秋から冬へと気温が下がるにつれて、膀胱や尿道などに石ができ、おしっこに血液が混じったり、おしっこが出にくくなったりする尿石症という病気が増えてきます。これは、寒くなって運動量が減ったり、水を飲む量が減ることにより起こりやすくなるもので、猫では特に腎臓病に次いで多く見られます。犬では膀胱炎などの感染に伴って尿石ができることがあります。
尿石症のおもな原因として次のようなものが考えられています。
●尿石症の原因 特に犬は、膀胱炎などの感染により尿pHがアルカリ性になったり、尿石のもととなるアンモニウムが増加する。 過剰なミネラルなどにより、尿中にリン酸やアンモニウム、マグネシウムなどが多量に排泄される。 尿のpHが酸性・アルカリ性のどちらかに偏っていると特定の尿石ができやすくなる。 水を飲む量が少なかったり、トイレに行く回数が少ないと尿が濃縮して尿結晶ができやすくなる。 |
●結晶から尿石ができるまで |
動物病院では、まず尿検査やレントゲン検査、超音波検査で、尿石の大きさや数、種類(犬、猫ともにストルバイト尿石とシュウ酸カルシウム尿石が多くみられます)を調べ、それとともに尿路の炎症や損傷の程度を判断して尿石症の診断を行います。
犬・猫で最も多くみられるストルバイト尿石自体は、動物病院で処方される特別療法食を与え続けることで溶かすことが可能です。この特別療法食はマグネシウムとリンが制限されていて、尿を酸性化することでスキルバイト尿石の溶解を可能にします。ただし、尿路の損傷の程度に応じて手術を行ったり、炎症や感染がある場合は、薬を飲む必要があります。
シュウ酸カルシウム尿石の場合は、残念ながら食事によって溶かすことができないために、外科的に取り除くこととなります。
犬の尿石症では感染症のコントロールと食事管理が重要です。猫では食事管理と水分摂取の増加が再発防止に欠かせません。再び尿石症にかからないためには、次のことに注意しましょう。
マグネシウムやカルシウムなどのミネラルを適切に調整し尿pHのバランスが最適となっている食事を与えましょう。 | |
水分の摂取量が少ないと尿の量が少なくなり、尿が濃縮されて結晶ができやすくなります。ドライフードを缶詰フードに切り替えたり、いつでも新鮮な水が飲める環境に整えましょう。 |
特に猫はきれいなトイレを好みます。汚れていると排尿を我慢することがあるために、尿石が作られやすくなります。また、トイレは利用しやすい場所に設置してあげましょう。 |
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