京都*猫日和 ~猫を愛する京都人を訪ねて~

VOL4. レトロな空間でまどろむ癒し系
(2008年10月掲載)

 秋風そよ吹く今日この頃、あったか~い珈琲でも飲みながらほっこりしたい、そんな季節がやってきました。ということで、今回は喫茶店の看板猫にゃんを紹介しましょう。
ここ「ライト商会 三条店」は、昔の電灯や時計や食器などなど、たくさんのアンティーク雑貨がひしめくお店。そう、アンティークショップの一画が喫茶スペースになっている、ちょっとディープな空間であります。この店で今、価値あるお宝たちをしのぐ勢いで、お客さんの人気を独り占めしている猫にゃんが一匹。その名も金太郎くんです。「金曜日にやってきたので…」とは、オーナーの佐藤さん。
子猫の時に突然現れ、ニャ~とひと声あげた冬の日からもうすぐ4年。今ではすっかり店のアイドルにまで昇りつめ、お客さんにも近所の人にも、たっぷりとかわいがられているとのこと。なかには金太郎の名刺までわざわざ作ってきてくれるコアなファンもいるんだそうな。

【にゃんファイル】ジャック/雑種・オス・4歳/好物:キャットフード/性格:さみしがり屋の内弁慶【飼い主ファイル】佐藤洋子さん/京都在住歴:生まれてからずっと/猫同居歴:4年
金ちゃん最近また重くなった?

「おっとりしているからでしょうかね~。皆さんに好かれるね。いつもお客さんのお話を目をつむってじーっとそばで聞いているんですよ。カップルの会話なんかね、耳をピクピクさせちゃって、まるで全部漏らさずに聞こうとしてるみたいなんです (笑)」
とオーナーさん。しかしお店が混んでくると一変、あっちのテーブルこっちのテーブルと大忙しの金太郎。まんべんなく愛想をふりまくその姿は、なかなかのホストぶりだとか。

「お客さんでいっぱいになると、金太郎が一番はりきってるみたいで…」。が、それでいて、ちと怖がりな性分でもあるらしい…。毎日お店の外に出るのは開店時の約5分。しかも半径3メートルほどをクンクンして、すぐ店内に戻ってくるそうです。「気が弱いというかなんというか…。自分の身体より小さい犬とかでも、吠えられるとすぐビックリしちゃって」。金太郎は誰かの話声を聞きながらまったり過ごすひと時が、何よりもお気に召しているようです。

でも、よくよく考えればここの店、棚にも壁にも商品がいっぱい。しかもアンティークの食器など、高価な割れ物だってありますが・・・???「金太郎は一回も商品を壊したことがないんです! 私の方はたまに…(苦笑)」。よっ、さすがは看板猫! 蝶ネクタイのごとく赤い古布を品よく結び、素行もなかなかのジェントルマンとは頼もしい。

おもしろショット~いつでもどこでも金太郎は聞き上手~

「でも1回だけ、猫嫌いの常連さんの膝にピョンと跳び乗っちゃって…」と、オーナーさん。おおっと、これは過去のおイタ話か?!
と思いきや「それが、はじめは怖がっていたお客さんが、この日がきっかけで金太郎のことをすごく好きになっちゃって。今では自分の家でも、猫ちゃんを飼っているらしいんです」。いや~これぞあっぱれエピソード! 強引な膝ピョンで人の心をいとも簡単に動かしてしまうとは、恐るべし金太郎パワーであります。
皆さま、京都の街中でお茶する時はぜひ。 珈琲&金太郎で、いつものお茶タイムより10倍はなごめるはずですよ!

京にゃんナビ ライト商会 三条店 (ナビゲーター:金太郎)

京都の繁華街、寺町三条の一筋南の路地にあるのがご主人様のお店「ライト商会」。お店の中は古い家具や電灯、玩具や人形など、アンティークのものがいっぱいでおもちゃ箱みたいだニャ。みんな日本製で、明治の頃に作られた品が多いってご主人様が言ってたニャ。喫茶利用のお客さんには珈琲(400円)とカステ-ラ(300円)が人気メニューみたいだけど、もちろんお店の商品を見に来てくれるだけでもOKだニャ。もし、ぼくの姿が見当たらなかったら、よ~く店の奥まで探してみて。人形たちの置いてある一番隅っこの棚、時々ここでお昼寝しているからニャ。
…そうそう、二条通りにある姉妹店(「ライト商会 二条店」京都市中京区寺町二条東入ル南側)もアンティークショップ。


戸棚や机なんかもいろいろ揃っているし、ぜひのぞいてみてニャ。
ここだけの話だけど、あっちの店には”銀太郎”っていう名前の亀がいるんだって。ニャハハ~!

Data

京都市中京区寺町三条下ル一筋目東入ル

TEL:075-211-6635

営業時間10:00~18:00

定休日:不定休