に基づき、『家庭動物等の飼養及び保管に関する基準』も定められています。その中から、基本的心構え、飼い主の責任、犬の飼い方、猫の飼い方を抜粋してご紹介します。

 
基本的心構え

動物は命あるもの。家庭動物等の習性をよく理解し、愛情をもって扱い、一生面倒を見ましょう。また、飼育する動物が人に危害を加えたり近隣に迷惑をかけることがないように責任をもって飼いましょう。

飼い主の責任
  • 1名札や脚環、マイクロチップなどを装着し、飼い主がだれであるかわかるようにしましょう。
  • 2家庭動物の数が増え過ぎて、近隣に迷惑をかけないようにしましょう。責任を持って飼えない場合、不妊・去勢手術などの繁殖制限をしましょう。
  • 3人と動物の共通感染症について正しい知識をもち、感染防止に努めましょう。
  • 4飼い主は、必要な運動、給餌、給水、病気やけがの防止によって、動物の健康や安全を守りましょう。
  • 5飼い主は、動物のふん尿、その他の汚物を適切に処理して、清潔を保ち、周辺の生活環境の保全に努めましょう。
  • 6飼育する施設は常に点検し、逸走防止に努め、万が一、逸走した場合には、飼い主の責任において速やかに探しましょう。
  • 7災害時に対応できるよう、移動手段を事前に確認するほか、非常食の準備等、避難に必要な整備をしておきましょう。
犬の飼い方
  • 1柵等で囲まれた飼い主の敷地内、室内、または人の生命や財産などに危害を加えず、人に迷惑を及ぼすことのない場所以外では、犬を放し飼いにしないようにしましょう。
  • 2犬をつなぐ場合、つないでいる犬の行動範囲が道路に接しないように注意しましょう。
  • 3飼い犬による危害や迷惑防止のため、適切なしつけや訓練をしましょう。
  • 4屋外で運動させる場合、原則としてリードをつけ、犬を制御できる者が行いましょう。
  • 5子犬を譲渡する場合には授乳期を避け、社会化期を経た後に譲渡するように努めましょう。
猫の飼い方
  • 1周辺の環境に応じた適切な飼い方で、近隣に迷惑を及ぼさないようにしましょう。
  • 2感染症の防止、交通事故など不慮の事故の防止のためにも、室内で飼うように努めましょう。
  • 3室内で飼えない場合には、不妊・去勢手術などの繁殖制限などを行いましょう。
  • 4子猫を譲渡する場合、授乳期を避け、社会化期を経た後に譲渡するように努めましょう。

※社会化…社会集団のメンバーとして適当な行動ができるようになること。
社会化期は犬で3週齢~12週齢、猫で3週齢~9週齢といわれる。

 

 こうした法律は決して飼い主を締めつけるためのものではありません。むしろ、法律が整備されることは、愛犬や愛猫たちの存在が社会の中で認められていくことにつながります。

新しい法律だけに、ペットをとりまく現状に適応させるため、改正なども検討されています。たとえば、人に危害を加える怖れのあるワニや毒ヘビなどにマイクロチップの装着を義務化すること、動物関連の輸入や美容、インターネット販売についても都道府県等への届け出が必要となること、などが平成17年の改正法に盛り込まれる予定です。

人間と動物が社会の中で共生するためには、法律が整備されると同時に、飼い主がルールを守り、責任を持って飼うという意識が大切になります。ペピイ読者の方々は、すでに高い意識をもって動物たちと接しておられることと思いますが、いっそう広く、世の中に浸透していくことを願っています。