わんにゃん調査倶楽部
猫がいる神社
『梅宮大社』
~京都の旅 Part.2~
2月22日はニャン・ニャン・ニャンという鳴き声から制定された「猫の日」。
わんにゃん調査俱楽部では、猫神社として注目を集める京都の『梅宮大社(うめのみやたいしゃ)』を訪問して、13匹のエピソードなどをお聞きしてきました。
梅宮大社は「酒造の神様」と「子宝・安産の神様」を祀る京都の神社。最近ではかわいい猫に出会える「猫神社」としても知られ、全国各地から多くの参拝客が訪れています。
宮司の橋本以裕(はしもと もちひろ)さんが、猫を飼うようになったのは約20年前のこと。子どもの頃は、「猫が神社に悪さをするかもしれない」とご両親が猫の出入りを許さなかったそうです。
猫と暮らすようになったのは、お父様の他界がきっかけ。
ご両親の介護をする奥様が疲弊されていたため、「少しでも癒しになれば」と1匹のシャム風猫を迎え入れたそうです。最初は驚いた奥様も、その愛らしさにメロメロに。半年後には、野良猫が出産した子猫のミーちゃんを保護して2匹の猫が家族になりました。
驚くことに、ミーちゃんは半年ペースで出産を続け、10年で60匹ほどの子猫を生んだそう。「猫はすべて去勢していますが、ミーだけは病気で避妊手術ができなくて。でも、ここまで生むとは思っていませんでした」と橋本宮司。さすが子宝と安産の神社、ご利益ばっちりです。
現在、ミーちゃんの子孫は9匹生き残っており、保護した猫を含む13匹が梅宮大社で生活しています。
しかし、楽しいことばかりではありませんでした。過去には心無い人による虐待や毒餌で、猫が死んでしまったことも。
「うちの猫はすべて飼い猫ですから、人懐っこいのがアダになりました」と橋本宮司。
何日も捜索活動で駆け回ったり、猫を抱えて動物病院に駆け込んだり。時には無残な姿で発見されて、心を痛めたこともあったそう。「猫が好きな人ばかりではないですが……」と橋本宮司。
梅宮大社では、猫が苦手な方でも参拝しやすいように、猫の排泄物はすぐに片付け、マーキングポイントにも消臭スプレーをかけるなど、細やかに対策をされています。
一方、最近では参拝客のマナーも気がかりとか。写真を撮りたいがために寝ている猫を起こしたり、いきなり触って驚かせたり、無理矢理抱き上げたり。
マタタビでつって外へ連れ出したり、猫を怒らせてトラブルに発展する可能性もあるため、猫の生活を静かに見守る姿勢で猫に愛されたいものです。
~猫神社はこんな場所!~
酒造の神様と、子宝・安産の神様を祀る神社
「阪急嵐山線・松尾大社駅から徒歩15分、または京都市営バス梅宮大社前で下車して、四条通から小道に入ると見えてくるのが梅宮大社です。
境内には子宝にご利益がある神秘的な「またげ石」があり、ご夫婦一緒に子授けの祈祷を受けると案内してもらえるそう。
また、京都で一番古い梅の名所としても知られています。境内にある梅の木は40種400本ほど。神苑にはアヤメ、カキツバタ、八重桜、アジサイなどたくさんの花木が植えられ、1年を通じて季節の花を楽しむことができます。
毎年変わる大絵馬が参拝客の楽しみの一つ。
戌年の大絵馬はどことなく猫の風情に。 社務所の入口は猫の人気スポットです。
『梅宮大社』
京都市右京区梅津フケノ川町30
TEL:075-861-2730
<神苑>
拝観時間:9:00-17:00(16:30受付終了)
料金:大人550円、小人350円
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