ワクチンの普及や飼い主さんの健康への意識の向上、良質なペットフードの給与などのさまざまな理由から、犬や猫の寿命は延びてきています。しかし、生物である以上、体の老化は避けられません。最近、高齢化に伴うさまざまな疾病の原因として注目されているのが活性酸素です。この活性酸素の働きを抑えて、元気で若々しい高齢期を過ごしましょう。 |
犬や猫は、私たち人間の数倍のスピードで年をとっていきます。そのため、一般的には7歳を超えたら『シニア』世代です。シニアになると、犬も猫も人間と同じように、内臓や関節、感覚器官などの機能が徐々に低下していきます。また、動作が鈍くなったり、反応が遅くなるなどの生理的変化もみられます。高齢期にみられやすくなる病気には表1のようなものがあります。 また細胞が老化すると、細胞内において、細胞や組織にダメージを与える活性酸素の発生量が増加します。活性酸素は、呼吸などによって体内に取り込まれた酸素が酸化して発生するため、正常な体の中でも常に生成されています。こうした細胞の酸化の進行は、老化に伴う疾病の発生に関与すると言われています。 |
年を重ねるに従って、動作が鈍くなったり、若い頃にはできたことができなくなることは仕方がありません。しかし、それは本当に老化によるものでしょうか?ひょっとしたら、病気の可能性があるかも知れません。
例えば、脳は代謝が活発で大量の酸素を消費するために、活性酸素による攻撃に弱く、損傷を受けやすいと言われています。とくに高齢犬で認知症が目立つようになるのは、活性酸素によって、脳が影響を受けたことと関連があると考えられます。
チェックリストを参照に、思い当たることがあったら早めに動物病院へ相談しましょう。
体は活性酸素による攻撃を常に受けていると言っても過言ではありません。(図1)。そのため、生体内には、活性酸素から細胞を防御するシステムが備わっています。この働きには、食事中の抗酸化成分が重要となります。例えば、ビタミンEには活性酸素を消去する作用があり、ビタミンCはビタミンEの働きをサポートする役割があります(表2)。 高齢期の犬や猫がいつまでも元気で長生きするのを助けるには、抗酸化成分が強化された良質のフードを与えましょう。 |
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