健康・しつけ・くらし記事 獣医師さんのアドバイス

Q&A

軟便&血便が心配です

一歳半になる雄猫ですが、小さい頃から常にウンチは柔らかく(下痢とまではいきませんが、ウンチの最初は形がありますが、最後は形にならないほど柔らかい)一歳を迎える頃に血が出るようになりました。ウンチに混ざっているのではなく、ウンチの表面に鮮血が粘膜のようになって付いていたり、ひどい時にはウンチを出し切った後に血だけがダラダラと流れ、お尻周りの毛にベットリついてしまうのです。
病院へ行きましたが原因が分からないといわれ、とりあえず出血のたびにバチリオン錠とプレドニゾロンという薬を飲ませるのですが、二週間もするとまた血が出はじめるのです。今度大きな出血があったらバリウムを飲んで検査しましょうと言われました。ネコ本人は食欲もあり、至って元気です。血を出してもケロっと?しています。時を同じくして膀胱炎になり、ストルバイト尿石症になり今病院食を食べています。どうしたら良いのか分からず、不安でたまりません。長生きしてほしいのですが・・・

 軟便が続いたり、血便がでたりしているとのこと、心配ですね。便に異常がある時には、幾つかの原因が考えられます。
一つには寄生虫感染で、回虫などの寄生虫だけでなく、ジアルジアやコクシジウムといった原虫というとても小さな寄生虫の感染でも下痢や軟便が起こる事があります。これは、1~2回だけでなく繰り返し、繰り返し便の検査を行っていかないと発見できない事があります。

 消化酵素の分泌異常がある場合でも軟便をしてしまうことがあります。なんらかのアレルギー疾患(食事アレルギーなど)でも同様の症状が認められる事があります。
また、全身性の病気を抱えているような場合でも下痢や軟便は多く認められます。このように便の異常の原因は様々であり、それによって治療方法は少し異なってきます。

 このため、便の異常が長く続いているようであれば糞便検査を繰り返し受け、また、できれば血液検査やレントゲン検査などを行い、原因を追究していく事が大切となってきます。これら検査でも原因がわからないときには、バリウム造影検査、内視鏡検査などを受けていき、時には腸の全層生検なども必要となることもあります。

 病院へ通うのは愛猫にとっても飼い主の方にとっても色々な意味で大変とは思いますが、愛猫のため、積極的に原因を追究し、その上で治療を受けていくようになさってください。