京都*猫日和 ~猫を愛する京都人を訪ねて~

VOL.13 「箱入りジェントルマン」
(2010年4月掲載)

すっかり暖かくなり、
おでかけシーズンがやってきました。
花が咲き、木々が芽吹き、
小鳥がさえずる小春日和。
陽だまりでくつろぐ猫にゃんたちも、
どことなくウキウキしているようですね~。

さて、今回紹介するのは
洋食店「グリルトーヨー」さんの看板猫チビくん。
「からだは大きいですが、名前はチビです」と笑うのは、飼い主でオーナーシェフの村田隆史さんです。

村田さんは大の猫好き。
これまでもいろいろな猫にゃんと暮らしてきたそうです。

【にゃんファイル】チビ(雑種・オス・8才)【好物】ポリポリ【性格】勇敢【飼い主ファイル】吉田智子さん/ほとんど京都暮らし/幼少期からずっと!
それは、今から8年前のこと。
「かわいがっていた猫が突然病気で亡くなってしまって、
しばらくは飼わないでいようと胸に誓ったんですが、
かわいい野良の子猫がいるから見に来いって
友人に誘われてね…」
結局、ご友人の思惑どおり(!?)
ひと目でノックアウトされてしまった田村さん。
その日、抱えて帰ったのがチビだったのです。

手のひらにのるほどの子猫から、
今やビッグに、いや立派に成長したチビ。でも
村田さんは相変わらずメロメロなご様子です。
上目使いの「ごはんちょーだいビーム」に至っては、
「このおねだりポーズに弱いんですよね~」と
毎度目を細めてしまう完敗ぶり…。
休日ともなれば、
いそいそとチビのポリポリを買いに走る、
優しきご主人様なのでした。

そんなこんなで、
日頃たっぷり愛情を注がれているからか、お店ではとてもいい子にしているチビ。
その日の気分で居場所を変え、
目をつむって瞑想したり、
お客様の話に耳を傾けたり、
手足を投げ出して爆睡したり、
とりあえず、常にリラックスモードのようで…。

「でもね、店が満席になると、誰も何も言わないのにすっと床に降りて、お客様に席を譲るんです」
と、またも目尻を下げる村田さん。

おおお~なんというジェントルマン!
いざという時にご主人様をたてるとは、名前はチビでも志は高い!
さすがは看板猫でございます。

グリルトーヨー(ナビゲーター:チビ)

 昭和26年に先代が創業した「グリルトーヨー」。はじめは喫茶店の前身といわれる「ミルクホール」だったと聞いたニャン。今は地元の人にすっかりお馴染みの洋食屋さん。優しいご主人様と朗らかな奥様が切り盛りするアットホームなお店で、常連さんが入れ替わり立ち替わり来てくれるニャン。
 お昼の人気メニューは、コーヒー付きのサービスランチ。サラダたっぷりなのがご主人様のこだわりだニャン。他に、ハンバーグやオムライスにもファンは多いみたい。もちろんボクのファンだっていっぱいいるニャ。そういうお客様は、わざわざボクの隣に座ってくれる。「グリルトーヨーのVIP席」な~んて、照れるニャ~ハハハハハ!!
 クーラーはちょっと苦手だから、真夏は2階のお家に退散しちゃうけれど、春と秋と冬はお店にいるニャ。営業時間中はいつもヒモ付き。お食事の邪魔はしないから大丈夫だニャン。京都に遊びに来たら会いに来てニャ~。

Data

京都市下京区東洞院綾小路下ル扇酒屋町276

営業時間:9:00~15:00、17:00~21:00
日・祝休

TEL:075-351-2689