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第5回行動学的に正しいネコモテ術 スキンシップ編

日本一テストするネコ雑誌『ネコDK』が、ネコとの暮らしに役立つ情報をお届けします!

第5回は、「ネコモテ術」のスキンシップ編。動物行動学にもとづいた接し方でネコとのキズナをもっと深められる方法を獣医師の先生に教えてもらいました!

ネコ生活&ネコ用品選びのバイブル!
日本一テストするネコ雑誌『ネコDK』

ネコ・ディー・ケー

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“本当にいいネコグッズ”を発見するべく、編集部と専門家、そしてネコたちの協力のもと、あらゆる製品を“ネコ目線”で徹底検証。ネコと愛猫家さんのことだけを考えた「正直な評価」と「信頼できる情報」だけをお伝えする雑誌です。
ぜひ、あなたと愛するネコのためにお役立てください。

「行動学的に正しいネコモテ術」について獣医師に取材しました!

  • 山本 宗伸先生
  • 獣医師
    山本 宗伸先生

    「Tokyo Cat Specialists」院長。国際猫医学会所属。開院前は都内やニューヨークのネコ専門動物病院にて研鑽を積む。著書に『ネコペディア』(秀明出版会)

1.毎日ネコをハンドリングすると好かれやすい

ネコはハンドリング(さわったりなでたりすること)すると、友好的になるといわれています。子ネコを迎え入れた際は、毎日ハンドリングするようにしましょう。継続的なスキンシップでフレンドリーなネコになってくれる可能性が高まります。

毎日ネコをハンドリングすると好かれやすい

複数の実験により、社会化期(2〜9週齢ごろ)や生後14週齢まで1日15分以上ハンドリングをすると、人なつこいネコになることがわかっています。

2.警戒心の強いネコは淡々と接する

人慣れしていないネコをムリにかまうとストレスを与えてしまいます。まずは“無害”であることを知ってもらうため、最低限のお世話を淡々と行いましょう。

警戒心の強いネコは淡々と接する

警戒しているネコの心を開かせようと、スキンシップをとろうとするのは逆効果。ネコが心を開くまで、辛抱強く待ちましょう。

3.ネコじゃらしはネコの獲物をイメージして動かす

ネコじゃらしの動かし方を工夫すると、より夢中になって遊びます。狩猟本能が高まることで遊びが楽しくなり、飼い主との距離も縮まります。ここでは、ネコじゃらしの動かし方のポイント4つを解説します。

■Point 1:逃げる

  • ネコの近くでネコじゃらしを小刻みに震わせて、すばやく動かします。ネコに見つかって逃げていく獲物を再現しましょう。

  • Point 1:逃げる

■Point 2:抵抗する

  • ネコじゃらしを捕まえたら、先端を震わせて抵抗しましょう。ネコの手を離れたら、またネコとは逆方向に動かします。

  • Point 2:抵抗する

■Point 3:隠す

  • クッションの下や家具の陰で、ネコじゃらしをチラッと見せたり、隠したりします。時には止めて「獲れる」と思わせます。

  • Point 3:隠す

■Point 4:音を出す

  • 羽音がしたり、カシャカシャ音が鳴ったりするタイプのおもちゃを使うのも○。ネコの狩猟本能が高まります。

  • Point 4:音を出す

■獲物に似せた動かし方をするのがコツ

本来、ネコはネズミや小鳥、昆虫などを捕らえるハンター。ネコじゃらしで遊ぶときは、そうした獲物の動きを再現するようにしましょう。

  • ネズミ

    ちょろちょろ動かし、時にはストップ。本物のネズミのように緩急をつけて動かすのがポイント。

  • 昆虫

    ネコじゃらしを毛布などの下に潜り込ませ、モゾモゾと動き回る虫に見立てましょう。

  • 小鳥

    ネコじゃらしを空中ですばやく振り、飛んでいる鳥のように見せます。斜めに移動したり、ホバリングしたりしてネコを刺激!

4.なでる前に指やブラシを近づけて反応をチェック

顔の周辺などデリケートな部位は、いきなりなでたりブラッシングせず、指やブラシを近付けてみましょう。ネコが顔をこすり付けてくるなら「なでて」のサイン。反応がない場合は、ほかの部位をなでるのがベター。

  • 顔にブラシを近づける

    顔にブラシを近づける

    ブラシや指などをネコの顔に近付け、反応を窺いましょう。

  • 顔を寄せてきたらなでる

    顔を寄せてきたらなでる

    ネコが顔を寄せてきたら「なでて」のサイン。

5.フェロモンが出る場所をなでる

ネコがアゴの下をなでられて喜ぶのは、フェロモンの分泌線があり、相手とニオイを交換できるからと考えられます。頬やシッポの付け根にもフェロモンの分泌線があるため、スキンシップの際は、これらの部位もなでてあげて。

下図を参考にして、ネコとふれ合いましょう。

フェロモンが出る場所をなでる

6.ブラッシングは母ネコのグルーミングをイメージ

母ネコのグルーミングは、パワーとスピードが絶妙で子ネコもうっとり。
ネコをなでたりブラッシングしたりするときは、母ネコをお手本に、ゆっくり&やさしく行いましょう。

ブラッシングは母ネコのグルーミングをイメージ
  • 強く速く動かさない

    強く速く動かさない

    抜け毛取りを重視してブラッシングすると力が入りがち。

  • 力を入れずソフトに

    力を入れずソフトに

    母ネコのグルーミングをイメージしてソフトに行いましょう。

7.抱っこ慣れはヒザに乗せることから始める

ネコの多くは抱かれることが苦手。まずはヒザの上に乗ることから慣らしましょう。ネコ好みのおもちゃやおやつを使い、ヒザに好印象を持ってもらいます。ヒザに乗ることに慣れたら、ネコを少しだけ持ち上げるなどして、徐々に抱っこに慣らしていくのがコツです。

■Step 1:ヒザの上でネコじゃらしを振る

  • ネコがそばにいるとき、ネコじゃらしをヒザの上で動かします。ヒザの上を“遊び場”にして、ネコが自発的に乗ってくるようにするのが大切。

  • Step 1:ヒザの上でネコじゃらしを振る

■Step 2:ヒザの上で遊んだりおやつをあげる

  • ネコがヒザの上に乗ってきたら、おもちゃで遊んだり、おやつをあげたりして「ヒザに乗ると良いことがある」と覚えてもらいます。

  • Step 2:ヒザの上で遊んだりおやつをあげる

■Step 3:少しだけ持ち上げて抱っこに慣らしていく

  • ネコがヒザ乗りに慣れてきたら、様子を見ながらなでたり、少しだけ抱き上げたりして、抱っこに慣らします。

  • Step 3:少しだけ持ち上げて抱っこに慣らしていく

■NG:ムリやり抱かない!

  • 嫌がるネコを強引に抱くのはNG。抱っこに対する苦手意識が強くなってしまいます。

  • NG:ムリやり抱かない!

8.正しい抱っこは体の密着感がポイント

抱っこのポイントは、“安心感”と“安定感”。抱き上げるときはやさしく声をかけ、片方の手をネコの脇の下に入れ、もう片方の手でお尻を支えます。このとき、「ネコと自分の体が接触する面積を増やす」「ネコの足がブラブラしないよう手で支える」のが大事。正しく抱くことで、抱っこに対する抵抗感が少なくなります。

正しい抱っこは体の密着感がポイント

■Point 1:ネコとの間にすき間をつくらない

ネコの体を自分に強く押し付けるのはNG ですが、すき間ができないよう、できるだけ密着させましょう。片方の腕にネコの足が乗っている状態が正解。

■Point 2:足が自由にならないようにする

抱かれたとき下半身が不安定だと、ネコが嫌がります。お尻を手で支え、足が自由にならないよう固定しましょう。後ろ足を指で挟んで持つと、さらに安定します。

以上、「行動学的に正しいネコモテ術」のスキンシップ編でした。
ネコの性質を理解して、ネコとの距離をもっと縮めましょう!

次回、第6回はネコとの親密度も作業効率も上げるテクニック「デレワーク術」をご紹介します。

媒体概要
  • ネコDK
  • ネコDK

    定価:880円
    判型:A4ワイド
    ページ数:96ページ
    発行元:株式会社晋遊舎
    晋遊舎公式サイト:https://www.shinyusha.co.jp/

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