第一回目の今回は獣医さんとの付き合い方ということで、実際に皆さんが獣医さんを訪れた時にどうしたら良いのかをアドバイスします。
私たち人間は体に異常を覚えたとき、病院に行ってお医者さんに自覚しているその症状を訴えます。
お医者さんは患者本人の自覚症状の訴えを聞くことからその程度を判断し、診察・治療方法などを決めていくのです。これは動物の場合でも同様です。
獣医さんは動物病院に連れてこられた動物を診察するとき、その動物の状態をいろいろ聞いて、診断の助けにします。しかし、動物から直接、自覚症状を聞くことはできません。そこで、飼い主さんから、必要な情報を聞き出すことになります。ですから、飼い主さんがどのように愛犬・愛猫の状態を伝えるかが重要になってくるのです。
例えば病気予防のワクチン接種をしているのかどうか、接種済みならいつ接種したか、といったことも重要な情報です。
かかりつけの病院であれば、ワクチン接種に関するデータは保管されていますが、何らかの理由で初めての病院で診察を受けるときは、ワクチンの種類や接種の月日などをあらかじめ調べておきましょう。(通常、ワクチンの接種などを受けると、その病院から証明書を発行してくれますので、大切に保管しておきましょう)
では実際にあなたの愛犬・愛猫に下痢が続いているとした場合、どのように伝えたら良いのでしょうか。以下に例を掲載してみます。
「2日前から、下痢が続いています。いつものように夕方散歩に行った時、下痢に気付きました。その日の朝まではいつもと同じフードをちゃんと食べていましたし、朝の便も普段と変わりませんでした。でも、その晩からは食欲もありません。それまで特に変なところは気付きませんでしたが・・・」
というように、「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように(5W1H)」を踏まえてできるだけ詳しく話をしてください。
動物の病気に関係があると思われることは、どんなことでも獣医さんに話しましょう。
その時には、動物の異変に気付いてから、動物病院へ連れていくまでに起こったことを、できるだけ時間的に順を追って伝えてください。症状の変化や起こったことを時系列に従って整理することで、飼い主さん自身が冷静になり、いろいろなことを客観的に思い出すことができます。
また、環境の変化が病気の原因になることもあります。
たとえば、犬の場合、いつも一緒に遊んでいた子どもが合宿に行って家を長期間留守にしてしまったり、来客があって興奮したことが原因で、体調を崩すこともあります。
些細なことも見落とさずに、気付いたことは何でも話してください。