ペットと共に生きること

「人と動物が一緒に暮らしていく」うえで、考えて欲しいことを、さまざまな取材を通して紹介します。ちょっぴり硬い話題が多いけれど、ほんの少し、一緒に考えてみませんか?

第13回 補助犬と旅行すること

ここ数年、国内旅行をする人の数が増えています。
交通網が発達し、インターネットの普及で情報収集が容易になり、
10年前と比べると、旅行へのハードルはとても低くなったのではないでしょうか。
そして今、求められているのは、観光地からの情報開示度です。
それはさまざまな境遇の人に対して開かれた情報かどうか、ということ。
つまり、情報のバリアフリー度が重要になってきています。
今回は、観光地のバリアフリーについて、伊勢志摩・鳥羽を例に、考えてみたいと思います。
※補助犬とは、盲導犬、介助犬、聴導犬の総称です。

伊勢志摩・鳥羽が先進地と言われる理由

 三重県の伊勢志摩・鳥羽といえば、関西および東海圏から気軽に行けるリゾートとして人気の観光地。その地域が近年、バリアフリー先進地として注目を集めています。

↑近鉄鳥羽駅の向かいにある鳥羽一番街に「伊勢志摩バリアフリーツアーセンター」がある。↓常駐スタッフにはチェアウォーカーもいる

その中心にいて、活動しているのがNPO「伊勢志摩バリアフリーセンター」です。ここは、バリアフリーの観光案内や旅行アドバイスを常駐で行う日本で初めての団体。シニアや障がい者が伊勢志摩・鳥羽を訪れる際、なんでも相談できる場所として重宝されています。
 多くの観光地で提供されるバリアフリー情報といえば、スロープや手すりがある、車いす対応トイレがあるなどハード部分がほとんど。しかしセンターでは、視覚・聴覚障がい者やチェアウォーカーなど約20名の地元障がい者と共に、伊勢志摩のさまざまな施設について日々バリアフリー調査を行っているそうです。そのうえで、介助者同伴なら行ける、施設の人に声をかければ手伝ってくれるなど、実に小さなことまで教えてくれます。

 補助犬と共に暮らす人の中には、「もう旅行なんて…」と思っている人も少なくありません。しかし、たとえ目が見えなくても、景色の良いところに行けば風や香りなどでその心地よさが体感できるかもしれません。飲食店でも同じ。地元の名物料理を、舌でじっくり味わえるはず。

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