愛犬とキャンプに出かけたことはありますか?キャンプ場でマナーを守って過ごせばみんなの人気者になれます。また、万が一の避難生活でも地域の人に受け入れてもらいやすくなります。
そこで、できると安心なキャンプマナーなどについて「しつけ教室NICEDOG」の上野啓一郎さんにお聞きしました。
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SMILE
(スマイル / トイプードル)
2011年生まれの男の子自称冒険家。
天真爛漫でとても明るい性格。
犬付き合いがとっても上手く、みんなを笑顔にすることが得意。 -
PHIL
(フィル / ボーダーコリー)
2016年生まれの男の子優しく感情豊かで、ちょっぴりやんちゃな甘えん坊。
右目の周りが黒く左顔が白い模様と、愛くるしい目がチャームポイント。得意なことは人に甘える事とドッグキャッチ。
愛犬も飼い主さんも、犬連れでない人も。
格別な時間を過ごすためにできること
愛犬はやんちゃですか?怖がりですか?愛犬が無理をせず過ごせるように、うちの子の性格に合わせた事前準備も大切。そしてキャンプ場には犬が苦手な人もいます。マナーを守ってみんなで楽しく過ごしましょう。
愛犬が慣れていると安心なこと
テントやタープを設営する時のペグを打つ音などに慣れておく。
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事前にペグを打つ音を聞かせてみましょう。
小さな音から聞かせて慣れさせてあげて、怖がった時は「大丈夫だよ」と優しく声掛けを。ペグの音だけでなく、普段から何かに過敏になった時には落ち着けるように「大丈夫だよ」と伝えてあげましょう。
設営時に騒がず待てるように「親しんだ居場所」を用意しよう。
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待機中は普段から使っているベッドを置いてあげて。
持ち運びしやすい軽量のアウトドア用ベッドがあると、設営時以外でも待っていてほしい場面や休憩時間にいつでも落ち着けて安心です。
テーブルの上のものを勝手に食べたり、拾い食いをしないように。
健康や体調を崩さないためにも。普段から教えてあげておくことが大切です。食べ物を与える時の食器を決めておくと、愛犬もメリハリがわかり、覚えやすいです。
不意のケガのないように靴を履かせる
大きな石のある川辺や雪の中などでは、足裏が傷付くことも。災害時、がれきが落ちた道を安全に歩くためにも「愛犬の靴」は大切です。すぐに慣れることは難しいので、事前に練習しておきましょう。
マナー上手になれば愛犬の人気もアップ
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周囲の迷惑にならないよう飼い主さんがきちんと管理を。
日頃からご近所さんに好かれるマナーを守れる子なら「○○ちゃん。助かってよかったね」と地域の避難所に行った時も受け入れてもらえやすく、癒しの存在として人気者になることも!
愛犬が社会で過ごすためのマナーって?
● ムダ吠えの制止
● トイレのしつけ、後片付け
● 抜け毛を散乱させない
● 定期的なブラッシングで清潔にしておく
● ノーリードにしない
● むやみに飛びつかない
● 他の犬や人に必要以上に興味を示さないように
ムダ吠えをやめるなど良い動作を
した時は優しい声でほめましょう。
ワクチン接種やノミダニ駆除もしておきましょう。
愛犬に合った処方が必要なので、動物病院でしっかりと相談を。秋になっても公園や道にはノミ・ダニがいっぱいです。
マナー上手を目指して。
良い動作ができたら日頃からほめてあげよう。
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良い動作がどんな動作なのかを愛犬自身が考えられるように、日常的に良いことができた時は優しくほめましょう。
教えてすぐにできるわけはなく、毎日の積み重ねが大切です。また、愛犬は飼い主さんの感情も見抜くので心を込めて接してくださいね。
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うちの子が喜ぶほめ方・接し方を知っていますか?
まずは「うちの子がなでられると嬉しい部位」を見つけよう。
犬によって嬉しい部位は違います。あごの下や背中など、愛犬の反応を見ながら喜ぶ場所を見つけてみましょう。
接し方は場面と愛犬の気持ちに合わせて使い分けよう。
ほめる時の接し方は2パターンあります。
ひとつめは、名前を呼んで駆け寄って来た時などテンションを上げるようにほめたい場合です。テンポよくわしゃわしゃと早めに撫でて喜ばせてあげましょう。
ふたつめは、おすわりができた時など落ち着かせながらほめたい場合です。興奮を鎮めるようにゆっくりと撫でましょう。手の甲を使うと優しくなでられます。愛犬の気持ちをコントロールするようにふれあいましょう。
良い動作をした時は優しい声でほめよう。
ほめる時は「えらいね」と優しく明るい声をかけましょう。家族がそれぞれ違う言葉でほめると愛犬が混乱してしまうので、なるべく言葉は統一を。それに対して、「ダメ」は低く厳しい口調で伝えて、それが嫌な行動だと教えてあげましょう。メリハリをつけると愛犬に伝わりやすいです。
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「言葉をかける→愛犬が良い動作をする→ほめる」の順番で。
例えば人への飛び付きを止めたい場合。
飛び付きが気になる時だけでなく、お散歩前の玄関やごはんを与える時など、普段から落ち着いてほしいときにおすわりをできるように伝えましょう。伝える順番は、『「おすわり」と声掛け→愛犬が落ち着く→「えらいね」とほめる』です。飛びつきたい気持ちと動作を言葉で整えるイメージで伝えてください。
愛犬の行動のサインを知っているとほめやすくなります。
他のお困り行動のほめ方も同じ順番です。愛犬がどのタイミングでどんな仕草をするかを日頃から観察しておくと、行動のサインがわかってほめやすくなります。スマイル隊長の場合は、テレビの前で飼い主を見つめた時が「トイレをしたいサイン」です。サインが出たら『「ピピッププッ」と声掛けしてシーツを敷く→トイレをする→「えらいね」とほめる』をします。これを何度も繰り返すことで、トイレをしてほしい時に「ピピッププッ」と声を掛けると反応してくれるようになります。
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少しずつ気持ちが通じるように、普段から伝えつづけましょう。
生活の中の必要な時に、普段からコミュニケーションとして良い動作を伝えることが大切です。一時的に伝えるだけでは愛犬も理解しづらく、忘れてしまいます。また、愛犬自身もたくさん気持ちを発信しています。日頃から観察して、ぜひ受け取ってあげてください。
お困り行動には犬の本能も関係していますが、人の社会で一緒に生きていくうえで必要なマナーを愛犬に教えることは飼い主さんの役割です。
インドア代表スタッフ犬・ゆずのギモン
でも、デイキャンプって難しくないのかな?
A.
アウトドアグッズを使い始めると意外にハマってキャンプの世界が広まります。
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ジェットボイルでお湯を沸かして温かいコーヒーを飲むだけでもまったりできます。
手軽にクッキングができるので「BBQをしなければ…」と大げさに考える必要もナシ。お家でもよいですが、自然の中で使えば非日常的な楽しさにハマりますよ。
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お散歩の延長として気軽にでかけてみよう
いつものお散歩から少し遠出するイメージで。
「お散歩→景色の良い所へドライブ→デイキャンプ」とステップを踏んでも
OK。計画を簡単にしておくと続けやすいです。愛犬と楽しむ時間を重視して、食事は簡単に、便利なグッズで手軽に過ごせば無理なく続けられます。
健康も気にしながら楽しくお出かけしよう
シニア犬や健康に心配のある子はかかりつけの獣医師さんに相談してからお出かけください。お出かけ先に近い動物病院の場所や休診日をチェックしておけば遊んでいる最中にケガなどをした時も安心です。
愛犬はいつも飼い主さんと一緒にいたいと思っています。そして、飼い主さんの笑顔が大好きでいつもその笑顔を待っています。アウトドアで愛犬と一緒に過ごすことで、その時間の楽しさや愛犬の意外な一面を発見し、楽しい思い出をいっぱい作って欲しいです。そして万が一災害にあっても、この体験を活かしてせっかく助かったうちの子と負担の少ない避難生活を送ってもらえると嬉しいです。
さあ、まずはフィールドに出掛けましょう!!
上野啓一郎さん
NICEDOG
しつけ教室「NICEDOG」を運営。
アウトドアブランド「モンベル」と共同で、初心者でも愛犬と楽しめるイベントを企画・開催しています。
地域の避難訓練に愛犬と一緒に参加したり、木津川市防災訓練でペット同行避難の講習を行ったり、避難生活で役立つクッキング教室を開催するなど防災に関する意識を高く持っています。
http://www.nice-dog.net/