2歳になる雑種の雄(去勢済)の飼い主です。
昨年の9月から体の体表に腫瘍が出来、病院にかかりました。二箇所細胞検査もかねて摘出してもらったところ、組織液がしみでたもので、悪いものではないそうです。
原因は自己免疫疾患で何に反応しているか分からないそうです。現在も体の数箇所に腫瘍があります。でも、原因がわからないので対処のしようもなくて…。
見ていてとてもかわいそうです。最近では元気もあまりありません。検査や、治療法などご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えて下さい。よろしくお願い致します。
ご質問の愛犬は体表腫瘤に関しての細胞検査を行い、検査結果が自己免疫性疾患であったとのことですね。
自己免疫性疾患とは、その名の通り免疫系の異常からくる病気のことです。
免疫とは、簡単にいいますと、自分の体を形作っているものと、自分以外のもの(異物あるいは抗原といいます。例えば、ウィルスや細菌などが含まれます)とを区別し、自分以外のものが体の中に入ってきた時に、それを攻撃・排除し、体を守る仕組みのことです。
自己免疫性疾患では、この仕組みに異常が生じ、本来攻撃するはずのない自分の体の一部を攻撃し、様々な炎症を伴った症状を引き起こしてしまいます。
自己免疫性疾患には様々な要因が複雑に関与しており、特定の原因を確定することは困難なものとなります。
自己免疫性疾患かどうかを検査するには、類似の症状を発症するような病気についての除外診断を行い、ご質問者の愛犬が受けられたように愛犬の体の腫瘤を一部採取し、病理組織学的検査を行うことです。また、全身への影響がないかどうかについて血液検査や抗核抗体検査を行うことがあります。
自己免疫性疾患と判断された場合には、この治療は疾患の種類、あるいは程度に応じて種々の免疫抑制剤や免疫調節剤の投与を行い、かつ感染を防ぐために抗生物質の併用を行います。ある種のビタミン類が治療に使用されることもあります。
中々治療が困難な場合では、可能であれば皮膚を専門とする獣医師、あるいは大学付属の動物病院を主治医の先生からご紹介頂き、一度診察をお受けになってみられることをお勧め致します。