ここ数年、子どもを狙った犯罪が後を絶ちません。ニュースが報道されるたび、悲しみや怒り、やるせない気持ちに苛まれ、他人事とは思えません。
書いている私もおさなごの親。自分の子やその友達、街で見かける子ども達が安全で、「世界は楽しい!」とだけ思って成長できることを願います。
自分の幼少期を思い返すと、家の外(=社会)には常に大人がいて、親でもないのに、こちらが悪いことをすれば叱ってくれていました。温かい目がそこかしこにあったんですね。 “世代を超えたつながり”が生きていた当時と比べ、現代はあまりにも希薄になってきているから、危険も増えてきているのではないかと。
そのつながりを再構築する活動とでも言いましょうか、それが今回紹介する「犬のおまわりさん」。童謡ではありません。
子ども達が学校へと向かう朝。通学路で「犬のおまわりさん」活動をするボランティアの方々が犬と一緒に歩いています。子どもとすれ違う際には「おはようございます」「いってらっしゃい」の声。柴犬、ラブラドール、チワワからミニチュアダックスまで、いろんな犬種がいて、子ども達もなんだか楽しそう。
運営しているのはNPO法人・日本社会福祉愛犬協会。昭和48年に設立された「ザ・ケネルクラブ・ジャパン」が前身で、平成15年にNPO法人となったことを記念し、翌年1月から活動がスタートしました。運営といっても、協会への入会など義務的なものがあるわけではなく、子ども達の集団登校時などに合わせて散歩し、そのふれあいの中で、子ども達に犬との接し方を指導するのが活動内容。参加した団体は、「犬のおまわりさん」のトレードマーク“青いバンダナ”を犬に着け、散歩する。
現在は全国にある会員のクラブ73をはじめ、約300のグループが、子ども達に合わせて散歩をしてくれているそうです。
“犬を飼っている人は必ず散歩をします。せっかくなら毎朝子ども達の登校時に合わせて通学路を”散歩が地域防犯のパトロールになる、その時間に子ども達は優しい大人に見守られ、大人達は子ども達の元気な顔を見て、犬はたくさんの子どもに声を掛けてもらって…。なんだか誇らしげで、心温まる活動ですね。