初めまして。最近、子犬を飼いはじめたものです。
夜なきがひどくて、最初つれてきたときはケージに寝せていたのですがうるさくて皆眠れず大変な思いをしました。今は悪いとは思いながらも一緒に寝ています。
徐々に離していこうと思ってはいるのですが気づかないようにそっと布団に入ってきます。どうしたら上手くいきますか?
■子犬が鳴くのは?
最初のうち、子犬が鳴くのは『寒い・暑い』、『お腹が減った』、『体のどこかに不調がある(どこかが痛い、トイレがしたいなど)』、『寂しい(親や兄弟を求めて)』という理由からです。
■子犬にとって心地よい環境を
飼い始めの時に良く鳴くときは、まず環境が子犬にとって適切なものであるか確認しましょう。
室内の温度は25℃前後にし、子犬の周囲には肌触りのよい、暖かな布をおくようにします。
お腹が減ったり、喉が渇いたりすることのないように、食事回数はなるべく3~4回以上に設定し、お水は常に新鮮なものが飲めるようにしましょう。
また、子犬のうちはトイレの回数も多いもの。トイレを我慢させないように注意してあげる必要もありますね。
■健康診断を受けましょう
子犬はもともと体力が大人に比べて少ないものですから、ちょっとした変化でも体調を崩すことがあります。環境が十分整備されているのに、体重が順調に増えなかったり、食欲や元気がなかったり、便がおかしいな、というような場合、かぼそい声でしきりに鳴くような場合は動物病院で健康診断を受けておきましょう。
■寂しいから鳴く場合でも、かまってはダメ!
健康状態も良く、環境も子犬にとって適切であるにもかかわらず、子犬が鳴くような場合は『寂しい』から鳴いている可能性があります。親や兄弟から離されれば、寂しく思うのは当たり前のこと。
しかし、鳴いて可愛そうだから、あるいはご近所に迷惑だからと、子犬が鳴くたびにかまっていては、いつの間にか、子犬は『寂しいから鳴く』のではなく、『鳴くとかまってもらえるから鳴く』という風に『何かを要求するために鳴く』ことになってしまいます。つまり、子犬が鳴くたびにかまっていると、子犬は要求すればかなえてもらえる、自分がえらいんだ、自分がリーダーだ、という誤った学習をしてしまうことにもなりかねません。自分がえらいんだ、と思い込んでしまうと、夜だけでなく、昼も子犬の要求どおりに物事が運ばないと鳴くだけでなく、今度は吠えるということになってしまうかもしれません。
このため、鳴いたらかまう、ということは絶対に行わないようにしましょう。そして、子犬のうちからリーダーが誰であるか、のトレーニングをしっかり行うようにします。このトレーニングは別段難しいことではありません。通常のしつけの本に書いてあるように、飼い主が常に優先されるような状況に置き(例えば、ソファやベッドに犬が乗っていたら、それを下ろして飼い主が座る。犬が飼い主の通り道にいたら飼い主が犬をよけるのではなく、犬が飼い主に道を譲るようにするなどです)、飼い主がしっかりと子犬の世話(ご飯やお水、お散歩、ブラッシングなど)をしてあげること。そして、褒めてしつけることです。
■褒めてしつけて、夜鳴きをなおそう!
褒めてしつけるためには、愛犬がうまくできるように、物事・訓練を徐々に進める必要があります。
今回の夜鳴きの件で考えていくと愛犬がクレートで眠るようになることがポイントとなってきますね。子犬がクレートで眠れるようにしていくうちに夜鳴きはなおってくるでしょう。
■クレートが大好きになるように
子犬がクレートを大好きになるようにしましょう。子犬のうちは、常にクレートを目の届く所に置き、子犬がクレート内で安心して、かつ楽しく過ごせるようにすることが目標です。決してクレートを罰するため、うるさいから閉じ込めるための物にはしないよう注意する必要があります。
Step1.クレートを選びましょう
クレートは常に目の届く所におけるように持ち運びが容易なものが良いです。
大きさは、子犬が中に入った時に全身を伸ばしてリラックスできる、くるっと一周できるような大きさがベストです。ただ、子犬は成長するものなので、成長した時の大きさを想定して購入されるとすぐの買い替えがなくて良いかもしれません。
※ クレート内には最初のうちは、家族の匂いのする柔らかな布を置くようにすると良いかもしれません。クレート内は常に清潔に保ち、布は取替えや洗濯が容易であるように複数枚用意しておきましょう。
Step2.クレート自体に慣れましょう
クレートを常に飼い主の方の傍に置き、入り口をあけ、子犬がクレートに興味を持って自然に中に入るようにしていきます。
クレートは子犬にとっては大きなものです。最初、クレート自体を怖がったり、嫌な想い出がすでにあったりしてしまうことがあります。このため、子犬がクレートに良い印象を持つようにしていきましょう。
クレートの扉は全開にし、その傍で子犬と一緒に遊んだり、ご飯をあげたり、子犬が成功しやすい号令(オスワリなど)をかけ、それに従ったらすばやくご褒美をあげたりしてみましょう。
※ クレートを怖がったりしないように、クレートにムリヤリ子犬をいれてはいけません。
Step3.クレートの中へ誘いましょう
クレートの中にご飯やお水を用意しておき、クレート内に子犬が自主的に入るようにしてみましょう。子犬が大好きなおやつをクレート内にあらかじめおいてみるのも一つです。
用心して中々入らないような場合は、まずクレートの入り口付近から始めてみるのも一つです。
くどいようですが、決してムリヤリ中に子犬を押し込めてはいけません。
子犬がクレート内に自主的に入ったらすかさず褒めるようにしましょう。
Step4.クレートの中の特別なご褒美
子犬がクレート内に入ったら、何か特別なご褒美をあげましょう。ご褒美といっても必ずしも食べ物でなくてかまいません。興味を引くおもちゃ、食べるのに時間がかかるようなおやつなどが良いでしょう。コングやバスターキューブを使ってみるのも一つです。
このときに使用するご褒美は、クレートに入った時のみあげる、特別なご褒美にします。クレートからでた時は取り上げるようにします。
また、クレートに入った時は、声を良くかけ、褒めてあげますが、クレートから出た後の数分は声をあまりかけないようにします。これによって、クレートの中に入ったらいいことがいっぱい!と子犬に覚えさせていくのです。
※ この時、扉はまだ全開のままにします。子犬がクレートを好きになってきたら、扉をほんの少しだけ閉め(子犬が出入りできるくらい開けておく)、様子をみながら徐々に徐々に扉を少しずつしめていきましょう。
★ クレートに入る号令を教えましょう ★
子犬がクレートに入るようになれば、何か号令を組み合わせ子犬に教えていきましょう。良く使用される号令は『ハウス』ですね。
クレートに入る瞬間を狙って号令をかけてみましょう。そして、クレートに入ったらすかさず褒める、ご褒美をあげるとしていきましょう。
Step5.クレートにいる時間を少しずつ長くしてみよう
散歩から帰ってきた後、家の中でいっぱい遊んだ後、ご飯の後で排泄も済ませた後などに、クレートに子犬を誘ってみましょう。お腹がいっぱいの時や運動の後は子犬もうつらうつらするものです。その時にクレートで休ませるようにしてみると良いでしょう。
最初は傍にいて、それからちょっと別室にいって数分で戻ってきたり、あるいはトイレや浴室の外にクレートをおいて子犬を中に入らせ、その間にトイレに入ったり、入浴をしてみたりします。もちろん、この間に特別のご褒美をあげておきます。ご褒美は必ず、子犬が号令に従ってクレート内に入ったり、あるいは自主的に入ったりした時にだけあげるようにします。決してご褒美を先渡しの賄賂に使わないようにしましょう。
また、子犬がクレートに過ごす時間が、急に長いものにならないように、十分注意しましょう。
Step6.ベッドの傍にクレートを
子犬のうちは、飼い主の方が休む時はベッドの傍にクレートをおいてき、クレートの中で子犬が眠るようにしていきます。これならば、子犬があまり寂しい思いをせずにすみますし、子犬が排泄したいと思う時にも気づきやすいものです。
クレートで子犬が眠るようになり、一晩トイレも我慢できるようになれば、クレートの位置を徐々にベッドから離していくようにして、飼い主の方にとって都合の良い場所に設置すると良いでしょう。
この頃には、きっと寂しさから来る夜鳴きもいつの間にかおさまってしまう月齢になっています。
※ クレートに入って、扉を閉めてしまったときに鳴いてしまう場合は、少し心を鬼にして泣き止むまでほうっておきましょう。泣き止んでしばらくしたら扉をあけます。ただし、扉をあけて愛犬が飛び出してきたとしても、この直後は声をかけたりしないようにします。そして、もし愛犬がクレートに戻ったらいっぱい声をかけ、褒めてあげましょう。(夜鳴きも同様で、鳴いている時にはかまわず、なきやんでしばらくしてから触ったり声をかけたりするようにします)クレート大好き、クレートに入ることが喜びであるように、飼い主・愛犬ともに楽しみながら色々工夫していってみてください。
※ クレート内に入ったときには特別のご褒美をあげましょう。鳴くことと両立しないようなおもちゃ、おやつです。長時間咥えて遊んだりできる、あるいは長時間かじったり舐めたりできるようなものを与えておくと、口は忙しくしているので鳴くことができなくなりますし、楽しみがあれば、鳴くこともしなくなるものです。