老犬マギーのきょうもいい日

第2回 マギーのダイエット

マギー(ゴールデン・レトリーバー  11歳)

ただいま琵琶湖にほど近い田舎町でのんびりシニアライフを満喫中。

コロコロに太った子犬時代がつい最近のような気がするのに、気づけば我が家で最年長。悲しいかな、ここ1、2年であちこち体に悪いところも出てきた。

とはいえ、ぼちぼち元気に田舎暮らしを楽しみ、うらやましいほど平和でゆったりした1日を送っている。

マギー、ダイエットの必要あり

マギーは少し太っている。
体重は30kgと少し。ゴールデンの女の子の標準体重がだいたい28kg程度だから、やや(?)オーバーしている。ただマギーは骨格自体ががっちりしていて、若いころから「マギーです」と名乗っているにも関わらず、「男の子ですか?」と聞かれることが多かった。「マギー」は「マーガレット」の愛称で、名前はバリバリ女の子なんだけどなぁ。

おからご飯

そんなわけで、マギーはずいぶん前から3kgほど減量するようにかかりつけの先生に命じられている。足腰が悪く運動量が制限されているため、その方法は食事制限が主だ。

食事は朝夜の1日2回。先生のすすめでドッグフードに“おから”を混ぜたものを食べている。おからはたくさん食べても低カロリーだからダイエットにはもってこいの食材だ。ただ、それだけではモサモサして食べにくいしさすがに味気なさすぎてかわいそうだから、少し手を加えるようにしている。

まず、ササミを小さく切ったものをかつおだしで煮込む。そこにカボチャや菜っ葉類などマギーの好きな野菜を加え、最後におからを混ぜ合わせて火を通す。やけどしない程度に冷ましてからドッグフードを混ぜれば、おいしそうなおからご飯の完成だ。

マギーもにおいで分かるらしく、調理中いつも私の足元でソワソワしながら待っている。このとき、ササミを1切れ味見させてやるのがお決まりだ。多分マギーとしては、おからなど混ぜずに大好きなササミだけでちょうだいよ、と思っているはずだ。

ちなみに、ドッグフードも病院で購入する低カロリータイプのものを選び、これを通常より量を少なめにしている。

最初のころはこのおからご飯を喜び、おわんいっぱいに盛られたものをペロッと平らげていた。
でもさすがに毎日は飽きるのだろう、近頃は半分以上残したり、においをかいだだけでどこかへ行ってしまうことが多くなった。試しに他のものをあげると大喜びで食べるので、食欲がないわけではない。

でも食べないからと放っておくわけにはいかないので、そんなときはふりかけ状に切り刻んだスナックを上にかけたり、無脂肪乳を少しかけたりしながら、どうにかこうにか食べさせる。それでも、小鳥がついばむように極少量ずつ口に入れているのだから、よっぽど食べたくないのだろう。

やせた!…が、また少し太った

こんなふうに嫌々ながらもおからご飯を食べ続け、大好きなスナック類も節制するなどして地道にがんばった結果、目標の体重まであと1kgというところまできた。それが昨年の秋頃のことだ。見た目もスッキリし、胴回りがほっそりしたのも一目でわかる。それに歩き方もなんとなく軽やかだ。よーし、この調子、あと一息だマギー!

が!!ここまできて事態が変わった。きっかけは、前回お話しした膀胱炎だ。

膀胱炎を患っていたあのころのマギーは疲れきっていて、せめて何か楽しみを…とついつい甘やかしおやつの量が増えた。スナック類を使って嫌がる薬を飲ませることも多かった。
それに…あの目は反則だ。病気で弱々しい状態+キラキラさせておやつを催促する目。家の中で超が10個はつくほどの親バカな私と母は、この2つを振り切るのはかなり難しかった。

……結果、予感はしていたけど、少し前の病院の体重測定でまた少~し体重が増えつつあることが証明された。先生は、高齢になって体重が増えるのは内臓が元気に働いている証拠だとフォローしてくださったが、その後、でもこのままではいけないと当然のことながら私たちにビシッと釘を刺した。

ダイエット、仕切りなおし

こうして、完全に人のせいで太ってしまったマギーはいっそうダイエットに励まなければいけなくなった。体重コントロールは飼い主の責任なのに、それを果たせず、マギー、ホントにごめんなさい。

おやつはダメなのっ!

そこで、当分おからご飯以外は何もあげないことを強く心に決めた。キッチンに置いてある「マギーのおやつ箱」もしばらくは封印だ。この中にはお気に入りのスナックがいくつかストックしてあって、マギーはいつもこの前でひっそりお座りし、もらえるのをじーっと待っている。そのときの私を見る“良い顔”ったらありゃしない。でも、この顔に負けてはいけない。マギーの健康のためなのだ。

肥満がよけいに負担になる夏までに、とりあえず今回太った分だけでも帳消しにしてやりたい。がんばれ、マギー!応援してるから!
「自分のことは棚に上げてっ」とマギーの不満が聞こえてきそうだけど、それは気のせいということにしておこう。

幼いころは、なんとなく細長かった。※洗面台で水をゴクゴク(1歳当時) 特別にクッキーを作ってあげた。でも材料はおから(笑)