ウサギに口の中で溶けやすいクッキーなどの柔らかい食べ物を多く与えることは、歯の摩耗のバランスが崩れるきっかけになるほか、糖分の含まれている製品では、歯の健康を損なう不必要な糖の過剰摂取ともなります。中には、先天的(生まれつき)に顎のかみ合わせのずれや変形を持っていたり、様々な理由で骨折や歯折などをきっかけとして咬み合わせを悪くしたりすることもあります。
ウサギの歯の咬合(咬み合わせ)が悪くなると、歯が不必要に伸びすぎることがあります。下顎の切歯は鼻の下から前に飛び出して、いわゆる「ウサギの歯の伸びすぎ」と言われる病状を示して来院されます。
上顎の切歯については、内側に向かって丸く回転して口の中で歯茎などに刺さることもあります。こうなると、ウサギは食餌を摂ることが出来なくなり、一見食欲不振と間違えられることがあります。また、臼歯(奥歯)の咬み合わせが悪くなると、変形した歯が頬や舌を傷つけて口内炎を引き起こして、痛みから食事がとれなくなる理由になることもあります。
程度にもよりますが、変形してしまった歯を治療するのは容易なことではありません。変形してからでは、必ずしも食事だけで歯が治る訳ではありませんので、幼い頃から健全な食生活に留意してあげましょう。
このほか、ウサギの食欲不振にはたくさんの理由がありますので、様子がおかしいときは早めに獣医師に相談してください。 |