犬や猫を家族として迎えたい!
そんな時、みなさんは、どこからペットを迎えるでしょうかー?
身近なペットショップ?それともブリーダー?
家族を迎える前に「動物愛護センター」に行ってみませんか?
様々な理由で行き場を失った犬・猫たちが、この施設で、新しい飼い主さんとの出会いを待っています。
でも…、「動物愛護センターなんて行ったことない」
「何をしているところなのか、よくわからない…」
そんな人も多いのではないでしょうか?
そこで、みなさんのために!
ペピイスタッフが「動物愛護センター」に行ってきました!
このコーナーは、あなたの街の「動物愛護センター」の様子をみなさんにリポートするコーナーです。まずは、情報をチェック!
今後、更新してまいりますので、よろしくお願いいたします。
VOL.1 ANIMAMALL(アニマモール)かわさき 川崎市動物愛護センター 編
アクセス抜群!平成31年2月の移転を機に、動物を通じて多くの市民が集い、憩い学べる動物愛護センターへ!
目次
・「ANIMAMALL(アニマモール)かわさき」のここがポイント
来場を中心に動物たちのことを見たり学んだりすることができる施設
・「ANIMAMALL(アニマモール)かわさき」の守りたい「小さな命」
年間約90頭の犬と約500頭の猫が保護
・「ANIMAMALL(アニマモール)かわさき」の繋ぎたい「小さな命」
毎月第三日曜日に新しい飼い主さんを見つける「譲渡会」
最寄駅から徒歩7分という抜群のアクセスに位置する「ANIMAMALL(アニマモール)かわさき」は、平成31年2月にリニューアルオープンした動物愛護センターです。
「命を学び、命をつなぎ、命を守る場」を役割とし、たくさんの人に動物の事を知ってもらい、人と動物が共生できるやさしい街づくりを目指しています。
施設のリニューアルオープンにむけて公募した愛称「ANIMAMALL(アニマモール)かわさき」は、小学生のこんな思いで命名されました。
「ぼくは喘息があって、動物を飼うことはできないけど、動物が大好きです。動物を大切に守ってくれる施設になってほしい」
「アニマル(動物)を守る」を合体させた「アニマモール」という愛称は、センターのコンセプトにぴったり。
そのお仕事内容をたっぷりと見学してきました。
「ANIMAMALL(アニマモール)かわさき」のここがポイント
来場を中心に動物たちのことを見たり学んだりすることができる施設
「ANIMAMALL(アニマモール)かわさき」では、現在11名の獣医師さんと2名の事務職さん、1名の用務員さん、そして、非常勤で働く動物看護師さんが4名勤務しています。
特に力を入れているのは動物愛護及び適正飼養の啓発活動。小学生児童を中心とした「いのち・MIRAI教室」では、動物を飼うことの責任や命の大切さを学ぶ情報を発信しています。
以前は、小学校の出前授業(職員が学校に出向く)として「いのち・MIRAI教室」を行っていましたが、立地条件がより便利になったことなどから、子どもたちにここに来てもらう来館型の「いのち・MIRAI教室」も併せて行っていきます。来館型になったことで、犬や猫に移動のストレスをかけることなく触れ合うことが可能となりました。
館内には展示サインがあり、壁に描かれたイラストを用いて犬・猫とのコミュニケーションの取り方や飼育方法などを子どもたちがわかりやすく学ぶことができます。
また、飼育やしつけに関する相談コーナーをはじめ、犬・猫を譲り渡したい人から譲り受けしたい人のマッチングを取り持つコーディネート事業にも力を入れています。
施設に設けられた適正飼育啓発室では、適正飼養のためのセミナーなどを予定しており、犬・猫の正しい飼い方を多くの市民に知ってもらう機会を設けています。毎月第3日曜日には施設内の動物舎で保護されている犬・猫の譲渡会を行っています。
同センターでは、市民だけでなく、広く一般に施設見学を公開しており、市外からの見学や実習依頼も多く寄せられています。
また、毎月第3日曜日には施設内の動物舎で保護されている犬・猫の譲渡会を行っています。
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▲ 適正飼育啓発室で開催されている犬・猫の譲渡会の様子
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「ANIMAMALL(アニマモール)かわさき」の守りたい「小さな命」
「ANIMAMALL(アニマモール)かわさき」では、年間約90頭の犬と約500頭の猫が保護され動物舎に収容されます。
それらの動物は健康診断や適切な治療を受けた後、施設内の動物舎の中で飼育され、譲渡会や普段の見学などを通して新しい飼い主さんへのもとへ譲渡されます。
収容中最も大切にするのは、動物舎内にいる動物たちのQOL(クオリティー・オブ・ライフ)。QOLとは、生活の質を意味する言葉で、保護されている犬・猫たちが安全で清潔な場所で、栄養のある食事ときれいな水を与えられ、ストレスをためずに心穏やかに過ごすことを意味します。
動物舎内は全室冷暖房があり、20ある犬舎は床暖房も完備。一畳半ほどある広々とした個室の犬舎に一頭ずつ犬が入っています。
また運動不足にならないよう、個々の犬の年齢や運動量に合わせて職員さんが、1日に3度お散歩に連れて行きます。併設の運動場は施設外に出られない時などに大変重宝するそうです。
上下運動を必須とする猫舎には2階建てケージを使用。病気や怪我のある犬・猫は、職員さんの目の届くところで、大切にケアされています。
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▲ 床暖房も完備した犬舎
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▲ 動物用の高濃度酸素室を完備
部屋や廊下の所定の場所に書かれている「申し送り表」には、個々の犬や猫の名前と、給餌状況や健康状態などが細かく書かれ、職員さんが情報を共有できる工夫がされていて、業務の引継ぎがスムーズに行われています。職員さんの犬・猫たちへの深い愛情と、やさしさが伝わってきます。
その他、「ANIMAMALL(アニマモール)かわさき」の命を守る取り組みは、地域猫活動への支援という形でも積極的に行われています。同施設内では地域猫サポーターが持ち込む地域猫の不妊・去勢手術を(年間最大約200頭)無料で行っています。
「ANIMAMALL(アニマモール)かわさき」の繋ぎたい「小さな命」
「ANIMAMALL(アニマモール)かわさき」では、保護した犬・猫たちの命をつなぐため、毎月第3日曜日に新しい飼い主さんを見つける「譲渡会」を行っています。
移転後初めての譲渡会では譲渡対象の猫20頭、犬10頭に対し、400名以上の来館があるほど大盛況!譲渡会に初めて来たという市民も多く「アクセスの良さが利点」と声を揃えます。
気に入った犬・猫がいたら、希望者さんは申込をし、自宅で新しい犬・猫を迎えるための準備をします。(例えば、猫の場合は上下運動ができるよう二段ケージを設置、トイレ、キャリーバッグなどを準備し、完全室内飼育を条件としています)
ユニークなのは、館内にある犬・猫用の行動観察室。ここは、飼い主希望者さんと犬・猫のお見合いスペースとして利用できる部屋で、自宅のリビングをイメージして作られた空間です。自宅のようにリラックスした雰囲気でお見合いができるのがポイント。(ただし譲渡会など大勢人が集まる時には混雑するため使用できません)
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▲ 猫用の行動観察室
また、館内3階のガラス越しに見える猫のテーマパークのような「ペピイにゃんmeetsルーム」では、猫たちがキャットタワーやベッドで自由に寛いでいるのがうかがえます。飼い主希望者さんはここで、それぞれの猫の行動や性格を観察し、自分の気に入った猫をじっくりと選ぶことができます。
同施設(移転前の川崎市動物愛護センター)では、年間約30頭の犬と約450頭の猫が新しい飼い主さんを見つけて幸せになっています。
※「ペピイにゃんmeetsルーム」の取り組み
ペピイでは、人と動物とのより豊かな暮らしと幸せを願って、動物愛護センターを応援する取り組みの一環として、商品の提供などを行っています。
譲渡会で犬・猫を見て気に入った犬・猫がいれば申込用紙に記入します。
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申込用紙と飼育する自宅の見取り図を記入して職員さんと面接をします。
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申込用紙等を提出して、自宅にて飼育に必要なものを準備します。
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譲渡前講習会を受講した後、譲渡に関する誓約事項などの説明を受けます。
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譲渡前にセンターであらかじめ挿入されたマイクロチップの番号を確認します。
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譲渡申請書を提出し、譲渡完了です。
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譲渡後には、職員さんによる家庭訪問と調査があります。
※譲渡会以外でも常時犬猫等の新しい飼い主を募集しています。
「ANIMAMALL(アニマモール)かわさき」のボランティアさんに聞きました!
動物愛護のお仕事は、職員さん他、登録されている104名の「かわさき犬・猫愛護ボランティア」さんの協力によって支えられています。
移転後の新施設で最初の譲渡会のお手伝いをするボランティアさんに遣り甲斐について聞いてみました。
「センターでのボランティアに参加したのは3年ほど前から。ボランティアとしてお手伝いをするのは、譲渡会の時だけです。この子たちが幸せになるために何かひとつでもお手伝いをしたくて参加しました。何よりうれしいのは新しい家族が見つかった時。どの子も幸せになってくれることを願ってボランティアをやっています。多くはできませんが、自分にできることからひとつずつ、小さな命のためにやりたいと思っています。」
ボランティア参加のコツは「できることを、できる範囲で、責任を持って参加すること」だと言います。
ここでは多くのボランティアさんが、命を守り、繋ぐために、様々なお手伝いをしていますが、同施設では生まれて間もない子ねこを離乳まで預かってお世話をする「ミルクボランティア」さんもいます。ミルクボランティアさんは、施設に運ばれてきた授乳期の赤ちゃんねこを、自力で食事ができるようになるまで自宅で預かり、ミルクをあげてつきっきりで面倒をみるボランティアさんです。
授乳期が終われば、再び同施設に戻して、譲渡会などで新しい飼い主さんを募集するという取り組みです。
「ANIMAMALL(アニマモール)かわさき」の職員さんに聞きました!
「ANIMAMALL(アニマモール)かわさき」に動物看護師として5年間勤務する高木さん。高木さんはもともと動物が好きで、住宅地に住む野良猫が気になる存在だったと言います。
「飼い主がいない猫が上手に社会で共存するためにはどうすればいいんだろうと、ずっと考えていました。ここに来る犬・猫も飼い主がいない子たちばかり。そんな子たちの世話をして、ようやく飼い主さんが見つかって、ここから出て行く時、本当に遣り甲斐を感じます」
高木さんのここでの1日はほとんどが犬や猫のお世話で終わります。
▲ 動物看護師として勤務する高木さん
毎日の犬・猫のお世話は責任も重大で、同じことの繰り返しですが、それぞれの命はたったひとつ。その一期一会を大切にし、新しい飼い主さんに犬や猫を送り出す時が、高木さんにとって大きな喜びだと言います。
「多くの人がここに気軽に足を運び、動物たちを身近に感じることができる施設であってほしい。何より嬉しいのは、譲渡された犬や猫が家族と元気に暮らしている写真が送られてきた時。その写真を見ればまた明日から頑張ろうって思えるんです」
高木さんは自分のお仕事を心から誇りに思い、犬や猫の幸せのために日々働いています。
「ANIMAMALL(アニマモール)かわさき」のセンター所長さんに聞きました!
移転後の新しい施設でセンター所長を務める獣医師の須崎さん。
須崎さんは、同施設の存在意義を明確にこう語ってくれました。
「ご覧の通り、新しい施設は非常に設備が整っていて、きれいです。保護された動物舎内の犬や猫の手入れも行き届いています。そのため、ここに犬や猫を見に来た市民の方は“こんないいところで暮らせるなんて、犬も猫も本当に幸せですね!”と、おっしゃる。しかし、ここは行き場のない犬・猫を止むを得ず引き取る収容施設であって、終の棲家ではないんです。この子たちにとっての1番の幸せは、いい飼い主さんと巡り合って、一生涯、大切にされて過ごすこと。今後は、この一番大切なことを市民の皆さんに伝えていければと思います」
▲ アニマモール所長で獣医師の須崎さん
犬や猫にとって飼い主さんとの信頼関係こそが最高のご褒美なのです。
動物愛護センターは、あくまでも飼い主さんがいない犬や猫を一時的に保護する施設であることを忘れてはいけません。
どんなに設備が整っていても、犬や猫が求めているのは一生涯自分を大切にしてくれる飼い主さんなのです。
すべての犬や猫にやさしい飼い主さんがいて、動物愛護センターに入ってくる保護動物が「ゼロ」となる日が、彼らにとって、本当の幸せと言えるのではないでしょうか。
「ANIMAMALL(アニマモール)かわさき」
川崎市動物愛護センター
住所:神奈川県川崎市中原区平間1700番地8
電話:044-589-7137
開館時間:日曜日~木曜日 午前8時30分~午後5時15分
譲渡会情報:毎月第3日曜日 午後2時~午後4時
※詳しくは上記お問い合わせ先、HPをご確認ください。
Q.動物愛護センターって、どんなところ?
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A.動物愛護センターは全国の各都道府県ににある行政施設で、動物に関する以下のお仕事をしています。
●動物保護や捕獲のお仕事
様々な事情で家庭で飼えなくなった犬や猫の引き取りや、迷子犬を保護して収容します。また狂犬病予防法に基づき野犬の捕獲収容などをしています。
●動物愛護のお仕事
人と動物が仲良く暮らすための情報提供やアドバイス、イベント、啓発などを行っています。
その他、引き取った犬や猫に新しい飼い主さんを探す譲渡活動を行っています。
●動物管理のお仕事
引き取った犬・猫や捕獲した野犬等の中で譲渡できない犬・猫の殺処分を行っているところもあります。
●動物取扱対策のお仕事
動物が適正飼養・飼育されているか(虐待などがないか、給餌は適正にされているか、飼育環境に問題はないか、など)を確認し、問題があれば指導を行います。
また動物を飼養・飼育している施設の管理状況の指導も行います。
●その他
各都道府県の動物愛護センターは災害時には動物救援本部として被災したペットの保護等、救援センターの役割も果たします。
Q.地域猫活動ってなに?
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A.地域猫とは、住まいの地域にいる「飼い主のいない猫」を地域で面倒をみる取り組みのことをいいます。
給餌やトイレの世話だけではなく、これ以上繁殖をしないようTNR(保護して、不妊手術をして、また元の場所に戻す)を行います。
猫の保護や手術のための動物病院までの運搬は、主に地域のボランティアさんが行います。手術をした猫はその印として耳の先をカット。(オスは右耳、メスは左耳)
手術のあとはボランティアさんが猫を病院から運搬して元いた場所に戻します。その後は、給餌やトイレの掃除などを行い、地域の猫として一代限りの命を見守る取り組みです。
Q.ミルクボランティアってなに?
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A.生まれたばかりの赤ちゃん猫を離乳まで預かってお世話をする授乳専門のボランティアさんのことです。
生まれたばかりの赤ちゃんねこは、一日数回にわけてミルクを与えなくてはならず、知識も必要で、日中家にいることや、留守がないことなどの条件があるため、やりたいと思っても誰もができるボランティアさんではありません。
子ねこは、授乳期が終われば、次の預かりボランティアさんにバトンタッチしたり、保護された動物愛護センターに戻して、譲渡先を見つけます。
現在、全国の動物愛護センターで殺処分される猫の多くが子ねこであるため、子ねこが救われれば、殺処分数も激減することになります。