やっと待ち望んだ春到来! コタツにもぐっていた猫にゃんたちも、ゴソゴソ、ウロウロ、コロンコロ~ン♪と、日に日にご機嫌さんになることでしょう。
さて今回紹介するのは、愛くるしい姿で道行く小学生の人気者にもなっている猫にゃん。画材の製造・販売をしている「松永静心堂」さんのキンちゃんです。
お店があるのは街中の中京区。築100年以上の風情ある佇まいです。早速お邪魔しようとガラス戸越しに中をのぞくと、番頭さんのように鎮座しているキンちゃん発見。ご高齢にも関わらず毛並みはツヤツヤ。まるい顔にアゴヒゲのような黒毛が何とも個性的です。「登下校中の小学生たちにパンダ猫と名付けられてるみたいです(笑)。この家で生まれたからおっとりしててね。人見知りもしないんです」と飼い主の松永さん。「13年程前に、飼っていたメス猫がこの家で出産したんです。数匹生まれてそれぞれもらわれていったんですが、特別愛嬌があって手放せなくなっちゃったのが、このキンちゃんなんです」。
小さい頃、近所のお風呂屋さんに向かった松永さんについて行ったというキンちゃん。なんと、お風呂屋さんの前で松永さんが出てくるのをちょこんと座って待っていたこともあるとか。忠犬ハチ公ならぬ、忠猫キン! と思えば、仕事場をメチャメチャにしちゃったこともあったそうで…。「工房は出入り禁止にしているんですが、戸がちょっと開いていたんでしょうね。乾かすために広げていた絵の具箱の上を歩いちゃったことがあって。もう部屋中ペタペタ! 足型はつくは、絵の具は入れ直さないといけないは、あの時は大変でした(笑)」。リアルな肉球スタンプ、やっちゃったわけですね! でもその光景、ちょっぴり見たかった気もします・・・。
顔彩や棒絵具を扱う職人さんとして、3代目を継ぐ松永さん。日本画をはじめ美術関係の方もよく出入りするそうですが、キンちゃんファンも多いそう。身体はモノトーンでも、得意の愛嬌でカラフル絵具の商いにも立派に貢献?! う~ん、さすがは生粋の京都っ子です。