ペットと共に生きること

「人と動物が一緒に暮らしていく」うえで、考えて欲しいことを、さまざまな取材を通して紹介します。ちょっぴり硬い話題が多いけれど、ほんの少し、一緒に考えてみませんか?

第11回:都市部で暮らすこと。

恐らく今、世界中のさまざまな都市で、ペットは社会の一員と位置づけられていますよね。
ペットを飼うことがステータスだった時代から、どう暮らすかを考える時代へ、世界的に動いていると言ってもいいでしょう。
その中で声高に叫ばれ始めているのが、ペットとの向き合い方。
ペットにも社会的行動規範が求められるようになった、ということでしょう。
日本だけを見ても、テレビや雑誌、インターネットを通して、
実に多くの関連情報が提供されています。
しかし、情報を得るだけで大丈夫なのでしょうか?

問題が起きる前に

神戸市内のとあるホームセンター。
ここでドッグトレーナーの横井香臣さんがトレーニング教室をされています。
トレーニングのプログラムは、
ベーシック、ドッグダンス、そしてドッグセラピーの3クラス。
「ベーシックには、最近小型犬を飼っている方が多いですね」と横井さん。
ベーシッククラスはしつけが中心ですが、
受講者には、室内飼いの小型犬を連れてくる人が増えているそう。
そして、数回に及ぶしつけ教室を終えて、
また家庭に戻ってゆく。
受講する人に何か特徴はあるのでしょうか。

「多くの方が、家庭内やご近所とのトラブルを理由に来られますね」
そう、これこそが問題だと思うのです。

小型犬といっても、
留守中や夜中に吠えたり、家の中にいるせいで人見知りになったり、
トラブルの要因は大型犬同様に抱えているものです。
しかし、小型犬は自分でコントロールできるから、しつけはあとから、
なんて声がちらほらあるのも現実ですね。
そう思っている人の多くは、トラブルが起こって初めてしつけ教室を探し、
受講するのではないでしょうか。
犬のしつけに関する多くの情報には、
ほとんどの場合「しつけは子犬の時から」とあります。
それは、本当に大事なこと。
問題が起こってからでは、犬も人も、なんだか暮らしづらくなってしまいます。

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