現在8歳のゴールデンレトリーバーの牝です。避妊手術済です。
最近、血管肉腫と診断されました。この病気について本を探したり、インターネットで検索しているのですが、ほとんど見つからず情報不足の為、不安を感じています。現在はとても病気をもっているとは思えない状態です。しかし、いつの日か必ず闘病の日々がやってくると思います。飼い主として気をつけるべき点等も教えてください。
血管肉腫は血管の内皮というところから発生する腫瘍です。このため、血管の豊富な組織、特に脾臓や肝臓に多くみられる腫瘍です。それ以外にも、皮膚や心臓などにも発生がみられます。
血管肉腫は中年齢から老年齢にかけての犬で、特にゴールデンレトリバーやジャーマンシェパードといった犬種に発生することが知られています。血管肉腫ができた部位によって、症状は違ってきますが、肝臓や脾臓にできた時には腫瘍が破裂することがあり、それにより腹腔内に出血が生じ、貧血による症状が出現することがあります。また、心臓にこの腫瘍ができた場合では心膜という心臓を包んでいる膜の内側に液がたまり、心臓の働きを阻害することがあります。このような時には、不整脈などが起こりやすく急に倒れてしまうという症状も認められます。
この腫瘍の治療方法は切除できる部位にあれば切除し、その後化学療法を行うというものです。しかし、切除できないような位置にある場合、あるいはすでに転移が多くみられているような場合には手術ではなく、化学療法を行って対処していきます。
血管肉腫は腫瘍ができた部位によって、予後が大きく変わってきます。
このため、愛犬が血管肉腫と診断されているのであれば、主治医の先生と今後の予後、これからでてくるかもしれない症状、どのような場合が緊急となる症状なのか、その時の対処方法、そして治療方法の選択肢についてなどを良くご相談になられるとよいでしょう。
腫瘍に侵されてしまった体は、一見元気に見えますが、徐々に徐々に体の機能は阻害されていくことがあります。今一緒にいることを楽しみ、共に過ごす時間を大切になさってください。そして、できる限り飼い主の方ご自身がお元気で、心を落ち着けて愛犬と触れ合うようになされることをお勧め致します。愛犬は飼い主の心の動きに左右されやすいものです。飼い主の方が元気であれば愛犬もきっとその元気を受け取りますよ。