第11回ネコの健康寿命の延ばし方【ストレス軽減編】
ネコ生活&ネコ用品選びのバイブル!
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ぜひ、あなたと愛するネコのためにお役立てください。
1.先住ネコが穏やかなら多頭飼いもアリ
ネコのストレス源でとくに多いのは「同居ネコ」。お気に入りの場所でくつろげない、飼い主を独占できない、接近するとケンカになる、など精神的・心理的な負担が大きい傾向にあります。
これが長期に続くと過剰な毛繕いによる脱毛や食欲不振のほか、特発性膀胱炎を発症することも。多頭飼いを検討する際は、まずは先住ネコがほかのネコを受け入れられるのか熟考しましょう。
おっとりしていて社交的なネコは、新入りのネコを受け入れやすい傾向にあります。相手が子ネコだと積極的にお世話をしてあげることも。反対に人見知りのネコは“ネコ見知り”でもある可能性が高いです。また、繊細あるいは怖がりだと、新入りのネコの存在がストレスになりやすいので注意。
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先住ネコがほかのネコと暮らせそうなら、相性の良いネコを探しましょう。理想は血縁関係のネコや生後6カ月未満の子ネコ同士。敵対することなく、良い関係を構築できるハズです。一方、成猫はメス同士だと比較的うまくいきやすく、オス同士だとケンカになることが多いようです。
多頭飼いはネコ同士の相性が良いかどうかが非常に重要です。できれば1週間くらいトライアル飼育をしましょう。うまく一緒に暮らせそうなら正式に譲り受け、相性が悪いようなら飼育をあきらめる勇気も必要です。
(獣医師 山本宗伸先生)
2.ネコの飼育頭数は「部屋の数−1」が上限
ネコは社会性があるものの、本来は単独生活を営む動物。多頭飼いをするときは、個別にくつろげる部屋を用意してあげましょう。
ネコごとにくつろげる部屋があるとうまくいきやすく、「部屋の数ー1」の飼育頭数が推奨されています。たとえば2LDKなら2匹まで。リビングはネコたちの共有スペースで、残りの2部屋はそれぞれがくつろぐための部屋になります。
3.駆虫前の新入りネコと先住ネコを対面させない
ネコを多頭飼いしている場合、新入りのネコに寄生虫がいると感染してしまう可能性大!とくにノラネコは寄生虫のいる可能性が高く、感染症を患っているおそれも。
必ず自宅に連れて来る前に動物病院で検査を受け、結果が出るまで隔離しましょう。
■ネコからネコに感染する病気
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ネコカゼ
セキや鼻水、目やになど“カゼ”によく似た症状が現れます。回復しても、ストレスや免疫力の低下をきっかけに再発することがあります。
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寄生虫
ノミやミミダニなどはかゆみの原因に。回中や条虫は下痢や嘔吐などを引き起こします。
いずれも駆虫薬で退治することが可能。 -
ネコエイズ
ネコ免疫不全ウイルスにより免疫機能が低下し、口内炎、貧血、下痢などさまざまな症状が現れ、進行すると死に至ります。ウイルスに感染しても発症しないことも。
4.先住ネコと新入りネコはお互いのニオイに慣れさせる
先住ネコがいる状態で、さらにネコを迎える場合、いきなりネコ同士を対面させるのはNG。興奮してケンカに発展してしまうこともあります。2週間〜1カ月くらいかけて、以下4ステップで慣らしていきましょう。
■Step1: お互いのニオイを嗅がせる
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片方のネコのニオイが染み付いた毛布やベッドなどを用意し、嗅がせます。これによって、ほかのネコの存在に気づきます。
■Step2: ケージ越しに対面させる
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新入りネコはケージに入れ、先住ネコはキャリーに入れて対面。いきなり先住ネコを離すと、ケージ越しに攻撃することがあるので注意。
■Step3: 先住ネコを離して対面させる
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Step2を繰り返してネコ同士が落ち着いてきたら、先住ネコを離して対面させます。攻撃しようとしたり唸ったりするなら、中断しましょう。
■Step4: 新入りネコをケージから出す
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ケージ越しに対面させて2匹とも落ち着いてきたら、新入りネコをケージから出します。最初は2匹から目を離さないようにしましょう。
5.外に出ないネコは平均寿命が2年半長い
外出できるネコは刺激が多く、運動不足の心配もないでしょう。その反面、交通事故や病気感染を始め、さまざまなトラブルに遭いやすくなります。
外出しないネコは外出するネコより2年半も平均寿命が長い調査結果もあり、ネコは室内飼育がベスト!
出典/日本ペットフード協会「令和2年 全国犬猫飼育実態調査」
6.ネコの日なたぼっこはメリット多数
日なたぼっこは単に体が温まるだけでなく、免疫力の向上、精神の安定化、細菌の繁殖防止、体内時計の正常化、良質な睡眠につながるなど、メリットが多数!室内の日差しが当たる場所にネコの寝床をつくりましょう。
7.ネコは隠れられる場所があると安心できる
来客や雷などネコにストレスがかかったとき、隠れられる場所がないと不安が増大してしまいます。室内にはネコが身を隠せる場所を最低でもひとつは用意しましょう。
小さな箱やハウスはもちろん、ソファやベッドの下も隠れ家になります。暗くて狭い場所が理想的。とくに背中が覆われるような場所は後ろから襲われる心配がないため、本能的に好みます。
8.室温18〜28℃、湿度40〜60%が快適な環境
ネコは低湿度で温暖な環境が適しています。一般的には、湿度が40〜60%、室温は18〜28℃が推奨されています(体の弱い子ネコや高齢のネコなどは湿度40〜60%、室温24℃前後が理想)。
ネコが快適に暮らせるよう、湿度と室温をコントロールしましょう。
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とくに夏場は室温と湿度に気をつけましょう。
(獣医師 山本宗伸先生)
9.外の景色が見られる場所をつくる
ネコのために、外の世界を楽しめる環境を用意すると、ネコに“良い刺激”を与えることができます。ネコが外の景色を眺められるスペースを最低でも1か所は用意しましょう。
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通行人、鳥、木々の動きなどを確認できると、ネコはパトロールをしている気分になれます。外の景色がよりよく見えるよう、台などを設置するのも○。ただし臆病なネコには慎重に試して。
網戸にすれば外の空気も感じられますが、脱走対策を忘れないようにしましょう。ネコにも適度な刺激が必要なんです。
(獣医師 谷口史奈先生)
10.キャットステップがあると伸び伸び暮らせる
ネコは高い場所を好む動物。家具で高低差をつけたり、キャットタワーを設置したりしましょう。上り下りができる環境は、ネコの活動量も増える傾向にあります。
以上、「ネコの健康寿命の延ばし方【ストレスの軽減編】」でした。
次回、第12回はネコに元気でいてもらうために必読の「ネコの健康Q&A」をご紹介します。
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定価:980円
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発行元:株式会社晋遊舎
晋遊舎公式サイト:https://www.shinyusha.co.jp/
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第11回は、「ネコの健康寿命の延ばし方【ストレス軽減編】」をご紹介。長寿のネコも増えている中、いつまでも元気でいてもらうための「ストレスの減らし方」をご紹介します。(『ネコお得技大全 完全保存版』より抜粋)