できるだけ具体的に症状を伝えるようにしましょう。
それには、飼い主さんが常日頃から意識して観察しておく必要があります。
たとえば、症状を一口に「下痢」といってしまいがちですが、「形はあるが軟らかい」「形はなくて液体状」「血液が混ざっている」など、便の状態もさまざまです。
動物の状態をよく観察して、具体的に情報を伝えてください。下痢や嘔吐の場合、できればその便や嘔吐物を病院に持っていくとよいでしよう。
例えば犬が鶏の唐揚げを欲しがるので、通常の食事のほかに与えたとします。その結果翌日、犬は下痢を起こしました。
飼い主さんは「昨日の唐揚げが原因ではないかしら」と思うのですが、よけいなものを与えてしまったという罪悪感から、そのことを獣医さんに伝えないことがあります。
しかし、大切なのは、下痢の原因を見つけて、それを治すことですから、診断の助けになる可能性のある情報は必ず伝えるようにして下さい。
また、犬が血尿を出し、貧血症状もみられたとします。
血液細胞を調べると、タマネギ中毒の特徴が認められます。しかし、飼い主さんの話からは、犬がタマネギ類を食べたという情報は得られません。そうなると、獣医さんは、タマネギ中毒以外の原因を探さなければならなくなります。
共に暮らす動物は、家族と同じなのです。
飼い主さんは、共に碁らしている愛犬・愛猫が健康で長く生きてほしいと願います。
この願いを少しでも現実のものにするには、一緒に暮らす前から、動物の病気について、最低限の基礎的な知識は持っておくようにしましよう。
かかりやすい病気は?どんな伝染病があるのか?その予防法は?などですが、これらについては動物病院でも資料が用意されていますし、このペピイでも毎号紹介していきます。ぜひ参考にして下さい。
基礎知識があれば、動物の異常に早く気付くことも可能になり、適切な対応が行えます。
動物たちへの正しい知識と理解、それが愛犬・愛猫たちと長く一緒に暮らしていくことにつながるのです。
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