第2回わん語レッスン 前編
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「一緒に暮らす家族だからこそ何を求めているのか理解したい」「永久に一緒にいられないからこそ限られた時間を幸せに暮らしたい」。そんな飼い主さんの“願い”を叶えるために、“わんこともっと仲良くなれる”お得技を編集部とプロが集めました!
ぜひ、あなたと愛犬との生活をよりよくするためにお役立てください。
“わん語”について専門家に取材しました!
ヤマザキ動物看護大学 准教授
福山 貴昭先生
博士(学術)。サンフランシスコ動物愛護協会ヒアリングドッグトレーナー修業。認定動物看護師。ペットグルーミングスペシャリスト。
1.「声」を読み取る
犬の声は「ワンワン」だけではありません。鳴き声に込められた訴えを聞き逃さないようにしましょう。
1.「ワンワン」「キャンキャン」と吠えるのは、なんて言ってるの?
1.だれか来たぞ!
犬が「ワンワン」「キャンキャン」と吠える理由の1つは警戒です。自宅に近づいてくる不審な気配を感じて飼い主さんに知らせています。
もう1つの理由はうれしくて興奮を抑えきれないとき。どちらも平常心ではない気持ちのあらわれと理解しましょう。
2.「クーンクーン」と鼻声のときはなんて言ってるの?
2.かまってよ〜
鼻声で鳴くときは、飼い主さんにおねだりしたいことがあります。退屈したときにかまってほしくて甘えているのでしょう。
散歩に行きたい、おなかが空いた、家へ帰りたい、と訴えていることも。どちらも要求なので応えすぎは禁物です。
3.「ウーウー」と唸るのはなんて言ってるの?
3.こっちに来るな!
犬が低い声で唸っているときは、主に攻撃や威嚇の意味があります。ケンカを売っているわけではなく、争いを避けるために唸り声で牽制する目的もあります。
多くが、本格的な争いを避けるための唸り声です。(福山貴昭先生)
4.音楽に合わせて「ウォーン」と歌っているみたい。音楽が好きなの?
4.ここにいるよー
遠くにいる仲間を呼ぶための声です。仲間が反応して遠吠えを返すこともあり、1頭をきっかけに連鎖的に広がることも。遠吠えに似ている音楽やサイレンの音に反応することもあります。
特に共鳴することが好きな犬は、さまざまな音に合わせて遠吠えをします。
5.私が帰ると「ワフワフ」と鳴きました。なんて言ってるの?
5.帰ってきてうれしい!
群れを作る犬にとって家族は大切な仲間。無事に再会できたことに喜びを抑えられなかったのでしょう。機嫌がよいときには「アーアー」とのど声を出すこともあります。
6.お散歩する前に「クックックッ」と鳴くのは、なんて言ってるの?
6.早く来てよ!
興奮したときほど鳴き声のテンポが速くなる傾向があります。飼い主さんに早く来てほしい気持ちや、散歩を待ちきれない気持ちが混ざっています。
7.「キャン」と短く鳴くのは、なんて言ってるの?
7.触らないで!
もし犬をなでたときに「キャン」と短く悲鳴のような声をあげたら要注意。痛みを感じて触られたくないときです。早めに動物病院を受診してください。
2.しぐさを読み取る
言葉では伝えられないため、犬にとっては全身で表現するボディランゲージが重要になります。
8.尻尾を振っているときは喜んでると思ってたけど違うの?
8.「嬉しいときは右」「嫌なときは左」
大好きなおやつをもらったときや散歩に行くときなど、犬は嬉しくて尻尾を振ります。でも、嬉しいときだけでなく、実はネガティブな感情のときにも尻尾を振るんです。
例えば、人見知りの犬が、知らない人を見て尻尾を振っているとき。このようなときは、「知らない人はイヤ」「苦手」という感情から尻尾を振っているのです。イタリアの研究チームによると、嬉しいときは右側に、嫌なときは左側に尻尾を振る傾向があるそう。
身体の左側に振るとき
ネガティブな感情
犬はネガティブな感情になると右脳が活性化します。右脳は左半身の動きを司るため、犬が嫌な気持ちになったときは、よく見ると、尻尾を身体の左側に振ることが多くなります。
身体の右側に振るとき
ポジティブな感情
嬉しいとき、犬は尻尾を右側に振る傾向があります。これは、左脳が活発になるから。左脳はポジティブな感情だけでなく、身体の右半分の動きも司っているためです。
9.叱っているときにあくびをするのは眠いから?
9.怒らないで、落ち着いて!
犬はさまざまなボディランゲージで相手に気持ちを伝えようとします。ときには争いを避けるために、「カーミング・シグナル」と呼ばれるサインを出すこともあるんです。
よく見られるのが、叱られているときにあくびをするしぐさ。あくびをするのは「そんなに怒らないで」と、相手の気持ちを鎮めようとしているサイン。こうしたサインを誤解して「どうして反省しないの!」と叱り続けると、愛犬の信頼を失いかねません。
■叱られている時に見せるサインは?
①ゆっくり動く
何度呼んでもすぐ来ないことがあります。わざとゆっくり動くのは、相手を落ち着かせようとしているサイン。
②そっぽを向く
とりあえず、この気まずい雰囲気を敵意のない行動でやり過ごそうという気持ちの現われです。
③顔や身体をかく
かゆいわけではないのに顔や身体をかくのは、叱られているときのストレスや緊張を和らげるため。興奮を鎮めるときもかきます。
④お腹を見せる
無防備にお腹を見せるのは、敵意がないサイン。叱られたときに、反省や服従の意志を示すために見せることも。
⑤まばたきをする
叱っているときにまばたきをしていたら、それはストレスと闘っているサイン。自分を落ち着かせようとしています。
3.「表情」を読み取る
犬の感情の表現方法は人と異なります。表情の変化を手がかりに、気持ちを読み取ることが大切です。
10.笑っているような表情をするけど、本当に笑ってるの?
10.敵意はないよ!
犬は笑顔を作るために必要な筋肉をもっていませんが、安心して筋肉が緩むと笑顔のような表情を浮かべます。笑っているような表情は、人と暮らしているうちに真似をして身につけたという説も。笑う犬と笑わない犬の違いは、気持ちの緩みやすさや学習の有無が影響しているのかもしれません。
■わん語を真似してみよう!
犬に向かって「ハッハッ」と息を出しながら接する
犬の笑顔にあたる表情には、「ハッハッ」と速く息を吐く「ドッグラフ」があります。犬を落ち着かせたいときに真似をしてみては?
11.耳をピンと立ててるときはどんなとき?
11.ん! なんだ?
何かに注目している気持ちの現れです。おやつを待っているときは楽しげな様子になり、不審な物音がしたときは全身が緊張します。身体の状態も合わせてチェックしましょう。
12.耳をピクピク動かすときはどんなとき?
12.なんか、不安…
耳を澄まして周囲の情報を集めています。主に不安や恐怖を感じているときで、表情や身体はこわばっています。人にはわからない物音に反応していることもあります。
13.耳を後ろに倒しているのはどんなとき?
13.かわいがって〜
耳にも犬のさまざまな感情が現れます。耳を倒してリラックスしている表情を浮かべているときは信頼や友好の気持ち。耳も身体も後ろに引いているときは緊張や恐怖。
14.鼻をヒクヒクしているのは、いいニオイがするから?
14.もっと、知りたい!
鼻を素早く動かして空気中のニオイを嗅ぎとり、さまざまな情報を確認します。初めて行った場所を確認したり、見失ったおもちゃを探したりするときに鼻をヒクヒクします。
以上、「わん語レッスン 前編」でした。
次回、第3回は「わん語レッスン 後編」です。犬の行動から気持ちを読み取る方法をご紹介します!
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わんこお得技ベストセレクション
定価:980円
判型:A4変形
発行元:株式会社晋遊舎
晋遊舎公式サイト:https://www.shinyusha.co.jp/
編集協力:有限会社オネストワン
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キリ
熊本在住のイラストレーター・漫画家。
2018年に趣味で描いていた飼い犬”こつぶ”との日常を綴ったエッセイ漫画「豆しばこつぶ-はじめまして-」が発売。同年、cakesクリエイターコンテストにて7000件の応募の中から連載がスタートし、2022年cakesサービス終了後の現在は豆しばこつぶの続巻を描きおろし含め執筆中(ダイヤモンド社刊行)。
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第2回は「わんこともっと仲良くなれる!わん語レッスン 前編」。
犬は言葉を話せませんが、コミュニケーションをとるために、さまざまな方法で自分の気持ちを伝えています。このコミュニケーションの方法が“わん語”です。飼い主さんが読み取ることができれば、もっと幸せな関係を築けます。
今回は「声」「しぐさ」「表情」の読み取り方をご紹介。(『わんこお得技ベストセレクション 2021年版』より抜粋)