すっかり暖かくなり…というより、早くも京都は暑っ!ということで、猫の毛もバッサバッサと抜けていくこの季節、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
さあ、第2回目は、お寺の猫にゃんを紹介します。三条通りより北、鴨川にほど近い大菊町に構える頂妙寺さん。ここの境内に8つある塔頭のひとつ、妙雲院の愛猫です。何を隠そうこの辺は私の縄張りで、日頃ウロウロしているわけですが、あれは1年半くらい前、何とも特徴のある猫にゃんと出会ったのでした。青い目、薄茶の毛、鼻のまわりだけ黒いメタボリックな体型…。勝手に「コアラちゃん」と命名し、顔を合わせるたびに、なでなでしていました。が、このたび名前が「ブー」と判明。飼い主の藤井さんいわく「太っているからね~(笑)」とのことで、見たまんまでした。
さてこのブーちゃん、一度見たら忘れられない系にして、その行動もなかなかお見事。人見知りなどどこ吹く風と、誰でも彼でも「にゃ~ん~」とスリスリ。と次の瞬間にはゴロリンとお腹みせて、猫好き脳殺ポーズを連続でキメまくるのです。そう、私もこれでノックアウトされました、はい。「どうも、いろんな人にエサをもらっているみたいで…」と苦笑する藤井さんですが、台所のお弁当の箱を開け、かまぼこだけをパクリッ!という大胆な手口をやってのけたという過去の珍事件も判明。ブーは何ともしたたかな食いしん坊猫にゃんのようです。「ほかの猫はやらないんですけどね~」。
実は、ここにはブーのほかに2匹の猫にゃんがいる。その名も七(ナナ)と福(フク)。なぜか「ブー」とは違い2匹で「七福」という縁起のいいお名前の三毛猫たちです。これがまたそっくりなので、てっきり姉妹かと思っていたら全く別で出会ったとのこと。
「福は6年前に他の猫にくっついて家にやってきて、七は3年前、親戚の住む大阪のマンションに迷い込んできて出会ったんです。このお寺で飼っただけでもブーで7匹目ですが、猫って性格がみんな違っておもしろいんですよね」。
ちなみに藤井さんは妙雲院に嫁いで、今は寺庭(お寺の事務全般をこなす人)の身。ご主人はご住職様でお二人とも猫好きだとか。
「お寺だからか、まだ目の開いていないような生まれたばかりの猫が捨ててあったり、ビニール袋に入れて子猫がゴミ置き場に置いてあったり、そういうこともありました」。その度に、まず獣医さんに診てもらい、飼い主を募ったり、そのまま世話したりしてきたそうです。
2年前、このお寺に姿を見せるようになったブー。
愛くるしい顔ですが、実は前歯が1本ないのです。きっと野良だっただろうな…。
でも今は、優しいご主人とも出会い、元気いっぱい幸せいっぱい。このお寺でバラ色な毎日を送っているご様子。よかったね、ブー。今日も得意の甘えテクで抱っこ作戦大成功、フクやナナを出し抜いて、まんまと藤井さんを一人占め!ついでに脂肪も独り占め!って、その姿、やっぱりコアラでしょう!!…さあさあ、自分の足で歩いて歩いて。脱メタボだ、ブーにゃん!