秋風そよ吹く今日この頃、あったか~い珈琲でも飲みながらほっこりしたい、そんな季節がやってきました。ということで、今回は喫茶店の看板猫にゃんを紹介しましょう。
ここ「ライト商会 三条店」は、昔の電灯や時計や食器などなど、たくさんのアンティーク雑貨がひしめくお店。そう、アンティークショップの一画が喫茶スペースになっている、ちょっとディープな空間であります。この店で今、価値あるお宝たちをしのぐ勢いで、お客さんの人気を独り占めしている猫にゃんが一匹。その名も金太郎くんです。「金曜日にやってきたので…」とは、オーナーの佐藤さん。
子猫の時に突然現れ、ニャ~とひと声あげた冬の日からもうすぐ4年。今ではすっかり店のアイドルにまで昇りつめ、お客さんにも近所の人にも、たっぷりとかわいがられているとのこと。なかには金太郎の名刺までわざわざ作ってきてくれるコアなファンもいるんだそうな。
「おっとりしているからでしょうかね~。皆さんに好かれるね。いつもお客さんのお話を目をつむってじーっとそばで聞いているんですよ。カップルの会話なんかね、耳をピクピクさせちゃって、まるで全部漏らさずに聞こうとしてるみたいなんです (笑)」
とオーナーさん。しかしお店が混んでくると一変、あっちのテーブルこっちのテーブルと大忙しの金太郎。まんべんなく愛想をふりまくその姿は、なかなかのホストぶりだとか。
「お客さんでいっぱいになると、金太郎が一番はりきってるみたいで…」。が、それでいて、ちと怖がりな性分でもあるらしい…。毎日お店の外に出るのは開店時の約5分。しかも半径3メートルほどをクンクンして、すぐ店内に戻ってくるそうです。「気が弱いというかなんというか…。自分の身体より小さい犬とかでも、吠えられるとすぐビックリしちゃって」。金太郎は誰かの話声を聞きながらまったり過ごすひと時が、何よりもお気に召しているようです。
でも、よくよく考えればここの店、棚にも壁にも商品がいっぱい。しかもアンティークの食器など、高価な割れ物だってありますが・・・???「金太郎は一回も商品を壊したことがないんです! 私の方はたまに…(苦笑)」。よっ、さすがは看板猫! 蝶ネクタイのごとく赤い古布を品よく結び、素行もなかなかのジェントルマンとは頼もしい。
「でも1回だけ、猫嫌いの常連さんの膝にピョンと跳び乗っちゃって…」と、オーナーさん。おおっと、これは過去のおイタ話か?!
と思いきや「それが、はじめは怖がっていたお客さんが、この日がきっかけで金太郎のことをすごく好きになっちゃって。今では自分の家でも、猫ちゃんを飼っているらしいんです」。いや~これぞあっぱれエピソード! 強引な膝ピョンで人の心をいとも簡単に動かしてしまうとは、恐るべし金太郎パワーであります。
皆さま、京都の街中でお茶する時はぜひ。 珈琲&金太郎で、いつものお茶タイムより10倍はなごめるはずですよ!